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「働けなくなったとき」が不安――

各社が力をいれる「就業不能保険」は加入するべき!?

2019/09/03 住まいの大学

住まいの大学編集部 文/Kanausha.LLC

保険料が意外と安い就業不能保険

画像/123RF

妻「いよいよ私たちのマイホームが手に入るのね。──あなた、どうしたの?」
夫「この先、もしも病気やケガで働けなくなったりしたら……」
妻「住宅ローンのプレッシャーで印鑑が押せないのね……」

タレントの渡辺直美さん演じる妻と、俳優の西島秀俊さん演じる夫が登場する保険商品のCM。印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

働けなくなったときの収入をカバーする「就業不能保険」のCMです。CMのセリフを聞いていると、この保険に入っておいた方がいいのではないかとドキッとさせられます。

就業不能保険は比較的新しい商品ですが、アクサダイレクト生命、アフラック、チューリッヒ生命、ライフネット生命、三井住友海上あいおい生命など、さまざまな保険会社から商品が販売されています。また第一生命も9月に就業不能保険を発売すると発表しました。ただし、就業不能単体の商品はまだ少なく、死亡保障とセットになっているケースが多いようです。

保障内容は名称の通り、働けなくなったときに毎月5万円、10万円など給付金を受け取ることができます。

当然、給付金を受け取るには条件があり、各社それぞれに「所定の就業不能状態」を定めています。

主な「所定の就業不能状態」としては、一定期間以上の入院や在宅療養状態となったとき、一定以上の障害等級と認められたときなどが挙げられます。

そして保険期間中、「所定の就業不能状態」が継続していれば毎月給付金を受け取ることができます。

このように、年金のように受け取ることができる保険商品となると、毎月払い込む保険料も高額になるような印象を受けます。しかし、意外にも払い込む保険料は安いことがこの保険のメリットのひとつです。

たとえば、ある保険商品で試算をしてみると、次のような保険料が算出されます。

例)43歳 男性 毎月の保障金額10万円 保険期間60歳まで
     ↓
  毎月の払い込み保険料……約3000円

43歳で加入して、50歳のときに働けなくなり、60歳まで給付金を受け取ることになれば、払い込む保険料が約61万2000円(保険期間中は保険料の支払いが継続)、受け取る給付金が約1200万円になり、かなりお得な保険のように感じます。

また、保険期間や毎月受け取る給付金額を比較的自由に設定できる商品も多いため、無理なく保険に加入できるともいえます。

ちなみに、給付金を受け取るためには、基本的に「所定の就業不能状態」であることを証明できればOKです。ということは、もしも自宅で療養しながら収入を得られるようなケースがあったとしても、給付金を受け取ることができるとも考えられます。

このように見ていくと、誰もが持つ働けなくなったときの不安を解決してくれるメリットが大きい保険という印象を受けるのではないでしょうか。

会社員は傷病手当金の受給も考慮に入れる

しかし、安く加入できるお得な保険だからといって、誰もが加入した方がいいというわけでもありません。ほかの保険と同様、自分に本当に必要な保険かどうかを見極めることは重要です。

たとえば、会社員で社会保険に加入していれば、病気やケガで仕事を休んだときには傷病手当金を受け取ることができます。

傷病手当金の支給期間は1年6カ月で、過去12カ月間の標準報酬月額を平均した額の2/3の額を受け取ることができます。

万が一の「働けなくなる」期間をどの程度に想定するかにもよりますが、復帰できる可能性を高く考えたり、ある程度の貯蓄があったり、共働きであったりすれば、それほど大きな額の就業不能を心配する必要はないのかもしれません。

ちなみに保険商品によっては、傷病手当金を受け取っている期間の給付金を少なめに、その後の給付金を多めに設定できるものもあります。

一方、この就業不能保険を最も必要とするのは、自営業者や個人事業主でしょう。国民健康保険にしか加入していなければ、会社員のような傷病手当金はありませんし、事業そのものがストップして、それこそ収入が途絶える可能性があるからです。

このように就業不能保険は、働けなくなっても生活の質を大きく落とさないようサポートしてくれる魅力的な商品です。就業スタイルの変化やニーズの変化から、今後、他の保険会社も追随して就業不能保険を発売していくのではないかと予想されます。

しかし、会社員にしろ自営業者にしろ、現在加入しているほかの保険や貯蓄状況などを確認してから、就業不能保険への加入を考えることがおすすめです。

その際、がんや8大疾病などと診断されたときにまとまった額を一時金として受け取れる保険、入院給付金や治療費を受け取れる保険などと、就業不能保険のどれを選択すればいいのか、あるいは全部に加入した方がいいのか悩むケースも多いかもしれません。

そういったときには、“一生”働けなくなることが不安なのか、がんになったときの治療費が不安なのか、がん以外の病気の通院治療費が不安なのかなど、まずは、自分が最も不安に感じているところを整理することが大切です。

さらに、傷病手当金や高額療養費制度などの公的な制度も確認してから、就業不能保険が自分に必要かどうか、必要であればどの商品が適しているかなどを見極めて、加入を考えてみてはどうでしょうか。



■取材協力:保険クリニック
1999 年に日本で初めて*オープンした保険ショップ。
日本の約90%の世帯が加入している生命保険を、視覚的に分かりやすくご説明するために、保険分析・検索システム『保険IQ システム』を独自に開発している。
保険商品の検索や比較の機能を追加し、保険の現状把握からお客さまに合わせたプランのご提案まで、全国の『保険クリニック』でお客様にとって適切な保険選びをサポートしている。
*「日本初の来店型乗合保険ショップチェーン※」※店舗数11店舗以上または年
商10億円以上をチェーン店と定義 東京商工リサーチ調べ(2018年6月)


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