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知っておきたい事故物件の基礎知識

バラバラ殺人事件で有名になったマンションの末路

2016/05/18 尾嶋健信

不動産投資を行なう上で、事故物件を購入してしまうリスク、自分の物件が事故物件になってしまうリスクは無視できません。宅建法の規定では重要事項の告知義務があり、事故物件であることも買い主(借り主)に告知しなければなりません。とはいえ、その告知の基準は明確になっていないのが現状です。そもそも事故物件とはどんなものなのかというところから告知義務についてまで、知っておきたい基礎知識をご説明します。

不動産の瑕疵は4つある

 すでに何度かご紹介しているとおり、不動産の売買契約においては、売り主側に瑕疵担保責任があります。すなわち、売り物である不動産に何らかの瑕疵(キズ)が見つかった場合、売り主は買い主に対して損害を賠償したり、買い主の契約解除に同意したりしなければなりません。

 不動産の瑕疵には、次の4つがあるといわれています。

(1)物理的瑕疵……シロアリ被害、雨漏りや漏水、配管の老朽化、床の傾斜、土壌汚染など、建物や土地に物理的な不具合があるもの。

(2)法律的瑕疵……物件が文化財指定地域にあったり、建築基準法上の道路に面していないなど、建物を建てる際に法律的な制限が課せられるもの。

(3)環境的瑕疵……近くに悪臭や騒音を発生させる施設があったり、暴力団など反社会的組織の拠点があるなど、環境面にトラブル要因があるもの。

(4)心理的瑕疵……建物内や敷地内で自殺、事故、殺人事件など人の異状死があり、心理的にそこに暮らしにくい要因のあるもの。

 これらの瑕疵のうち、心理的瑕疵のある不動産物件については、特に「事故物件」と呼ばれています。

あるバラバラ殺人事件で有名になったマンションでは…

 物理的瑕疵や環境的瑕疵は素人が見ても比較的わかりやすいですし、法律的瑕疵についても、不動産の専門家が調べればすぐにわかります。ところが事故物件は、物件そのものを見ても特に何の問題もないため、見分けるのがむずかしいといえます。そのため、ときには事故物件と知らずに不動産投資家が購入してしまい、後に訴訟騒ぎに発展するケースも少なくありません。

 なぜ訴訟にまで発展するのか。それはいうまでもなく、誰しも事故物件に住むのを嫌がるため、その後の賃貸経営が成り立たなくなるからです。

 たとえば、あるバラバラ殺人事件で有名になってしまったマンションでは、事件後に入居者全員が退去してしまい、新たな入居者が見つかる見込みもなかったため、オーナーは賃貸経営を断念。別の不動産業者に捨て値で売り渡したとか。

 結局、そのマンションは全棟取り壊され、いまではまったく新しいマンションが建っていますが、残念ながら、いまだに空室が目立つようです。

事故物件には告知義務があるはずだが…

 不動産業者が事故物件を販売・賃貸する場合、本来であれば、事故物件であることを買い主(借り主)に告知しなければなりません。なぜなら、宅地建物取引業法(宅建法)の規定により、宅地建物取引業者は売り主(借り主)に対して、重要事項の告知義務があるからです。

「その物件で過去に人が異状死した」という事実は、過去の判例においても心理的瑕疵と認定されていますから、宅建業者としては当然、重要事項として売り主(借り主)に告知しなければなりません。

 とはいえ、人が亡くなった事故や事件について、「過去」にどのくらいまでさかのぼって告知すればいいのか、明確なガイドラインは決まっていません。また、どこからどこまでを「異状死」と見なすかについても、明確な線引きがあるわけではありません。

 つまり、事故物件に対する告知義務は、グレーゾーンがきわめて大きいのが現状です。そのあたりのお話については、次回改めてお伝えしたいと思います。

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