連載・トピックス / 不動産投資

万が一の地震でも

そんなときにあたふたしない地震保険の心得

2018/07/17 平野敦之

地震保険は火災保険とともに住まいを守る保険ですが、火災保険に付帯してしか契約することができません。そのため同じ証券番号での1契約になりますが、地震保険は火災保険と比べるとその仕組みや保険金の支払い方は全く違います。 万が一のときに知らずに損をしないための地震保険のポイントについて確認していきましょう。

知らないと損する地震保険の基礎知識

地震保険が火災保険と比較してどのように違うのか一覧表をみて確認してみましょう。

このように地震保険の基本的な仕組みは火災保険とかなり違います。火災保険は火災や水害などで被害を受けたときに保険金を使って、修理あるいは再築・再購入して損害を受ける前の状態にすることを目的にしています。

これに対して地震保険は被災した後の生活再建を目的にしています。地震保険の契約が住宅を対象に最高でも火災保険の50%の保険金額に制限されています。この理由は地震災害が同時にまた広域に渡って多くの人が被災することに関係しています。

多くの人がお金を出し合って被害を受けた人を支え合うという保険の仕組そのものが地震災害では成り立たせにくいのです。損害保険会社も自社のみでリスクを地震災害のリスクを引き受けるのは難しい面もあるため、地震保険は政府がその仕組みに関与しています。

このような特性から家計の地震保険はどこの損害保険会社で加入してもその仕組みや補償内容、保険料はすべて同じです。これに対して火災保険は、各社独自の商品を販売しています。

地震保険の保険料の決まり方

地震保険は都道府県別に分けられた地域区分と2つの構造区分(イ構造・ロ構造)によって決まります。イ構造は主に非木造(マンション、鉄骨造など)、ロ構造はイ構造以外で主に木造です。

なお地震保険には4つの割引制度があり、一番有利なものを適用することができます。

 免震建築物割引(50%)
 耐震等級割引(30~50%)
 耐震診断割引(10%)
 建築年割引(10%)

これらの割引は重複適用することはできませんので、該当するものをいずれか一つになります。割引を利用する際にはこれらの要件に該当することを証明する書類(またはそのコピー)などの提出が必要です。

地震保険には総支払限度額が設定されている

地震保険に政府が資金を出しているものの無制限ではありません。意外と知られていませんが、地震保険には総支払限度額が決められています。2018年6月末日現在、11兆3,000億円です。

この話をすると足りるのかどうか不安に感じる人も多いようです。但しこの地震保険の総支払限度額は固定されている金額ではありません。地震保険の加入者数なども考慮しながら改定されています。ちなみに1994年6月(阪神淡路大震災の起こる直前)は1兆8,000億円でした。その後も幾度かの改正を経て今に至ります。

地震保険にはどのくらいの人が加入しているのか?

地震保険の加入者は年々増えているものの、地震保険料は年々上昇傾向にあります。保険金額は火災保険の50%が上限になっていても保険料は地域や構造によって火災保険と同じくらいになることも珍しくありません。

家計の負担を考慮すると躊躇する人もいるようです。現在地震保険に加入している人も割合は次のとおりです(2016年度末・出典:損害保険料率算出機構)。

・地震保険の加入率:全国平均30.5%
・地震保険の付帯率:全国平均62.1%

加入率は世帯で見ていますが、付帯率は火災保険に加入している人が地震保険も付けている人の割合です。宮城県や高知県などでは付帯率は80%台半ばです。

地震保険の支払い基準

地震保険で損をしないために知っておきたいことが保険金の支払い方です。2017年1月以降の契約から4区分に改定されています(改定前は3区分)。

ここで覚えておいてほしいことが2つあります。

・建物・家財ともに一部損の基準に満たなければ保険金はゼロ
・4区分の基準をベースに支払うため、実際の損害よりも保険金が多いことも少ないこともある

最初に火災保険との比較でも説明しましたが、生活再建を目的にしていることがポイントです。これらの地震保険の特徴を理解してから、地震保険の加入の検討をしてください。住宅ローンの残債が多い人や預貯金の少ない人などは地震保険の必要性が高いと言えるでしょう。

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