連載・トピックス / 不動産投資

カリスマ空室コンサルタントが
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空室を埋めるには「内見を取る」ことが必要

「当て物件」「中物件」「決め物件」って何ですか?

2016/08/10 尾嶋健信

賃貸物件の空室を埋めるためには、まず内見を取ること。そして、不動産会社の営業マンに自分の物件を「決め物件」として扱ってもらうことが必要です。今回は、まず「決め物件」とは何かということと、不動産会社の営業マンの営業戦略について知っておきましょう。

お客さんに内見させる物件は戦略的に選ばれている

 自分が所有する賃貸物件の空室を埋めるためには、まず内見を取ることが大前提になります。

 内見とは、不動産業者を訪れた入居希望者が、契約前に物件の室内を見学すること。部屋を見ずに賃貸契約する人はほとんどいませんから、空室を埋めるためには、まず物件を内見してもらう必要があります。不動産業界用語でいう、「内見を取る」必要があるわけです。

 では、内見を取るにはどうすればいいのでしょうか。その説明をする前に、まずは不動産会社に勤務する営業マンの、1日の行動パターンからご説明したいと思います。

 不動産会社の営業マンの1日は、通常午前9時から始まります。不動産仲介を専門にしている不動産会社の場合、賃貸契約をまとめる件数は、最大で1日4件ほど。午前中に1件、午後1時〜3時、3時〜5時、5時〜7時に1件ずつ、といった感じでしょうか。

 来店したお客様から最初の30分ほどで希望物件についてヒヤリング。その後1時間から1時間30分ほどかけて、希望にかないそうな賃貸物件を3件ほど内見してもらいます。

 お客様に内見してもらう3件の物件については、実は、どういう物件をチョイスし、どういう順番でお客様をご案内するか、営業マンは事前に戦略を立てています。

 営業マンは基本的に歩合制ですから、自分の時間を使ってお客様を内見に連れ出した以上、ぜひとも賃貸契約を取りたいところ。そこで、お客様の希望をうかがったうえで、「成約に結びつきやすい内見ルート」を、その場で急きょ組み立てるわけです。

成約を取るための内見ルートの組み立て方

「成約に結びつきやすい内見ルート」のパターンは、実は決まっています。それは、(1)「当て物件」→(2)「中物件」→(3)「決め物件」の順に見せるということ。これが、不動産会社の営業マンならおそらく誰もが知っている、成約に至る“必勝パターン”なのです。

 最初に連れていく「当て物件」とは、内見した入居希望者ががっかりするような、残念な物件のこと。間取り図や物件写真を見てイメージしていたよりも部屋が狭かったり、部屋がきれいでなかったり、陽当たりが悪かったり、駅から遠かったりして、内見者が「ちょっとこれは……」と引いてしまうような物件です。

 営業マンにしてみれば、「1カ月●万円の物件って、こんなものなのかな…」と、内見者を落胆させることが狙いなので、この当て物件で成約できるとは最初から考えていません。

 次に見せる「中物件」とは、可もなく不可もなく、文字どおり“まあまあ”の物件のこと。「当て物件」に比べれば少しは魅力的なのですが、それでも「この部屋に住みたい!」と思わせる魅力には欠けていて、「う〜ん、悪くはないんだけど…」と内見者に思わせるような物件です。

 そして、3番目に連れていくのが「決め物件」。「当て物件」「中物件」と比べれば断然いい物件で、残念な物件を見てきた内見者からすれば、なおさら魅力的に見える物件です。

 それだけに、「実はこの物件には午後からもう一組、別のお客様の内見が入っていまして」などと、営業マンからほかの入居希望者の存在を匂わされると、「じゃあ、ここに決めます!」と即決してしまう内見者も少なくありません。

 営業マンは最初から、この「決め物件」で成約を取ろうと戦略を立てているので、内見者はまさにその術中にはまってしまうわけです。

自分の物件を「決め物件」に選んでもらわなければいけない

 この内見ルートの必勝パターンには、別バージョンがあります。それは(1)「見せ物件」→(2)「ボロ物件」→(3)「決め物件」というもの。

「見せ物件」とは、予算オーバーだけど広くて、きれいで、豪華な物件。「ボロ物件」は、予算の範囲内だけど、広さもきれいさも残念な物件。「決め物件」は、予算の割に広くてきれいで手頃な物件。いずれにしても、最終的に「決め物件」で成約を取るという営業戦略に変わりありません。

 ポイントは、不動産の営業マンが、「決め物件」から逆算して内見ルートを組んでいるということ。つまり、「決め物件」の魅力が際立つように、組み合わせる物件を選んでいるということです。

 さて、こうした不動産営業マンの戦略を理解したうえで、賃貸物件のオーナーであるあなたが取るべき空室対策は、ただひとつ。それは、“自分の物件を、いかに「決め物件」に選んでもらうか”に尽きます。

 次回は、自分の物件を決め物件に選んでもらうために、不動産営業マンを味方につける方法を解説します。

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