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火災保険と火災共済の違いとは?

保障内容、掛け金、メリット、デメリットを考察!

2019/01/17 平野敦之

文/平野敦之

画像/123RF

住まいへのもしもの備えに火災保険や地震保険の加入は一つの選択肢ですが、それ以外にも火災共済という方法があります。火災保険と火災共済の違いを意外とよく分かっていない人も珍しくありません。火災共済について火災保険との違いや選び方のポイントについて確認してみましょう。

火災共済と火災保険は何が違う?

共済は組合員やその家族を対象に非営利で運営しています。組合員というのは職域や地域などが条件になっていることが多いですが、共済によっては組合費を支払えば組合員になれるものもあるため、比較的簡単に加入できるケースも珍しくありません。これに対して保険は不特定多数の人を対象にする営利事業です。

共済では保険という言葉を使いませんので、火災共済といいます。事故があったときに支払われるものを共済金(保険金)、毎月の掛金を共済掛金(保険料)などと使う言葉も異なります。

また損害保険会社の監督官庁は金融庁、保険業法という法律に基づいて制度が運営されていますが、共済では監督官庁や根拠となる法律なども違います。

火災共済の保障はある程度決まった型で選ぶタイプが一般的です。昨今の火災保険は自分で補償を選ぶことができたり、補償が拡充されています。また自己負担額を設定するなど大なり小なり契約内容をカスタマイズできるケースが多いのですが、火災共済ではこうしたことはほとんどできません。

その半面、共済では毎年の決算時に割戻金などが支払わることがあり、掛金は割安に設定されていることもあります。しかし火災共済も1種類ではなく実に色々な共済があるのです。

火災共済の主な種類と内容

火災共済と火災保険は同じように見えて実は結構違いがあるように、共済にも日本全国に大小さまざまな共済があります。比較的よく名前を聞くところだと、都道府県民共済(以下、県民共済)、全労済、JA共済などがあります。これらの取り扱っている火災共済の商品は、次のとおりです。

それぞれ商品が違いますから、カバーされる内容や範囲、共済金の支払い条件なども当然違います。

県民共済は1年掛捨て、あまり大きな保障はつきませんが、割戻金もあり、その分共済掛金は割安です。全労済も1年掛捨て、割戻金があるのは同様ですが、自然災害については自然災害共済(標準タイプ、大型タイプ)があります。大型タイプにするほど保障が手厚くなっていきます。JA共済は、最近のこうした保障には珍しく積立タイプです。

このように共済と言ってもその内容や仕組みなどは違いがあるのです。

地震共済ってあるの?

近年相次ぐ地震災害について気にする人が多いでしょう。地震保険とはその仕組みに国も関与する官民一体の「保険」制度です。そのため一般に言われる「地震保険」は共済につけることはできません。

その代わりに各共済とも火災共済の中に地震などの被害を受けたときの保障がついています。

火災共済と同様に地震に関する保障についても、地震保険とは保障される範囲や支払い基準なども違います。地震災害はその特性から保険でカバーするのはなかなか難しいのですが、共済でも基本的な考え方は似ています。

具体的には比較的軽微な被害の場合は、支払い対象にならないことです。なお、共済の場合でも地震をカバーする保障部分の掛金は地震保険料控除の対象になります。

他にも火災保険ではカバーされる契約金額の上限は通常は一律です。例えば持ち家の人で、建物の評価額が2,500万円、この金額で契約したら支払われる金額の上限は火災でも台風などでも保険金の支払いは2,500万円が上限になります(地震保険を除く)。

しかし火災共済の場合には、この保障される金額が事故や災害など被害を受けた原因によって必ずしも一律ではありません。被害を受けた原因によって共済金の限度額が違うことがあるので注意してください。

火災共済の選び方とそのポイント、注意点

ここまで見たように火災保険と火災共済、そして共済同士でもかなり違いがありますが、一律にどちらが有利・不利というものではありません。

ある程度しっかりした最新の保障内容にしたい、保障内容を選びたいということであれば火災保険の方が合うでしょう。逆に保障内容はともかく、なるべく掛金負担の軽いものということであれば共済も選択肢に検討してみてください。

火災保険でもネットで契約が完結するもの、共済でも保障がしっかりしているものもあるので一概には言えませんが、加入の際には違いをよくチェックするようにしましょう。

なお、持ち家の人の場合、住宅の用途であれば火災保険や火災共済をつける対象は、主に「建物」と「家財」です。これらはバラバラに契約できるので、例えば建物は火災保険、家財は火災共済という形態は問題ありません。

しかし一つの建物で火災共済に加入していて、保障が不足するから同じ建物にさらに火災保険も契約するのはやめてください。それぞれお互いをどう取り扱うかが異なるので損害が発生したときに複雑な話になります。

共済によっても保障内容はさまざまですから、共済同士でもよく比較して選ぶことが大切です。

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