連載・トピックス / 不動産投資

タブーなし!!誰も教えてくれなかった不動産の裏トピックス

投資用不動産価格の下落が始まった!?

不動産投資で総資産10億円超! メガ大家さんが破綻する日

2017/01/17 「住まいの大学」編集部

2020年の東京オリンピック開催が決定した2013年ごろから、首都圏を中心に過熱し始めた不動産投資ブーム。個人で不動産投資を始める人も急増しており、総資産10億円以上というメガ大家さんをはじめ、数億円規模の資産を持つサラリーマン投資家などが誕生しています。不動産投資はこのまま加熱を続けるのでしょうか。不動産価格が高い水準にある現在の状況は、不動産投資を始めるのにふさわしいタイミングといえるのでしょうか。不動産投資の現状と、これからについて考えてみましょう。

そもそも「メガ大家さん」ってどんな人なの?

メガ大家」とは、保有する物件の総額が10億円を超える不動産投資家のことです。ある不動産投資ブロガーのセミナーでこの名称が使われ始め、その後、不動産業界全体で広く使われるようになったと言われています。

現在では、主婦で総資産10億円超という女性投資家や、脱サラして総資産20億円超を達成した男性投資家など、多くのメガ大家さんが誕生しているほか、「ギガ大家」という言葉も使われるようになっています。
また、メガ大家さんとまではいかなくとも、企業に勤めながら不動産投資を行ない、保有資産が数億円規模というサラリーマン大家さんも多く誕生しています

多くの不動産投資家が投資手法をまとめたノウハウ本を出版したり、ブログやいろいろなメディアで情報を発信したりしているので、そうした不動産投資家の存在をご存知の方も多いのではないでしょうか。

不動産投資ブームが起こった背景は?

メガ大家さんが数多く誕生するようになった背景には、ここ数年の不動産投資ブームがあります。

2013年9月のIOC総会で、2020年東京オリンピックの開催が決定したのは記憶に新しいところです。これを受けて、東京を中心とした首都圏では不動産価格が急騰し、ちょっとした不動産バブルが起こりました。その結果、これまで不動産にも投資にも興味のなかった人まで巻き込み、現在の不動産投資ブームが到来したのです。

また、日銀が進めてきた大規模な金融緩和と低金利政策も、不動産投資ブームを後押ししました。
貸し出し先を求める金融機関が不動産向けの融資を拡大し、自己資金ゼロでも、物件価格をすべて融資で賄うフルローンや、物件価格以上の借り入れを行なうオーバーローンのケースも多く見られるようになりました。

その結果、医者や弁護士、一流企業に勤めるサラリーマンといった属性のよい人たちに向けて、多くの投資用物件が販売され、不動産投資はまさに活況を呈しました。
それだけでなく、年収300万円、400万円のサラリーマンであっても、億単位の不動産資産を保有する人たちも出てきています。

なぜメガ大家さんは短期間で資産を増やせたのか?

こうした追い風を受けて、短期間で一気に資産を増やしたのがメガ大家さんと呼ばれる人たちです。
首都圏で複数の物件を所有する、ある不動産投資家が、次のように解説してくれました。

「サラリーマンや主婦であっても、数億円規模にまで資産を増やした人たちに共通するのは、投資するタイミングがよかったことではないでしょうか。彼らが不動産投資を始めたのは、2009年前後が多いようです。つまり、時期的には東京オリンピック開催の決定前で、いま振り返ってみると、まさにこれから不動産価格が上がっていく直前でした。加えて、そうした人たちのほとんどは属性がよい人たちなので、始めから銀行融資を受けやすく、大型の優良物件も手に入れやすかったと言えるでしょう」

保有資産を信用力にして融資を受ければ、次々と新たな物件を購入していくことができます。同時に、保有する物件のなかで、収益性が低いものはどんどん売りに出し、また新しい物件を購入していきます。この繰り返しによって、わずか4〜5年で総資産を一気に10〜20倍に増やしていったのです。

(参考記事)
「不動産投資が成功するか失敗するかは、始めるタイミングがすべてです」
http://sumai-u.com/?p=3348


投資用不動産の価格はピークを過ぎた?

とはいえ、「メガ大家さんのビジネスモデルには、常にある種の危うさがつきまとう」と、前出の不動産投資家は言います。

「総資産は大きく増えていますが、一方で借入額も膨らんでいます。たとえば総資産が15億円あったとしても、借入金が7〜8億円というバランスであってもおかしくないでしょう。
投資用の不動産価格が高い水準にある現在はいいのですが、もし価格が下落に転じたときのことを考えると非常にリスクが高いと言わざるを得ません。あっという間に資産が目減りして、保有資産をすべて売却しても借金を返しきれないという状況に陥る可能性も考えられます」

実は、この言葉はある程度のリアリティを持っていると言えるでしょう。事実、これまで上昇を続けてきた投資用の不動産価格のトレンドが変わりつつあるようなのです。

不動産投資サイト「楽待」( http://www.rakumachi.jp )を運営する株式会社ファーストロジックが2016年12月5日に発表した「投資用 市場動向データ 最新版2016年11月期分」によれば、投資用不動産の全物件種別で価格が下落しており、同社は、「投資用不動産価格の上昇トレンドはピークをすぎ、下落トレンドに転じたことが伺えます」としています。また、この1月10日に発表された「投資用 市場動向データ 最新版2016年12月期分」を見ても、不動産価格が上昇トレンドにあるとは言えない状況が続いています。

すでに不動産投資を始めている人、これから始めたいと考えている人のなかには、メガ大家さんたちの手法にならって、大きく資産を増やそうと考えている人がいらっしゃるかもしれません。しかし、現時点でそれは決しておすすめできません。
下落トレンドに転じた可能性があるとはいえ、いまだ投資用不動産の価格は高い水準にあります。多くの不動産投資家が、「価格が高すぎて、収益性を考えるととても購入できない」と口を揃えて言う状況です。
ここからさらに不動産価格が大きく上昇することは考えにくく、メガ大家さんの投資手法を再現するのは非常にむずかしい状況だと言えるからです。

ボロ物件投資も、もはやおすすめはできない!?

昨今の不動産投資ブームで、もうひとつ注目を集めていたのが「ボロ物件投資」です。ボロ物件投資とは、築20〜30年の中古物件を200〜300万円程度の安価で購入し、DIYなどでお金をかけずにリフォームして、そこそこの家賃で貸し出すというものです。
2013〜14年頃にはたくさんのノウハウ本が出版され、多くの人たちがボロ物件投資を始めたと言われています。

ボロ物件投資は、少ない投資額で始められるので、高い利回りが期待できますし、メガ大家を目指すよりもはるかに現実的といえます。
とはいえ、現在はこのボロ物件投資を行なうのも非常にむずかしい状況になっているというのが実情なのです。

そこにはふたつの理由があります。ひとつめの理由は、ボロ物件投資が大きな話題になった時期に、めぼしい物件がほぼ買われてしまったことです。そのため、いまは投資したくても、投資すべきボロ物件がなかなか見つからないのです。
そして、もうひとつの理由は、需要が高まったことでボロ物件の価格が上昇してしまったことです。ボロ物件投資が高い利回りを狙えたのは、あくまでも物件を安価で入手することができたためです。物件価格が上がったからといって、賃料を簡単には上げられませんから、もはやかつてのように高い利回りを狙うことはできません

つまり、現在では、ボロ物件投資も決しておすすめできる投資手法ではなくなってしまったと言えるでしょう。

アパートローンはこれから借りにくくなる!?

さらにもうひとつ、見逃すことのできない動きがあります。実は、今後、不動産投資への融資審査が厳しくなるかもしれないのです。
相続対策や超低金利を背景に新しいアパートが次々と建設され、首都圏のアパートの空室率が大きく上昇していることが、その背景にあります。
現在、アパートローン(個人向けのアパート建設資金の融資)が急拡大する一方で、首都圏の空室率が上昇しており、賃貸市場は完全な供給過剰に陥っている可能性が否めない状況なのです。この背景については、別の記事(「相続税が上がると、なぜ空室率が上がるのか?」 http://sumai-u.com/?p=5440 )に詳しくありますので、ぜひご覧ください。

(参考記事)
「相続税が上がると、なぜ空室率が上がるのか?」
http://sumai-u.com/?p=5440


また、多額の融資を受けて不動産投資を始めたものの、思うように収益が上がらず、最終的には自己破産してしまう個人投資家が後を絶たないとも言われています。こちらの事情については、別の記事(「頭金ゼロで不動産投資を始めた人の末路」 http://sumai-u.com/?p=7640 )をご覧ください。

(参考記事)
「頭金ゼロで不動産投資を始めた人の末路」
http://sumai-u.com/?p=7640


こうした状況を受け、日銀・金融庁が、アパートローンの実態把握に乗り出したという報道が昨年末にあったのをご存知でしょうか。
そこには、安易な融資が行なわれることでアパートローンが不良債権化しないよう、不動産投資向けの融資に、ある程度のブレーキをかける狙いがあると考えられます。

実際に編集部がある金融機関の融資担当者に確認したところ、「2017年以降、融資審査が厳しくなる可能性が高い」という回答を得ています。
仮に、融資審査がより厳格に行なわれるようになれば、上述したような自己破産する個人投資家も減っていくはずです。しかし、これから不動産投資を始めようと考える人にとっては、投資のハードルが上がることになるのは間違いないことと思われます。

いまは不動産投資を始めるべきではない

ここまで見てきたように、いま不動産投資を取り巻く環境が変わりつつあります。改めてまとめると、ポイントとなるのは大きく3つです。

(1)投資物件の価格が下落トレンドに転じた可能性があります。しかし、まだまだ価格としては高い水準にあり、収益性を考えるとおすすめできる物件はほとんどない状態です。
(2)加熱する不動産投資ブームを受けて、今後、不動産向けの融資が絞られる可能性も出てきています。
(3)さらに、東京オリンピックが開催される2020年以降、都心部でも不動産価格が大きく下落する可能性が非常に高いと考えられます。


こう考えると、不動産投資を取り巻く環境はこれから年を追って厳しくなっていくのではないでしょうか。
にもかかわらず、前出の投資家のもとには、多くの人が「投資物件を購入したい」「この物件を買っても大丈夫だろうか」と相談に訪れると言います。

しかしながら、現在は、不動産投資を始めるタイミングとしては決しておすすめできる状況ではないと考えられます。
むしろ、すでに不動産を多く保有している個人投資家にとっては、東京オリンピックまでの期間に、どれだけ収益性の低い投資物件を売り抜くか、また、いかに不動産以外の投資先に資産を振り分けるかに命運がかかっていると言っても過言ではないかもしれません。

これから不動産投資を始めたいとお考えの方は、物件を購入したい気持ちをぐっと抑えて、東京オリンピックが終了するまで静観することをおすすめします。


(参考記事)
「頭金ゼロで不動産投資を始めた人の末路」
http://sumai-u.com/?p=7640

「相続税が上がると、なぜ空室率が上がるのか?」
http://sumai-u.com/?p=5440

「不動産投資が成功するか失敗するかは、始めるタイミングがすべてです」
http://sumai-u.com/?p=3348

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