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収入と返済能力があっても借りられない? 中古住宅購入で住宅ローンが使えない4つのパターン

2017/02/28 「住まいの大学」編集部

住宅ローンを借りるためには、十分な収入と返済能力が必要になります。でも、収入と返済能力があっても、住宅ローンを借りることができないケースがあるのをご存知でしょうか? それが、「住宅ローンを利用できない中古住宅」です。なぜ住宅ローンを利用できないのでしょうか。その理由と、典型的な「住宅ローンを利用できない中古住宅」の条件についてご説明します。

中古住宅の購入を検討する人が増えている

土地価格や建築費の上昇によって、新築物件の価格が高騰しています。そのため、中古住宅に注目が集まっているようです。

中古住宅を新築住宅以上におしゃれで機能的にリフォームした、「リノベーション物件」が人気を呼んだこともあって、中古住宅の購入を検討する人が増えているのです。

 

ちなみに、リノベーションとは、リフォームの一種で、中古住宅に新築時以上の性能を持たせて改修することを言います。現在は、リフォーム費用も合わせて借り入れできる住宅ローンがあるので、中古住宅を購入してリフォームしようと考えている場合には、購入と同時にリフォームを行なってしまえば、住宅の購入代金とリフォーム代金を合わせて住宅ローンで借り入れすることができます。

 

住宅ローンを借りるためには、一定の収入と返済能力が必要なことは多くの人がご存知でしょう。ですが、収入と返済能力があっても住宅ローンを借りることができないケースがあるのをご存知でしょうか?

それが、「住宅ローンを利用できない中古住宅」です。

 

なぜ住宅ローンが利用できないの?

金融機関が住宅ローンの融資を行なう際には、「人」と「物件」に対して審査をします。

「人」に対する審査は、住宅ローンを申し込んだ人の収入や勤務先、ほかで借り入れをしていないかなど、その人が住宅ローンを滞りなく返済していけるかどうかを審査するものです。

 

一方、「物件」に対する審査は、その物件にお金を貸し出すだけの価値があるかどうかを審査するものです。

住宅ローンは、融資を受ける人が購入する物件(土地・建物)を担保にして貸し出されます。簡単に言ってしまえば、融資を受けた人がローンを返済できなくなってしまった場合、金融機関がその物件を売却して、代金をローンの返済に充てるということです。

 

ところが、なかには金融機関が担保価値を認めず、融資の申込者の返済能力に問題がなくても、住宅ローンを貸し出してもらえないケースがあるのです。

「金融機関が担保価値を認めない」ということは、売却しようとしても買い手がつかない、もしくは売却できたとしても融資を回収できないと判断されたということです。

家を資産と考えるのであれば、住宅ローンの融資を受けられない物件は購入すべきではないと言えるでしょう。

 

では、そうした住宅ローンの融資を受けられない物件とはどんなものなのでしょうか。

 

<ケース1>借地権付き住宅、定期借地権付き住宅

借地権とは、簡単に言えば「他人の土地を借りて、その土地に自分の建物を建てることのできる権利」のことです。定期借地権は、期間の定めのある借地権のこと(一般には50年以上)で、期間満了後には建物を取り壊して更地にして持ち主に返還するのが原則です。

 

契約時の保証金と毎月の地代を支払う必要はありますが、土地代が含まれないため、一般の住宅の4〜5割程度で購入できるケースが多いようです。

 

ですが、土地の所有権は購入した人のものにはならず、金融機関が土地を担保にすることはできないため、住宅ローンの融資を受けるのはむずかしいでしょう。借地権付き、定期借地権付きの住宅は取り扱わないと明言している金融機関もあります。

ただし、新築分譲マンションの場合は、提携ローンがあるのが一般的なので、住宅ローンを利用することができます。

 

(参考記事)

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定期借地権付きマンションはおすすめか? そのメリット・デメリットは?

http://sumai-u.com/?p=1553

 

<ケース2>市街化調整区域に建てられた住宅

住宅を建てることができるのは、都市計画法で定められた「市街化区域」に当たるエリアです。

市街化調整区域」はこれとよく似た名前ですが、市街化を調整、つまり市街化を抑えなければいけない区域のことで、原則として一般の住宅を建てることはできません

 

実際には、市街化調整区域に設定される前から家を建てて住んでいる人もいますし、それらの市街化調整区域に建てられている住宅を購入することは可能ですが、住宅ローンの借り入れはむずかしくなります

なお、市街化調整区域に設定される前に住んでいた人などは、例外的に建築を認める救済策「既存宅地」も存在します

 

<ケース3>土地区画整理事業の保留地

土地区画整理事業とは、「道路、公園、河川当の公共施設を整備・改善し、土地の区画を整え宅地の利用の増進を図る事業(国土交通省のHPより)」のことです。

 

土地区画整理の事業費を土地所有者が負担しなければならない場合もありますが、その場合、金銭で負担するのではなく、地区内の土地所有者が少しずつ土地を出し合って保留地を設け、この保留地を処分して事業費に充てます(図表1)

 

(図表1)保留地とは?

この土地区画整理事業の保留地を購入する場合、金融機関によっては住宅ローンの取り扱いをしないことがあるのです。

ただし、一部の金融機関は保留地に特化した「保留地ローン」を販売しているため、金融機関に個別に相談してみてください。

<ケース4>再建築不可の物件

再建築不可として指定されている物件は、「建て替え」をすることができません。再建築不可に指定されるにはいくつかの理由がありますが、最も多いのは「接道義務」に違反しているケースです。

 

では、接道義務とはどんなものなのでしょうか?

建築基準法では、基本的に建設物の敷地となる土地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなくてはならないと決められています(図表2)

この規定が定められた時点で、すでに建設されている建物を、「違反だから」といって解体するわけにはいかないため、建物はそのまま残っていますが「建て替え」は不可とされているのが、再建築不可物件です。道路が狭いと火災時に延焼する可能性も高まるため、防火体制の強化という意味合いもあります。

 

(図表2)接道義務違反とは?

古い街並みには、細い道路の両端にびっしりと建物が乱立していたり、道路から路地や通路を入ったところにも家が建っていたりしますが、このような場所は再建築不可になるケースが多いです。

再建築不可かどうかは、行政機関で確認することができるため、不動産会社に問い合わせるか、自身で行政機関である市役所(役場)の都市計画課などに確認するようにしましょう。

 

接道義務以外にも再建築不可になるケースがあります。最近多いのは土砂崩れの発生地などで「この地域は災害の発生可能性が高いため、再建築不可とする」旨を行政機関で判断する場合です。

これは自治体判断のため、大きな災害の被災地のみならず、ニュースなどで報じられない限定的な場所を対象とするケースも多いため、注意が必要です。

 

(参考記事)

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中古住宅を購入するなら、現在の建築基準法に適合しているかチェックしよう

http://sumai-u.com/?p=1414

 

あえて再建築不可物件を購入するという方法も

建て替えできないとなると、多くの人はそうした物件を購入しようとは思わないでしょう。ですが、価格が安ければ話は別と考える人もなかにはいらっしゃいます。

 

実際に、再建築不可の中古物件は割安な売買価格に設定されているため、あえて再建築不可物件を購入する人もいるのです。再建築ができなくても、住むことはできますし、リフォームやメンテナンスすることで永く住むことも可能になるからです。

グレーな方法ですが、再建築不可物件の柱だけを残した状態にしてしまい、実質は建て替えなのにリフォームとして家を改修した人もいるとかいないとか。

 

また、リフォームをして貸し出せば家賃収入を得ることができるため、なかには投資物件として購入する人もいます。周囲の相場と比べると、かなり割安で購入できるため、高い利回りを得ることもできます。

 

(参考記事)

大田区で150万円の空き家が、リノベーションでハンモックのあるオシャレな家に再生!

 

とはいえ、当然、再建築不可の物件を購入するリスクは無視できません

まずは、住宅ローンの利用ができないため、現金で購入しなければなりません(投資用物件として購入する場合は、再建築不可かどうかに関わらず住宅ローンは利用できません)。また、火災で建物が消失したり、地震で倒壊してしまったりすれば、そもそも再建築ができないので、そこに住み続けることはできなくなってしまいます

再建築不可物件の購入を検討する際には、十分にそのリスクを認識した上で判断するようにしてください。

 

住宅ローンが使えない家を買っても大丈夫?

ここまで「住宅ローンが使えない物件」を見てきましたが、基本的には、住宅ローンが使えない家を買うのはおすすめできません。

冒頭でも申し上げたように、住宅ローンが利用できないということは、金融機関が「担保価値がない」と判断したということです。住宅を資産として考えるのであれば、資産価値のない家を購入すべきではないと言えるでしょう。

 

不動産投資に慣れた上級者であれば、投資物件としては魅力的かもしれませんが、自宅として購入を考える場合でも、さまざまな事情でこれらの物件購入を判断する場合もあるでしょう。その場合は、個別のリスクを把握し、事前に対策を講じた上で、購入に踏み切ることをおすすめします。

 

なお、住宅ローンを組んで中古物件を購入する場合、金融機関によっては、築年数の古い物件は返済期間を短くすることを融資の条件とする場合もあります

返済期間が短いと、月々の返済額が大きくなってしまうので、中古物件を購入する際には、返済期間に制限がないかも金融機関に確認するようにしてください。

 

(参考記事)

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マンションは「住み心地」で選んではいけない! その3つの理由とは?

http://sumai-u.com/?p=7949

 

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