連載・トピックス / 不動産投資

だから大家はやめられない!

覚えておきたい「大家の心得」(13)

地震への備えは大丈夫? 大家は入居者さんの命を預かる仕事です

2016/06/25 林 浩一

火災保険には入っていても、地震保険には入ってないという大家さんはどのくらいいるのでしょうか。地震が原因の火災は、火災保険ではカバーされませんから、私は地震保険への加入も必須と考えています。地震について、もうひとつ注意しなければいけないのは、建物の安全性です。大家は入居者さんの命を預かっているのも同然。災害に備えて何をしておくべきか、よく考えておくべきではないでしょうか。

バカにできない地震保険の保険料

 今年の春、5年前に加入した地震保険の期限が切れて、更新の手続きをしました。

 家財保険(家財の損害・大家さんに対する賠償責任・第三者への賠償責任など)は賃貸契約の際、入居者の方々に加入していただくことも多く、大家さん自身も建物に対して一般的に火災保険に加入しています。地震保険は費用が高く、加入していないという人が私の周りでもけっこういます。

 どれくらいの費用がかかるのかというと、二階建木造アパートの私の物件の場合、5年契約で30万円弱。貯蓄型ではなく、掛け捨てですから、バカにできない出費です。でも、私は迷わず更新の手続きをしました。

地震による火災は火災保険では保証されない

 5年前、すなわち2011年の3月11日に起こった東日本大震災は、私にとって忘れることのできない出来事でした。実はこの日は、翌週に「Wilshire five seasons」の新築お披露目内覧会を控えていた日だったのです。

 地震は、知人の植木職人と一緒にアパートに植栽をしている最中に起こりました。アパートがある横浜でも揺れはかなりのもので、電柱とアパートをつなぐ電線が、揺れに合わせて引きちぎられそうになっていた様子がいまでもありありと思い出されます。竣工したばかりのアパートが倒れてしまうんじゃないかと、気が気ではありませんでした。

 地震後の検査で確認したところ外壁や基礎などに亀裂が走ったり、破損したりすることもなく、幸いなことに被害を免れましたが、私は地震という天災の怖さを間近に感じたのです。

 地震災害について、注意しておかなければならない重要なポイントは、地震を原因とした火災は、火災保険では保証外となることが多いということです。

 ご存知の通り、地震による被害は建物の倒壊だけでなく、かなりの確率で火災を引き起こします。でも、従来の火災保険ではこのリスクを担保することができないのです。

 なぜ「火災保険」という名がついているのに、地震で起きた火災だと保険がでないのか? これは、日本が地震大国だということが関係しています。保険は統計学をもとに、集めたお金から被害が起きたときに保険金を払えるように運営しています。大地震などが起きた場合、莫大な額の火災による保険金の支払いは、火災保険ではカバーできないからです。

もし自分の物件が被害に遭ったら?

 もうひとつ、注意しなければならないのは、物件の所有者である大家には、民法で定められている「土地工作物責任」を負っているということ。仮に地震による建物の倒壊などで入居者さんがケガをしたり、死亡した場合、地震という不可抗力によるものと判断されて大家の責任が免れるわけではありません。その建物が耐震基準を満たしていなかった場合、過去の裁判では大家に損害賠償責任が及んだ例が多くあります。

 最近、築古ボロ物件を見た目だけおしゃれにリノベーションして賃貸に出してる投資家さんをよく見かけますが、そうした人たちは災害というリスクに対してどれくらい考えているのか、心配になります。

 大家さんは、入居者さんの命を預かっているともいえるのです。日本という国は、地震災害と常に隣り合わせですから、もし自分の物件が地震災害に遭ったとき、被害を最小限にするために何をしておいたらいいのか、よく考えておくべきではないでしょうか。

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