連載・トピックス / 不動産投資

だから大家はやめられない!

覚えておきたい「大家の心得」(9)

物件を買うなら「入ってくるお金」だけでなく「出ていくお金」にも注目

2016/05/28 林 浩一

投資用の物件を見る際には、広告などに出ている「利回り」だけを見て判断することはできません。実際に物件を見て、修繕費がどれくらいかかるかなどを考えてみると、いまは物件価格が高すぎて手が出せないものが多くあります。オーナーさんも強気で価格交渉には応じてくれなかったのですが、物件の動きが鈍くなってきたようにも感じています。これから相場はどうなっていくのでしょうか。

「利回り」だけでは判断できない

 最近、売りに出ている中古のアパート物件の情報を見かけると、積極的に見にいっています。魅力のある物件を探して、新しい物件を手に入れたいと考えているからです。少し手を加えれば、いまのオーナーが気づいていない魅力的な物件にREBORNできるものも多いです。

 投資物件の収益性は「利回り」によって評価するのが一般的です。利回りとは、投資した金額に対してどれくらいのリターンがあるかを示した数字で、物件の家賃収入から購入価格を割ったパーセンテージで示されます。

 たとえば、物件の価格が3000万円で1年間の家賃収入が300万円だとすると、利回りは10パーセントということになります。つまり、投資した資金の10パーセントを1年間で稼ぐことができる物件だということです。

 ただ、注意しなければならないのは、ここでいう「1年間の家賃収入」が満室時を想定しているということです。実際には、空室がなく、常に満室で運営しているわけではありませんし、空室がある状態で売りに出ていても満室時の家賃収入を前提に「利回り●パーセント」と想定利回りで表示されるのです。

 また、物件価格のほかに建物の消費税・仲介手数料・取得税(建物・土地)・登録免許税(建物・土地・抵当権)・司法書士報酬・印紙税などがかかります。広告などに出される利回りはこうした経費を計算に入れない「表面利回り」であることが多いので、当然、その数字だけを見て判断するわけにはいきません。

修繕費や固定資産税などの出費も計算すべき

 当然、利回りを見るだけでなく、現地に足を運んで実際に自分の目で物件を見ます。

 たとえば、RC(鉄骨鉄筋)の住宅で、屋上にあがってみると、傷みが進んでいるのを目にしたりします。この場合、防水工事が必要になり、工事には決して安くない金額かかかります。外壁のタイル、空調や受水槽などの設備も古くなっていれば修理をするか、新しいものに入れ替えなければならないでしょう。

 そうした修繕費が数百万から数千万円もかかるとしたら、利回りがいい物件でも、投資したお金を回収するのにさらに時間がかかることになってしまいます。

 その他、固定資産税、都市計画税、火災保険、地震保険、賃貸管理費、修繕費、水光熱費など、賃貸経営にともなう出費はいくつもあります。

 つまり、物件を見る際には「入ってくるお金」より、「出ていくお金」にも注意しなければならないのです。

いまはオーナーさんが強気だけれど…

 実際、私が見た物件のなかには、どれくらいの修繕費が必要か、私なりに計算してみると、魅力的だけれども物件価格が高すぎて手が出せないというものがいくつかありました。

 そこでオーナーさんと価格交渉をしても、いまオーナーさんが強気なので、交渉には応じてもらえませんでした。

 ですが、ここにきて様子が変わってきているようです。物件が売れにくくなってきたのでしょうか。去年なら売り出した途端に売れてしまったような魅力的な物件が売れ残っているというケースを目にするようになりました。

 そういう物件は、多くの人が「値段が下がるのを待っている」でしょうから競争も激しくなりますが、ここから相場がどう動いていくのか注目しているところです。新たな物件との出会いも大家としての楽しみのひとつといえるのではないでしょうか。

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