連載・トピックス / 不動産投資

サブリースの実態に迫る!

サブリースオーナーの7割以上が、おおむね築10年以上で家賃減額を経験!

2019/09/05 住まいの大学

文/住まいの大学編集部

画像/123RF

・サブリースオーナーが受け取る家賃の平均は、管理会社が受け取る家賃の 80.43%

・契約更新時に、家賃が減額された割合は47.5%。概ね築10年以上が経過すると、7割以上のサブリースオーナーが家賃の減額を経験する


そんな数字が、公益財団法人日本住宅総合センターが実施した、「民間賃貸住宅の供給実態調査 ―供給主体やサブリース事業者の関与などを中心に― <2019/06公開>」と、題されたレポートにまとめられています。


抜粋をさらに続けましょう。


「一括借上げによる管理(サブリース等)」での賃貸住宅の供給実態として、本レポートでは以下のような調査結果が挙げられています。


・建物は1~2階建てが70.5%、鉄骨造が多い(60.7%)

・最寄りの鉄道駅まで1,000m以上離れている割合が多い(27.9%)。

・市街化調整区域に立地する割合が多い(14.8%)

・一括借上げの契約期間は平均して22.97年

・一括借上げ期間中は、98.4%が家賃保証契約を締結


以上のうち、賃貸オーナーさんであれば、特に目に付くのが「駅まで1,000m以上」「市街化調整区域」という2つのワードでしょう。


ちなみに、駅まで1,000mの物件となると、実態としては徒歩15分近くを想定しなくてはなりません。


80m=1分という公式な目安(不動産の広告表示規約)をあてはめれば1,000mは12.5分となりますが、実際にこのくらいの距離を歩くと、途中でいくつか信号を待たされたり、ときには歩道橋を渡らされたりといったハードルが増えてくるからです。


一方、市街化調整区域です。こちらはご存知のとおり、行政が市街化を抑制している区域です。


そこで、この2つの言葉が掛け合わされたとき、想像される風景といえば…


当然思い浮かぶのが、都市郊外であればどこにでもありがちな情景です。


たとえば、大型の幹線道路の周りに広がる平坦な地形の上に、田んぼ、畑、既存住宅地、雑木林、工場、流通施設といった雑多な景観が散らばっています。


大小の自動車やトラックが行き交うロードサイドには、郊外型のショッピングセンターや飲食店などが、多少間を空けつつ建ち並んでいます。


そして、そういったイメージを裏付けるかのように、本レポートには以下のような調査結果が挙がっています。


「物件が、オーナーが所有していた元農地(耕作放棄地含む)に新築されている割合」


自主管理 …0.0%
管理委託(一部を委託している場合含む) …15.4%
一括借上げによる管理(サブリース等) …21.1%


「各施工業者が新築した物件が、オーナーが所有していた元農地(耕作放棄地含む)に建っている割合」


サブリース事業者のグループ企業 …30.4%
 ハウスメーカー …11.8%
 地場工務店 …7.5%


いかがでしょうか。


なお、以上は、本レポートの多項目にわたる内容の一部に過ぎませんが、

・ここ十数年、都市郊外の農地や未利用地をもつ地主さんに対し
・賃貸住宅を建てないかとの誘いが次々とかけられ
・市場の将来性が乏しいエリアに物件がどんどん増える結果となっている

よくメディアに採り上げられるそんな状況が、実際の数字をもって語られている、ありそうで意外に見当たらない貴重な資料となっています。


ところで、長年街の中で賃貸経営をされているベテランオーナーさんなどから見れば、なんとも先行きの危なっかしい、そんな「郊外型賃貸経営」ですが、最近見えて来ているちょっと別の風景のこともお伝えしておきましょう。


それはたとえば、東京都心のターミナルから電車で20分~40分といったくらいの賑やかな街々で、時折見かける風景です。


分譲マンションが、駅の近くにどんどん建てられています。


都心への通勤者や、街の郊外に暮らしていたシニア世代の方などが、それらに次々と吸い込まれていっています。


しかしながら一方で、よく考えてみると、それらのマンションは、駅の近くという本来公共的な活用が強く求められる土地に建っています。しかも、今後も住宅として、おそらく半世紀ほどにわたる長い間、そこに存在し続けます。ある意味、居座り続けるのです。


すなわち、駅のそばの分譲マンションというのは、街に、機能上大きな穴を開ける可能性を備えています。そのマンションに住んでいる人以外は土地も空間もまったく利用することができない、欠落した「穴」の部分です。


この穴の内側では雇用は生まれません。街の外側から人を呼び、消費や生産を生み出すような仕組みも持ちません。これは、あきらかに街の発展においてのマイナス要因です。


しかも、それらのマンションを買って住む人は、当然ですが、賃貸住宅には入居してくれません。賃貸市場的には、まったくうれしいことではありません。


他方、そんな駅周辺から郊外へ向かって30~40分も歩いていくと、意外な風景が展開していることがあります。


ほんの10年前、あるいは数年前には畑だった道路沿いに店々が並び、夕方ともなればスーパーやホームセンターの駐車場が車でごったがえしているなどします。


さびしい郊外での無謀とも見えていた住宅開発が、それでも少しずつ数を重ね、住む人を増やしたことにより、ついに市場をこしらえてしまったわけです。


そこには、増えていく店で働く人がいますから、賃貸市場も多少ですが膨らみます。


「あんた、業者に騙されてとんでもない田舎にアパート建てちゃったね」
「満室なんて新築のいまのうちだけだよ。覚悟しなさい」


などといわれてガックリ肩を落としていた農家兼業のオーナーさんが、


「いやいや、その後7年、8年、なんとか予定どおりやってます」


そう言って胸をなでおろしている風景も、これらの場所ではしばしば見られるということです。


賃貸経営には、こうした外部の運も大いに作用します。典型的なのは、企業や工場、公共施設等の進出によって、空室だらけだった物件が一気に埋まるなどといった例でしょう。


運が巡ってきたときには、それを受け止められるだけの普段の努力をかさねておくことも、もちろん大事です。


(文/朝倉継道 画像/123RF)

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