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知っておこう!マイホーム売却に関する税金

マイホームを売った時の税金のあれこれ②

2018/09/15 野田洋介

前回マイホームを売却された際の所有期間による税率や3,000万円の特別控除について書かせていただきました。その他にもマイホームを売却された際には優遇措置がございますので紹介します。その中で今回は、マイホームを売却した際に損が出た場合やマイホームを買い替えた際の特例について紹介します。(文/野田洋介)

マイホームを売って損が出てしまったら

マイホームを売却して損が出るとは以下のことを指します。
売却損 売却収入-取得費*1-譲渡費用*2=マイナス(売却損)
*1土地や建物の購入時の購入代金や仲介手数料、登記費用、不動産取得税など
取得費がわからないときは売却代金の5%を取得費とできます。
(注)建物は所有年数に応じて価値が減った分(減価償却)を差し引く必要あり
*2売却にかかる仲介手数料や測量費用など

所有期間がその年の1月1日現在で5年を超えるマイホームを売って損をしたときは、その売却損が一定の要件に該当すれば給与所得や事業所得など他の所得から差し引くことができます。

なお、その年の他の所得から差し引ききれない場合には、翌年以降3年間にわたって繰り越して差し引くこともできます(繰越控除)。

[要件]
・譲渡損失は次の①.②のいずれか少ない金額
① 売却損
② 住宅ローンの残債-売却収入
・繰越控除を受ける年の所得が3,000万円以下
・売却する前年と前々年に居住用財産の3,000万円の特別控除や税率軽減の特例、買換えの特例を受けていないこと
・売却時点で、返済期間10年以上の住宅ローンが残っている
・居住用財産でない土地や建物でないこと
・売却年の1月1日において所有期間が5年を超えていること
・売却損のうち500㎡を超える部分に対応する額は対象外
・同時にマイホームの買換える場合次のマイホームに返済期間10年以上の住宅ローンを利用すること
・売却損が出た年から繰越控除をする年まで連続して確定申告をすること

マイホームの買換えの特例

マイホームを売って売却益が出た場合税金がかかることがあります。しかし、マイホームを買い替えたときは、買換えの特例を使うことにより売却益を新しく買ったマイホームを売る時まで一定の税額を先送りにすることができます。
① 売却するマイホームの売却額≦新しく購入するマイホームの購入額
→売却益の全額の課税を先送り
② 売却するマイホームの売却額※1>新しく購入するマイホームの購入額※2
※1-※2=買替差益※3
下記の通り一部課税され残りの課税が先送りされます。
※3-(取得費用・譲渡費用×※3/※1)=売却益A→課税
※1-取得費用・譲渡費用-売却益A=売却益B→課税の先送り

[要件]
・売却するマイホームの要件
 売却した年の1月1日現在で所有期間が10年を超え、かつ、居住期間が通算10年以上
 売却先が配偶者や親など特別の関係にある人ではない
 売却額が1億円以下
・購入するマイホームの要件
 売却年の前年から翌年までの3年間に購入し、一定期間内入居している
 居住用部分の床面積が50㎡以上
 敷地面積が500㎡以下

・その他の要件
売却した年、前年、前々年に居住用財産の3,000万円の特別控除や税率軽減の特例、居住用財産の売却損の繰越控除の特例を適用していないこと

おわりに

今回はマイホームを売って損が出た場合や買い替えた場合の特例について紹介しました。前回の売却益が出た時の税率軽減や3,000万円の特別控除などマイホームの売却には優遇措置が多いため税金が出るのかそうでないのかなどこれらを自分のケースに置き換え留意すれば何か優遇が受けられるのではないでしょうか。

ただし、片方を使うことにより他のものが使えないようになるなど気をつけなければならないこともあるので慎重に見極めることが必要になります。

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