連載・トピックス / 不動産投資

お部屋で銀河を眺める雄大な1K!

入居者さんをターゲティングするコツとは

2019/09/24 住まいの大学

文/住まいの大学編集部

株式会社クラスコプレリリースより

石川県金沢市に本社を置く株式会社クラスコデザインスタジオが、同社の賃貸住宅向けリノベーションブランド「Renotta(リノッタ)」の新作、「GALAXY LIFE」を発表しています。


「ひと部屋ひと部屋に独自のコンセプトを設定し、住む人の個性に合うよう、『一戸一絵』のリノベーションを行っている」を掲げる当ブランドですが、今回のお部屋では、壁の一面に星々が輝く銀河をモチーフとした壁紙が貼られています。SF映画のスクリーンを観ているかのような、日常感を離れた演出がとても面白い1Kのお部屋です。


なお、「銀河」以外の残る壁3面のうち、1面は黒です。天井も同じく黒に仕上げられています。その天井には5灯のダウンライトが配されています。一方、窓のある壁、キッチン等へ続くドアのある壁はいずれも純白です。やはり、映画に出てくる宇宙船の内部を彷彿とさせるような演出です。


こうした、デザインや演出に個性をもつ部屋は、賃貸住宅とはとても相性がよいといえるでしょう。なぜなら、賃貸住宅は通常、入居者にとっては一時の住まいです。さらには、住み飽きれば気軽に出ていくことも可能です。


多額のローンを組んで買うマイホームとしてならば躊躇されるような物件であっても、いわばお試しでも住んでしまえるのが賃貸のメリットです。


ところで、上記の「GALAXY LIFE」ですが、男性向きの部屋か、女性向きの部屋かと問われたら、皆さんはどうご判断されるでしょうか。


おそらく「男性向き」との答えが多いことでしょう。もちろん、雄大な銀河のモチーフを気に入ってくれる女性もたくさんいるとは思いますが、より多くの女性に愛される星や宇宙のデザインを考えるとすれば、どちらかというと、星座や流れ星、三日月や半月といったものになるのではないでしょうか。


その意味で、今回のクラスコ~さんのお部屋のモチーフが、銀河ではなく、さらにリアルな木星や土星などの惑星が描かれたようなものであった場合、男性向けの傾向は、より強まるのではないかとも思われます。


そこで、われわれは若干のヒントを掴むことができます。


個性あふれるデザインや演出、コンセプトを物件に盛り込んで、入居者へアピールしたいと考えるならば、同時に、そこではターゲティングも大切になってくるということです。


すなわち、どんな人にその部屋に住んでもらうのか、プロフィールを細分化し、突き詰めたうえで、まだ見ぬその人に向けた部屋を創るのです。


そこでいえば、冒頭の「GALAXY LIFE」は、実は駅からはかなり遠い物件です。


場所は首都圏ではなく、金沢市にありますが、金沢駅からは徒歩で35分程度、車でも8~9分かかります。


さらに、物件は4車線の県道に面しています。敷地内には広い駐車場が整備された、明らかな郊外型の物件です。地方都市ということもあって、ここを選ぶ入居者さんはほぼ車をお持ちでしょう。


また、付け加えると、物件の背後は河川敷です。人家はなく、草木の生い茂った緑地がかなりの距離まで広がっています。


従って、夜は、窓から川向こうの明かりが美しく眺められる可能性がありますが、物件の足元から堤防、河川敷、川面にかけては、かなり寂しい無人の闇となりそうです。


すると…。ターゲティングの基本は、まずは男性ということになりそうですね。


そこからスタートしての、銀河~黒がメインの内装~宇宙船っぽい雰囲気といったデザインとなっていったのかもしれません。同じ宇宙でも、「星座と流れ星、三日月やハーフムーン」がモチーフとなる方向性は初めからなかったということです。


入居者さんをターゲティングするコツをお伝えいたしましょう。


それは、「排除」です。すなわち捨てることです。


ターゲティングを楽に進めるには、最初に捨てる客層を選ぶこと。そこから始めるのがおススメです。「私の物件を選んでくれなくてもかまわない人」をまずは排除していくのです。


なので極端な話、「家賃を滞納し、騒音で周りに迷惑をかける不良入居者」からスタートしても構いません。


さらには、「この人達は追っても無駄。諦めよう」と思える人を除いていきます。たとえば、


「物件の周りが寂しいので女性は諦めよう」
「駅から遠いので、駅を使う人は諦めよう」
「クローゼットが狭すぎるので、お洒落な人は諦めよう」


次には、物件を選んでくれてももちろんいいが、「避けてもらってもさほど悲しくない」と思える人を除いていきます。たとえば、


「女性の方が通常お部屋をきれいに使ってくれるので、男性は逃しても惜しくはない」
「部屋が汚れるので、喫煙者は逃しても惜しくない」


そうした例のほか、差し障りがあるのでここには書けませんが、入居者さんのプロフィールを想像するに応じて、オーナーさんおひとり、おひとりごとに、さまざま想われるところがあるはずです。


そのように、捨てるプロセスをどんどん重ねていくと、次第に一定の人物像が絞れてきます。絞れたところで、そこからが本格的なターゲティングです。


性別、年齢、勤務地、勤務先や仕事内容、資格、出身地、趣味や悩み、服や食べ物の好み、休日の過ごし方…と、なるべく具体的なターゲットをイメージしてください。これをいきなり最初から考えるのは大変ですが、捨てるプロセスを丁寧に踏んでいけば、意外と楽に、かなり絞り込まれた段階までたどり着けるはずです。


なお、これは賃貸住宅のターゲティングの話ではかならず出てくるオチ(?)なのですが…


「女性をねらった明るいパステルカラーのアクセントクロスを貼った部屋がすぐに埋まった。ただし、入居者さんは40代の男性だった」


と、いったことがたまにあります。


それはそれで、おそらくターゲティングは成功しているのだと思われます。


(文/朝倉継道 参照元/株式会社クラスコプレリリース)

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