連載・トピックス / 不動産投資

これだけは知っておきたい不動産投資の「超」キホン

知っておくべき不動産投資の判断基準(1/2)

「表面利回り」と「実質利回り」について理解しよう

2016/02/29 大倉修治

資産運用を行なう際には、自分なりの判断基準を持っておくことが重要です。それは不動産投資であっても同様です。不動産投資の判断基準のひとつとなり得る「利回り」について、その基本的な考え方についてご説明します。

利回りとは?

資産運用や投資の収益性は、「利回り」(投資元本に対して1年間に何%の収益を生み出すか)によって評価するのが一般的です。
不動産投資もひとつの判断基準として、「利回り」の考え方を押さえておく必要があります。

(1)表面利回りとは?

「表面利回り」とは、不動産の購入価格(物件の取得価額)に対する年間収入(家賃収入等)の割合のことをいいます。広告等に表示されている利回は、この「表面利回り」であることが多いです。

表面利回りは、投資の収益性を“大まかにとらえる”には適しています。しかし、不動産賃貸事業を運営することに伴う諸経費(後述)を考慮していない点には留意が必要です。

(2)NOI利回り(実質利回り)とは?

「NOI利回り」は、(1)の表面利回りよりも“実質的な”利回りとして位置づけられます。NOI利回りは、計算式の分子に該当する部分に、表面利回りの年間収入(家賃収入等)ではなく、「純営業収益(NOI=Net Operating Income)」を用います。

純営業収益(NOI)とは、年間収入から不動産賃貸事業を運営することに伴う諸経費(運営費)を差し引いた利益のことです。諸経費(運営費)は、不動産の管理を外部に委託する場合の費用(管理委託費)、維持修繕費、固定資産税・都市計画税、火災保険料等が該当します。

なお、第4回「不動産投資なら自分の力で収益を好転させられる」( http://sumai-u.com/?p=2666 )では不動産投資のメリットのひとつとして「税務上の取り扱いが特徴的」を紹介しましたが、ここで触れた必要経費として算入できる「ローンの利息」については、前提となる事業の資金計画によってその金額が異なるため諸経費には含めません。

諸経費は、建物の築年数やエレベーターの有無などの前提によって変わりますが、ワンルームマンションのような区分所有の物件で、家賃収入の20~25%程度となります。

一方、計算式の分母に該当する部分には、初期投資額(総投資額)を用います。物件の取得価額のほかに、物件取得に係る費用(不動産取得税、登録免許税、司法書士に対する報酬、不動産会社に対する仲介手数料等)を加算します。

NOI利回りは、表面利回り(年間賃料収入÷物件価格)とは異なり、物件そのものの実力を評価できるという意味においては有効な指標のひとつといえます。しかし、将来の賃料収入や運営費の変動、売却時の収支の状況などの要素は反映されていません。投資の初年度(単年度)における評価であるということです。

投資の可否の判断においては、購入(入口)から売却(出口)までの全期間の収益の状況についても検証しておきたいところです。次回はその検証のしかたについてご説明します。

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