連載・トピックス / 不動産投資

だから大家はやめられない!

最強の空室対策はストーリー・ブランディング(3)

入居者が心から満足する賃貸物件をつくるためにいちばん大切なこと

2016/09/24 林 浩一

「つかむ」「揺らす」「満足させる」というストーリー・ブランディングの手法の3つ目、「満足させる」について今回はお話します。何に満足するかは人によってそれぞれですが、「子育てにふさわしいファミリー物件」というストーリーに照らしあわせてみれば、「思い出づくり」という答えが浮かび上がってきます。入居者さんの「思い出づくり」のために大家は何ができるのでしょうか。

入居者さんの「思い出づくり」が「満足」の源泉

前回( http://sumai-u.com/?p=6805 )は、私が賃貸経営に取り入れた「ストーリー・ブランディング」の手法、「つかむ」「揺らす」という要素について語りましたが、今回は最後、3つ目の「満足させる」についてお話しましょう。

住まいにとって「満足」とは、どういうことでしょうか? 何に満足するのかは、人それぞれ違うのでむずかしいことのように思いますが、「子育てにふさわしいファミリー物件」というストーリーに照らしあわせてみれば、「思い出づくり」という答えが浮かび上がってきます。

入居者さんに長い間住んでいただきたいとはいえ、お父さんの会社の転勤があったり、貯金ができて戸建ての家を建てたりといった事情で退去していく方もいらっしゃいます。

でも、幸いなことに、そうしてかつて私の物件に住んでくださった人のなかには、毎年、年賀状を送ってくれて、子どもたちの成長を報告してくれたり、ときどきクルマで訪ねてきてくれたりする人がいるんです。そんなとき、私は、そんな人たちにいい思い出を提供できたんだなぁと実感して、うれしくなります。

当たり前のことを当たり前に積み上げる

とはいえ、私自身が大活躍をしようといろいろ手出しをしたところで、思い通りの結果が得られるわけではありません。むしろ、変に出しゃばらず、黒子に徹してやるべきことをやるだけです。

たとえば、玄関やエントランス、廊下などの共有部分にゴミが落ちていたり、汚れたりしていないか、ときどき見回りをするとか。もし電球が消えかかっているときは、完全に切れる前に付け替えるようにしています。それから、建物のまわりの雑草も年に3回、草刈りをします。

どれも入居者さんに快適な住空間を提供するためには当たり前のことですが、この当たり前のことをひとつでもおろそかにしてしまったら、台無しになってしまいます。そうやって1日1日の積み重ねが入居者さんたちの暮らしの満足を支え、ひいては思い出づくりに貢献していると私は信じています。

「大家業ってサイコー」と思う瞬間

なかには、そんな私の姿を見ていて、「いつもありがとうございます」と声をかけてくださる入居者さんもいらっしゃいます。なんともいえず、うれしくなる瞬間です。

入居者さんにとって私は、「子どもが小さかったときに住んでいたアパートの大家さん」という小さな登場人物に過ぎないかもしれませんが、彼ら彼女たちの思い出のヒトコマに入れるというだけで、私は「大家業って、本当にサイコーだなぁ」と思うのです。

物件ごとに違ったストーリーがあるはず

 さて、これまで述べてくたことは、あくまで私の実例に過ぎません。

 ファミリー向けの物件だけでなく、学生寮には学生寮の、単身者向け物件には単身者向け物件のストーリーがあるはずです。その他、店舗やオフィス物件、シェアハウス、Airbnbなど、それぞれ違ったストーリーがあることでしょう。

 私のストーリー・ブランディングの実例を参考にして、どうか自分の物件ならではのストーリーをつくってみてください。

 参考までに、ストーリーづくりに必要な3つの目について、最後にまとめておきます。

(1)視点:何のどこを見ているのか?
「バス便立地」というと、「不便」、「田舎」といったデメリット面しか見えないかもしれませんが、視点を変えてみると、「静か」、「自然が豊か」といったメリット面も見えてくるはず。

(2)視野:見ている範囲
 物件の可能性は、想定する入居者さんのターゲットを誰にするかでガラリと変わるはず。視野は広く持ちましょう。また、5年後、10年後、20年後といった時系列での視野も広く持ちましょう。

(3)視座:どの立場、どの場所から見るのか?
 大家の目で物件を見るのではなく、入所者さんにはどう見えるのかを考えましょう。ひいては、客付けをする仲介不動産会社にはどう見えるのか? 管理会社からはどう見えるのか? 地域からはどう見られるのかなど、あらゆる視座から物件を見てみましょう。

★★★おすすめ記事はこちら!★★★
東京ディズニーランドも実践している! 住み続けたい物件をつくるための「ストーリーの3要素」
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「子育てにふさわしい賃貸物件」、このコンセプトを決めるところから私のストーリーづくりは始まった
http://sumai-u.com/?p=6715

あやしい不動産投資セミナーの裏側、全部お話しします
http://sumai-u.com/?p=6632

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