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住宅を買う人は保険料を払う必要なし!

新築住宅の「瑕疵担保責任保険」は、マイホームに欠陥があった場合の救世主!?

2016/09/16 横山晴美

マイホームを購入した後に欠陥が見つかったら…といった不安を感じている人は多いのではないでしょうか。大手の建築会社が手掛けたマンションでさえ、耐震偽造や傾き問題など、欠陥がしばしば発覚します。一戸建て、マンションの区別なく、マイホームを購入する際には、万が一欠陥があったときのために備えておきたいものです。実は、住宅に欠陥があった場合に備える保険があることをご存知でしょうか? 今回は、一般にはあまり知られていない住宅の保険、「瑕疵担保責任保険」についてご紹介します。

隠れた欠陥に備える、瑕疵担保責任保険

 マイホームを購入した後に欠陥が見つかったら…。

 そんな不安を感じている人は多いのではないでしょうか。大手の建築会社が手掛けたマンションでさえ、耐震偽造や傾き問題など、欠陥がしばしば発覚します。一戸建て、マンションの区別なく、マイホームを購入する際には、万が一欠陥があったときのために備えておきたいものです。

 一般にはあまり知られていませんが、住宅に欠陥があった場合に備える保険があることをご存知でしょうか? 今回は、住宅の保険である「瑕疵担保責任保険」についてご紹介します。

事業者は加入が義務づけられている

「瑕疵」とは欠陥のことを指します。壁に傷があったり、天井に穴があったりといった明らかな欠陥ならば、それを承知で買った、とみなされてしまいます。そのため、購入した住宅に隠れた問題があったときのための保険と考えてください。

 住宅という大きな金額が動く保険なら、きっと保険料が高かったり、加入条件が厳しかったりするのでは? と心配される人もいますが、新築物件の場合、加入義務を負っているのは住宅事業者(*)であるため、住宅購入者はわざわざ加入の手続きなどをする必要はありません。

「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」という法律により、事業者は住宅の欠陥について、10年間責任を負うと定められているのです。保険の引き受けをするのは、一般の保険会社ではなく、国土交通省が定めた5つの保険法人(2016年8月現在)です。

(*)住宅事業者:住宅の建築を請負う事業者、新築の販売を行なう事業者のこと

事業者が倒産した場合もカバーしてくれる

 品確法があるので、住宅を購入した本人が保険に加入していなくても、住宅の欠陥に対する責任追及をすることができます

 しかし、事業者が話し合いに応じなかったり、倒産していたりといった事態も想定されます。実際に建築業者は倒産率が高い業種ですが、この保険があれば、保険法人へ直接費用請求をすることも可能です。品確法の責任を確実に果たすために瑕疵担保責任保険が存在するといってもいいでしょう。

 正確にいうと、住宅事業者は保険の加入だけではなく「保証金の供託」という手段を取ることもできるのですが、保険であっても供託であっても消費者側が受ける恩恵は変わりませんので、ここでは保証金の供託についての説明は省き、普段からなじみある言葉の「保険」を使用していきたいと思います。

どんな内容の保険なのか?

 瑕疵担保責任保険は新築物件だけでなく、中古物件にも対応しています。ただ、新築物件と中古物件では扱いが違うため、まずは新築物件の瑕疵担保責任保険について見てみましょう。

①保険(または供託)の利用は義務づけられている
 まず、新築物件の場合、瑕疵担保責任保険への加入は義務化されています。わざわざ瑕疵担保責任保険に加入している物件を探す必要はありません。また、建設、販売時に、この保険について説明を行なうことも義務づけられています。

②欠陥があった場合は?
 保険契約は、事業者と保険法人の間で行なわれるため、基本的に保険金は事業者へ支払われます。事業者が倒産してしまったり、請求拒否をしたりといった場合には、購入者が直接、保険法時へ保険金を請求することが可能となっています。

③保障内容の範囲は?
 保障内容は、構造耐力上主要な部分に限られます。それぞれの建物について対象になる部分を見てみましょう。

●木造戸建て住宅の場合
 骨組み(屋根版や床組)など、建物の構造において重要な部分のほか、外壁や開口部など雨水の侵入を防止する部分が対象です。

●鉄筋コンクリート造りの場合
 基本的には木造戸建てと同じですが、排水管や基礎杭も対象となります。

 このように、一戸建てとマンションで多少の違いはありますが、あくまで「主要部分」が保険対象となります。

 では、最近人気が出てきている中古住宅の場合はどうでしょうか。

 実は中古住宅は品確法の対象外です。そのため、保険期間が2~5年程度と短めになっています。また、加入の際はその建物が保障に値する構造を備えているかの検査も必要になります。生命保険に加入する際の告知義務と同じようなものですね。

保険金額についての注意点

 最後に保険金額についての注意点をお伝えしておきます。

 詳細は保険商品ごとに異なりますが、基本的に保険法人が事業者へ支払う保険金には上限がありますし、免責金額も設定されています。保険という商品である以上、ある程度の制約はしかたありません。ただし、事業者倒産時に消費者が直接請求する場合は、支払い率の上限が撤廃されます。

 こうした保険があるとはいえ、消費者側としては、住宅についておかしいと感じることがあったら少しでも早く事業者へ連絡することが大切です。

 発見が早ければ補修費が少なく事業者も対応しやすいでしょうし、時間が経ってしまって瑕疵による不具合の度合いが大きくなると、費用、補修期間ともに負担が増します。補修を受けられる場合でも、不具合の度合いによっては、仮住まいを余儀なくされるかもしれません。欠陥はないにこしたことはありませんが、万が一の時は早期解決を目指しましょう。

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