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大きな病気で住宅ローンが払えなくなったら?

ガンと診断されると住宅ローン残高が0円になる!? ガン保障特約付団信について知っておこう

2017/07/18 小島淳一

「ふたりにひとり」がガンになると言われている現代、なかには若くしてガンになる人もいます。民間の住宅ローンを借りる際には、団体信用生命保険(団信)に加入しますが、通常の団信ではガンは保障されません。つまり、ガンにかかって働けなくなっても、住宅ローンの支払いを続けなければなりません。ですが、ガンと診断されると住宅ローン残高が0円になる団信があるのをご存知でしょうか? ここでは、ガン保障特約付団信について知っておきたいことをまとめました。

団体信用生命保険(団信)とは?

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3大疾とか、7大疾病とか、「○大疾病保障特約付団信」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これは、ガン脳卒中急性心筋梗塞など、特定の疾病や生活習慣病にかかった場合には、それ以後の住宅ローンの支払いがなくなる団体信用生命保険(以下、団信)のことです。

 

団信とは、民間金融機関の住宅ローンを借りる際に入る生命保険です。

団信に加入していると、住宅ローンの契約者(債務者)が、返済中に万一死亡した場合や高度障害になった場合、ローンの残債が保険金で完済されるので、残された家族にローンの支払いが残りません。

 

現在は、住宅ローンを借りるには団信への加入は必須、つまり団信に入らないと民間金融機関では住宅ローンは借りられないと言っていいでしょう。

※ただし、【フラット35】では団信への加入は任意になっており、団信に加入しなくても融資を受けることはできます。

 

ガンにかかると住宅ローンの支払いがなくなる!?

冒頭で、「○大疾病保障特約付団信」について触れましたが、これは通常の団信の保障範囲を広げたものと言えます。

 

前述した通り、通常の団信では、住宅ローンの契約者(債務者)が、死亡した場合や高度障害になった場合に保険金が支払われます。この保障を広げたものが、「3大疾病保障特約付団信」や「7大疾病保障特約付団信」です。

具体的には、基本の保障に加えて、3大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)のいずれかにかかった場合や、3大疾病に生活習慣病(高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変)を加えた7大疾病を保障するもの、7大疾病に慢性膵炎を加えた8大疾病を保障するものもあります。

 

こうした団信に加入していれば、ガンや心筋梗塞などにかかった場合に、保険金が支払われ、住宅ローン残高が0円になるのです。

 

金利の負担を考えて保障内容を選ぼう

ただし、こうした団信に加入すると、保障が厚くなる分、金利が上乗せされてしまうのが一般的です。保険料の分が上乗せされると考えればいいでしょう。

保障が厚くなるとはいえ、金利の負担が大きくなるため、どれくらい負担が増えるのかをシミュレーションした上で、加入するかどうかを検討することをおすすめします。

 

たとえば、金利が0.3%上乗せされる場合、総返済額はどの程度変わるのでしょうか。3000万円を金利1%、返済期間35年で借り入れた場合について見てみましょう(図1)。

 

(図1)金利が0.3%上乗せされた場合の返済額の違いは?

 

1%の場合の総返済額=約3,557万円

金利0.3%上乗せ(適用金利1.3%)の場合の総返済額=約3,736万円

 

総返済額の差は約179万円となります。これだけのお金をかけて、7大疾病などの保障をつけるかどうか、慎重に検討したいところです。

時間が取れるのであれば、民間の生命保険会社などが出している3大疾病保障保険と比較してみるのおすすめです。

 

団信に加入するには健康状態について告知する必要がある

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ところで、団信に加入するには、健康状態や過去の病歴、体の障がいなどを保険会社に告知しなければなりません。

告知の方法は、「告知書」という健康状態を告知するための書類提出することになります。

 

告知書の内容は、保険会社ごとに異なりますが、おおむね次の3つと考えておいてください。

 

(1)最近3カ月以内に医師の治療(診察、検査、指示、指導を含む)投薬を受けたことがありますか

(2)過去3年以内に下記の病名(病名の一覧あり、ここでは省略します)で、手術を受けたこと、または2週間以上にわたり医師の治療(診察、検査、指示、指導を含む)投薬を受けたことがありますか

(3)手・足の欠損または機能に障がいがありますか。または、脊髄(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障がいがありますか

 

ガンや重い病気にかかったことがあると団信に入れない?

当然、告知の際には、事実を伝えないと告知事務違反となり、万が一のことがあった場合でも、保険料が支払われなくなってしまいます。

ただし、告知書で問われていないことまでをわざわざ告知することはありません。

 

また、告知の「期間」についても知っておきましょう。

告知の必要があるのは、(1)については最近3カ月以内(2)については過去3年以内の事実に限られています。

 

ガンは、基本的に(2)で告知しなければならない病気に含まれていますが、過去にがんになっていても完治してから3年以上が経過していれば告知する必要はありません

そのため、過去にガンや重い病気にかかったことがある人でも、その病気が完治した時期によっては団信に加入できる可能性があります。

 

また。該当する事項を告知したからといって、必ずしも団信に加入できなくなるわけではありません

あくまでも、病名や治療期間、薬を飲んでるのならその種類などを総合的に判断して、団信加入の可否が決められます。

 

ですから、告知しなければいけない病歴や病気があったとしても、その内容によっては問題なく団信に加入できる場合もあるのです。

 

【フラット35】の場合は、機構団信に加入できる

【フラット35】の場合、団信への加入は任意ですが、機構団体信用生命保険(機構団信)に加入することができます。

団信に加入しなくても住宅ローン融資を受けることができるので、すでに加入している生命保険だけで、住宅費のカバーができる場合には、加入せずに融資を受けても問題ないと言えるでしょう。

 

機構団信への加入を希望する場合には、民間の住宅ローンの団信と同様に健康告知が必要です。そのため、健康状態によっては機構団信に加入できない場合もあります。

機構団信についても、病名や治療期間、薬の種類などを総合的に判断して、加入の可否が判断されますので、告知事項があったからといって絶対に加入できないというわけではありません。必ず事実を告知するようにしてください。

 

機構団信に加入した場合、機構団信特約料を年1回、支払うことになりますが、平成29年10月1日申込受付分から制度改正が行なわれる予定です。

具体的には、機構団信の保障内容が見直されるとともに、団信特約料を別払いする必要がなくなるとされています。

 

※詳細については、【フラット35】のホームページなどで確認してください。

 

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