連載・トピックス / 不動産投資

変化の兆しが見えてきた

民泊、空き家問題

2019/02/02 川久保文佳

文/川久保文佳

1、テロ対策に向けて様々な動き――2020年へ向けて、江東区

2019年1月29日(火曜日)、江東区の防犯センターにおいて、テロ防止対策等に関する協定締結式が執り行われました。江東区長をはじめ、大東建設不動産株式会社、東京消防庁深川消防署、東京消防庁城東消防署、警視庁東京湾岸警察署、警視庁深川警察署、警視庁城東警察署によって締結されました。民泊事業者がテロ防止対策の為の広報や告知に協力するといった内容になります。

内容は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにむけた、テロを未然に防ぐ協力体制強化のようです。

江東区は、東京都内で一番、住宅宿泊事業法については否定的な立場を一貫して取っています。会見でも江東区区長が冒頭に民泊についてはなるべく許可しない意向であるというスピーチもありました。

今回の江東区の物件も港区と東京都調布市と同時に申請をしたものの、なかなか許可が得られず、何度も掛け合って、ようやく届出を終了しました。大東建設不動産株式会社は、個人ではなく、唯一、届出をした会社であったようです。

今回の住宅宿泊事業法は許可制ではなく、届出制でありながら、様々な書類提出や自治体の判断が多分に影響する条例になっています。

もともと、日本に来る外国人の方は、空港などで入国の手続きを経て、日本に来ています。その時点で、テロ防止のパスポートチェック等は行われています。「入国した人たちがどこに泊まる予定なのか?」をチェックし、それが照会される仕組みになっていることが大切であって、正規に届出をする事業者を増やすことが大切なのだと考えます。さらに、民泊では、宿泊者の住所や職業・パスポート情報も取得しています。

その中で、国防の大切さを感じ、様々な取り組みをしている団体も現れています。有限会社建物管理保証の坂本代表率いる賃貸信用情報管理組合(仮称)は賃貸業者や住宅宿泊事業者で連携を取り、テロを未然に防ぐためのシステムを研究しています。

2、空家の事情――大阪、八尾市を訪ねて

あるきっかけから、先週大阪府八尾市を訪ねることになりました。まずは、大阪府八尾市の田中誠太市長を訪ね、八尾市の空き家等対策計画をお聞きし、担当者からも今の八尾市の取り組みについて教えて頂きました。

八尾市の空き家率は1998年の10.9%から15年経った2013年には14.8%となっていて、全国平均13.5%を上回っています。同じく大阪府においても14.8%と高い数字になっています。2016年現在、全国において65歳以上の高齢者のいる世帯は全世帯の48.4%を占めているとされていて、そのすべてが高齢者のみの住宅ではないとしても、予測される空き家率は住宅の「空き家率×高齢化」という関係性から、ここ数年で急激に高くなると考えられます。

実は、空き家対策での取り組み次第では、若者の移住や、海外からの旅行者による短期移住などによって、雇用が生まれ、地方都市においては生産年齢人口が上がるなど、良い効果をもたらす場合もあります。

八尾市は中枢中核都市に指定されました。これは東京への一極集中を抑制し、地方活性化を促すために「まち・ひと・しごと創生総合戦略改定案」などを推進していくものです。八尾市は大阪中心部から少し郊外であるからこそ地価も安く、いろいろな施策を打ちやすい街という印象をうけました。

昨年、大阪は台風によって関西国際空港が閉鎖に追い込まれるなど、大阪府内で、多大な被害が報告されました。大阪中心部から八尾市までの電車からの車窓では、まだまだ屋根にブルーシートのかかったままの住宅が多く見られました。

また、今なお被害の報告が市や河内新聞、消費者団体へ寄せられているようです。

そんな中で問題になっているのが空き家です。持ち主の不明な空き家が数多くあり、崩壊しそうな建物に手を付けられないなど、問題になっているようです。

どこの自治体へ行っても、“空き家の対策が滞っている原因”についてお話を伺うと決まって、初めに出てくるのが、持ち主のわかからない空き家です。不動産登記簿情報から持ち主を探しても、移転の為、持ち主までたどり着かないことが多くあります。

その対策として、総務省は固定資産税情報が有効との見解を示しています。しかしながら、その情報は非公開で、空き家対策には直接結びついていないのが現状です。ただ、崩壊の危険性がある空き家については、固定資産税情報を自治体が確かめて解決へ向かうケースも出てきているようです。

3、住宅宿泊事業法施行から6ヵ月――申請が少しずつスムーズに

最近、民泊の事業者から届出がスムーズになってきたということを聞くことが多くなってきています。世田谷区では市長の裁量で、第一種住居専用地域における土日祝の営業を旅行者の状況を考えて、運営の内容によって、同等日数程度の平日の営業を認めています。

旅行者が日本の旅行者と違って長期で来ることに配慮した形になっています。

少しずつですが、正規の民泊運営に尽力している個人が増えてきています。

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