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中古マンション購入で住宅ローン控除を受けるには? その条件を徹底解説!

2017/09/07 牧野寿和

新築マンションを購入すると、住宅ローン控除が受けられることについては、家の購入を考えている人であればご存知のことでしょう。ですが、中古マンションを購入、リフォームしたときでも、一定の条件を満たしていれば、住宅ローン控除を受けることができるのです。このことを知らないままマンション探しをしてしまうのは大きなマイナスです。ここでは、意外と知られていない中古マンション購入の住宅ローン控除について、その要件や内容についてご説明します。

意外と知らない、中古マンション購入の住宅ローン控除

© Caito – Fotolia
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マンション購入を考えているお客さまとお話ししていると、住宅ローン控除は新築マンションを購入するときだけしか受けられないと思っている人がいらっしゃいます。ですが、中古マンションなど中古住宅を購入した場合でも、条件を満たせば住宅ローン控除を受けることができるのです。

 

住宅ローン控除を受けるために、一定の条件を満たす必要があるのは、新築であっても中古であっても同じです。基本となる主な条件については、新築マンションであっても、中古マンションであっても共通のものになっています。

ただ、中古マンションの場合は、その基本条件に対して、さらに一定の条件が加わると考えてください。

 

まずは、住宅ローン控除を受けるための主な条件を見てみましょう。

 


 

【住宅ローン控除を受ける条件(新築・中古共通)】

(1)自分が住むための住宅であること

(2)購入してから6カ月以内に住み始め、その年の12月31日まで住んでいること

(3)住宅の床面積(登記簿上の専有部分の床面積)が50m2以上であること

(4)控除を受ける年分の合計所得金額が3000万円以下であること

(5)住宅ローンの返済期間が10年以上であること

(6)住み始めた年とその前後2年ずつ合計5年間に、居住用財産を譲渡した(売ったりした)場合に長期譲渡所得の課税特例などの適用を受けていないこと


 

 

ここで注意していただきたいのが、(3)であげた床面積です。

床面積には、壁の中心までを含めた面積である「壁芯(へきしん)面積」と、壁の内側の実際に使用できる床部分のみの面積である「内法面積」のふたつがあります。

 

このうち、住宅ローン控除の条件となる床面積については、「内法面積」で判断します。ただし、不動産業者などのチラシやパンフレットには、「壁芯面積」が記載されている場合があるので、必ず確認しておきましょう。

 

住宅ローン控除を受けられる中古マンションの条件は?

では、次に中古マンションなど、中古住宅特有の条件を見てみましょう。中古マンションを購入して住宅ローン控除を受けるには、上記の条件に加えて、次の条件を満たすことが必要です。

 


【中古住宅に特有の条件】

(1)築25年以内の耐火建築物(鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造など)、もしくは築20年以内の耐火建築物以外(木造建築など)であること

(2)(1)の要件を満たさない場合は、一定の耐震基準をクリアしていること(詳しくは後述します)

(3)生計を一にする親族から購入したものではないこと

(4)贈与によって取得した家ではないこと


 

 

耐火建物であれば築25年以内、耐火建物以外であれば築20年以内という要件を満たしていれば、中古マンションであっても住宅ローン控除の適用を受けることができます。

 

ただ、築年数の要件を満たさない場合でも、一定の耐震基準を満たしていれば住宅ローン控除を受けられるということです。

そこで、次にこの耐震基準について具体的に見ていきましょう。

 

築25年を超えていても住宅ローン控除を受けられる?

前述の通り、築年数の要件を満たしていない場合に住宅ローン控除を受けるには、一定の耐震基準を満たすことが必要です。具体的には、次にあげる証明書のどちらかを取得する、もしくは保険に加入することで要件を満たすことができます。

 

(1)耐震基準適合証明書を取得する

(2)住宅性能評価書(耐震等級1〜3)を取得する

(3)既存住宅売買瑕疵(かし)担保責任保険に加入する

 

では、それぞれの内容について見ていきましょう。

 

耐震基準をクリアするための要件とは?

© tatsushi – Fotolia
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(1)耐震基準適合証明書を取得する

これは、建物が現行の耐震基準を満たしていることを証明するものです。マンションの所有権が売り主から買い主に移転するまでに、売り主名義の適合証明書を取得する必要があります。

この証明書は、指定性能評価機関などが発行するもので、証明書の発行には3~5万円、診断に10~15万円ほどかかります。

 

 

(2)住宅性能評価書(耐震等級1〜3)を取得する

国交省指定の評価機関で物件の耐震性や防火性・バリアフリー性などの評価をしてもらい、その結果を「住宅性能評価書」で評価してもらいます。

住宅性能評価書とは、住宅の性能を法律に基づいた一律の基準で表示・評価するためにつくられた「住宅性能表示制度」に基づいて発行されるものです。

住宅ローン控除を受けるには、「耐震等級1~3」の評価が必要で、検査料金は10万円くらいかかります。

 

(3)既存住宅売買瑕疵(かし)担保責任保険に加入する

中古住宅の検査と保証がセットになった「既存住宅売買瑕疵(かし)担保責任保険」に加入に加入するには、現行の耐震基準に適合していなければなりません。そのため、保険に加入することで耐震基準を満たしたとみなされます。

住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受け、保険料は検査料込みで5~10万円程度です。

 

いずれも一定の費用がかかりますが、住宅ローン控除を受けるという目的だけではなく、購入するマンションの耐震性が担保されているのか、また見えない瑕疵はないのかを調べてもらうためにも有効な手段と言えます。

 

これらの手続きは、マンションの引き渡し前にすませておく必要があります。適合しない場合には修繕が必要になるため、後々のトラブルを避けるためにも、売り主の合意を得ることはもちろん、スケジュールの調整のほか、誰が費用を負担するかを明確にしておく必要があります。

 

中古マンションのリフォームで住宅ローン控除を受けるには?

近年、中古マンションを購入してリフォームを行なう人が増えています。住宅ローン控除の対象となる中古マンションをリフォームした場合、次の(1)〜(3)に該当すれば、リフォームについても住宅ローン控除の対象となります。

 


【住宅ローン控除の対象となるリフォームの条件】

(1)自分が所有していて、自分で住むための家屋に対する増改築、リフォームであること

(2)次のいずれかの工事に該当するものであること

・増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕、または大規模の模様替えの工事

・マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段または壁の過半について行なう一定の修繕・模様替えの工事

・家屋(マンションなどの区分所有建物では、その人が区分所有する部分に限る)のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床、または壁の全部について行なう修繕・模様替えの工事

・現行の耐震基準に適合させるための修繕・模様替えの工事

・一定のバリアフリー改修工事

・一定の省エネ改修工事

(3)費用が100万円を超える工事であること


 

 

なお、工事の内容によっては、住宅ローン減税ではなく、バリアフリー改修減税や省エネ改修減税などを適用したほうが、お得なケースもあるので、まずは試算をしてみることも必要でしょう。

 

住宅ローン控除を受けるために確定申告を忘れずに

現行(2014年4月1日~2019年6月30日)の住宅ローン控除は、「年末ローン残高」の1%にあたる金額(最大40万円)が、10年間にわたって最大400万円まで、収めた所得税から差し引かれて還付される制度です。

大きな金額が還付される制度ですので、要件を満たしている場合には、確実に手続きをしておきましょう。

 

ただし、住宅ローン控除を受けるために購入したマンションの改修が必要な場合もあります。

その場合には、改修にかかる費用と住宅ローン控除で戻ってくる金額を試算してみて、その中古マンションを購入するかどうか検討することも大切なポイントです。

 

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