連載・トピックス / 不動産投資

だから大家はやめられない!

覚えておきたい「大家の心得」(14)

もしも、アパートに設置した自販機で火事が起きたら!?

2016/07/02 林 浩一

大家のところには、携帯電話の基地局アンテナや、飲み物の自動販売機を設置しないかといった営業がたくさんやってきます。場所を貸すだけでお金が入ってくるわけですから、一見、大家にとっては魅力的な話に思えます。ですが、同時にリスクがあることも見逃してはいけません。入居者さんにどんな影響があるか、入居者さんのためになるのか、慎重に考えたいところです。

基地局アンテナの設置は大家にとっておいしい!?

 大家さんのもとには、「物件を売りに出しませんか?」という不動産会社の誘いはもちろん、さまざまな会社の営業マンがよく訪ねてくることでしょう。

 以前からからよくあるのが、「携帯電話の基地局アンテナを設置させてくれませんか?」という通信会社の営業マンの勧誘です。屋根や屋上にアンテナを設置すると、場合によっては、家賃1カ月分くらいの賃料を払ってくれるというもので、大家さんにとっては「おいしい話」でしょう。なにしろ、アンテナを設置する工賃や諸経費は向こう持ちで、手間も空室リスクもなく賃料が稼げるというのですから。

 ただ、ここで注意しなければならないのは、電磁波による健康被害です。医学的に完全に立証されているわけではありませんが、入居者さんのなかには気にする人もいるでしょう。妊娠中の奥さんや、小さなお子さんのいる家庭なら、なおのことです。

 アンテナを設置することで、そうした入居者さんが退去してしまっては、元も子もありません。

 ヨーロッパでは、電磁波を発するアンテナは住居から離れた場所に設置することを義務づけている地域があるといいます。また、日本でも入居者さんに断りもせずにアンテナを設置した大家が裁判で訴えられ、損害賠償の責任を負わされた判例もいくつか出始めています。

 通信会社の営業マンの話に乗る前に、大家さんはこうしたリスクについてキチンと考えるべきで、もし設置を考えるのであれば、入居者さんの合意を得た上で決断すべきでしょう。

自動販売機を置くことにもリスクはある

 基地局アンテナだけでなく、飲み物の自動販売機の導入にしても、同じことがいえます。コンビニが遠いところにある物件などは、入居者さんに喜ばれることもあるので自販機の導入には意味がないわけではありませんが、やはり無視できないリスクがあるのです。

 契約方法は、場所と電気代を負担するだけで機器の設置からドリンクの補充などをすべてメーカーがやってくれるものから、オーナーがメーカーからドリンクを仕入れて販売するものまで、さまざまな形式があり、契約によって売上に対するマージンは上下するようです。

 そして、この場合もリスクについて考えておくべきでしょう。電気代を負担する場合、売上がそれに見合うのかということはもちろんですが、ゴミ箱の管理についても気をつけなければいけません。

 通常、ゴミ箱の設置とゴミの回収はメーカーがやってくれることが多いですが、毎日来るわけではないので、ゴミ箱がいっぱいになってあふれてしまうこともあります。そのままにしておくと、見た目の印象が悪く、入居者さんに不快な思いをさせることになるので、そうならないように大家が常に目をかけていなくてはなりません。

 もし、遠隔地にある投資物件で、大家が常に目をかけられない場合は、自販機の導入は控えたほうがいいかもしれません。

それは入居者さんの支持を得られるのか?

 かくいう私も、過去に自販機を導入したことがあるのです。ところが、ある事件をきっかけに止めることにしました。その事件とは、ある日の早朝、悪質ないたずらに遭って、自販機に火をつけられてしまったのです。

 たまたま牛乳配達の知人が早期に見つけて、消防署に通報するとともに私の携帯電話にも知らせてくれたので事なきを得ましたが、急いで駆けつけたところ、自販機の四方から、まるでガスバーナーの炎のような青い炎が勢いよく外に飛び出していて、ヒヤリとさせられました。

 携帯電話の基地局アンテナ、自販機、いずれの場合も、大家さんは自分のメリットだけを優先するのではなく、その設置が入居者さんのためになるのか、入居者さんの支持を得られるのか、ということをよく考えた上で導入すべきではないでしょうか。

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