連載・トピックス / 不動産投資

だから大家はやめられない!

定期借家契約はなぜ普及しないのか(3)

「貸しにくい」物件を楽しみながら満室にした私の営業方法

2016/03/05 林 浩一

定期借家契約を導入したいと考えた林さんの希望を受け入れてくれたのは、10駅離れたところにある不動産会社でした。そのため客付けは、「定期借家契約だと貸しにくい」と主張する不動産会社を説得しなければなりませんでした。そこで林さんが行なった営業活動とは…。

元付不動産会社だけでなく、客付不動産会社の存在もそれ以上に重要

 こだわりの新築物件を建てた私ですが、定期借家契約を導入しようとしたところ、5社の管理会社に門前払いをくってしまいました。

 それでもあきらめきれなかった私は、インターネットなどで情報を集め、扱ってくれる会社を探しました。すると、捨てる神あれば拾う神あり、です。「定期借家契約」が始まった平成12(2000)年からこれを積極的に扱っている管理会社、株式会社ストーンズさんに出会うことができたのです。

 普通、賃貸物件の家賃は、管理会社が決めることが多いのですが、私は建設費の借入額から逆算して、返済比率や利回りを考えたとき「家賃は、最低この金額でいきたい」という希望を持っていました。

 最初にまわった5社には、「定期借家契約でその家賃は高すぎます」といわれ、1万円以上も低い家賃を提案されていましたが、ストーンズさんは私の希望額を受け入れてくれたのです(不動産会社の家賃査定については、いずれ別の機会でじっくり語ってみることにしましょう)。

 ただ、ひとつだけ問題がありました。ストーンズさんは、私の物件の最寄り駅から10駅離れたところにある会社だったのです。したがって、お客さん、すなわち入居者を見つけてくれる客付業者をほかに求める必要がありました。「定期借家契約ではお客さんが嫌がるから貸しにくい」と主張する彼らを説得する必要が生じたわけです。

無給の営業スタッフとして営業活動を開始

 まずは、自分でつくったカラー写真つきのマイソク(物件資料)とストーンズさんのつくったマイソクを捨てられないように一枚一枚ラミネートして渡す、地道な営業活動をはじめました。興味を持ってくれた方にはスマホで撮ったプロモーション動画をその場で見ていただき、許可してくれた会社の軒先には、アマゾンで購入した立て看板を置かせてもらい、そこにマイソクを張りつけて宣伝させてもらいました。

 行きつけのカフェや花屋、寿司屋、陶芸教室、美容室、ガソリンスタンド、居酒屋などにも同じお願いをして、自作のパンフレットをラックに入れて置いてもらいました。

 私が訪問した不動産会社は数カ月で約150社におよび、毎週末に空室情報やアップデート情報を送付するメールリストには200社ほどになりました。

 こうした営業活動ならいくらでもできます。いわば、営業ボランティアのようなものです。

 私は専業の大家になる前には旅行業やホテル業で働いていて、人と接することは苦にならなかったし、少しでも多くの人に自分の物件のよさを知ってもらいたいという気持ちが強かったですから、楽しんで営業活動を行ないました。

YouTubeやFacebookを活用して物件のよさをアピール

 もちろん、インターネットを活用しない手はありません。エントランスから入って部屋のドアを開け、なかに入っていく様子をお客さま目線で撮影した動画をYouTubeにアップしました。こうした動画は、ほかの多くの不動産屋さんも取り組んでいますが、それだけにたくさんの再生回数をかせげる動画は少ないようです。

 そこで私は部屋の雰囲気に合わせてバラードやロック調の音楽を著作権フリーのサイトからお借りしてかけたりして工夫したほか、物件の説明文もていねいに書きました。

 実は説明文は検索されやすくするために大事な要素で、最寄りの有名な観光施設やアクセス情報、物件を紹介しているポータルサイトへの誘導など関連性のこと言葉を散りばめることで見られる確率が格段にあがるのです。

 Facebookでは、客付業者の営業担当者や支店長と友達になり「アパートの花壇でブルーベリーが咲きました」とか、「シンボルツリーのオリーブを収穫して塩漬けにして入居者さんと一緒に食べました」といった日常の何気ない出来事を報告して、物件の魅力を客付業者に伝えていきました。

 そうした取り組みが少しずつ成果を上げて、Facebookに入居者さんが退去する予定だということを書き込むと、その記事を見て私が営業に行く前からお客さん探しを始めてくれる客付業者も出てくるようになりました。

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