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仲介手数料3%は払い過ぎ?

知らないとマズイ! 中古マンションにかかる仲介手数料とは? そのカラクリまで徹底解説

2017/08/24 斎藤 岳志

マイホームを購入するときには、物件価格以外にも「諸費用」と呼ばれるお金がかかります。中古マンションを購入するときにかかる諸費用のうち、無視できないのが仲介手数料です。賃貸で部屋を借りるときにも出てくる言葉なので、名前としては知っている人は多いと思いますが、そもそも仲介手数料とはどんなお金で、なぜ払わなければいけないのでしょうか。ここでは知っておくべき仲介手数料の基本と、その金額や値引き交渉の可否についてもお話しします。

そもそも仲介手数料とはどんな費用なのか?

(c)  inoumasa - Fotolia
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中古マンションを購入する際には、物件価格以外にも「諸費用」と呼ばれるお金がかかります。そのなかでも大きな割合を占めるのが「仲介手数料」です。

賃貸で部屋を借りるときにも支払う費用なので、言葉としてはご存知の人も多いと思いますが、そもそも仲介手数料とはどんな性質の費用なのか、きちんと理解して支払っている人は少ないのではないでしょうか。

 

仲介手数料とは何かを一言で言うと、「不動産の取引が成立したときに不動産会社に支払う成功報酬」のことです。

 

中古マンションの仲介とは、自宅マンションを売りたいAさんと、それを買いたいBさんの間を取り持って、売買契約の締結や物件価格の支払いなど、マンションがAさんからBさんに引き渡されるまで、一連の手続きをサポートすることです。そして、仲介手数料とは、その仲介業務の対価となります。

 

成功報酬なので、何らかの事情によってマンションの売買が取りやめになってしまえば、不動産会社は収入を得られないことになります。

逆に言えば、中古マンションを探す際には、気に入った物件が見つかって売買契約を結ぶまで、無料で物件情報を紹介してもらったり、気になる物件を案内してもらったりすることができるというわけです。

 

仲介手数料は絶対に払わないといけないの?

成功報酬としての性格をもつ不動産の仲介手数料ですが、不動産の売買をしたからといって必ず支払わなければいけないわけではありません。なかには、仲介手数料を支払わないでいいケースがあります。

 

具体的に言うと、仲介手数料を支払うかどうかは「取引態様」によって決まります。取引態様とは、売買取引における不動産会社の役割のことで、「仲介(媒介)」「売り主」「代理」の3つがあります。

 

不動産の物件広告や案内図面には、必ず取引態様を記載する欄があります。仲介手数料が発生するのは、そこに「仲介」もしくは「媒介」と記載されている場合です。

 

中古マンションの場合、売り主は個人の場合が多く、「仲介」での取引が中心になります。そのため、中古マンションを購入するときには、基本的に仲介手数料が発生すると考えていいでしょう。

 

一方、「売り主」もしくは「代理」と記載されている場合は、仲介手数料を支払う必要はありません。

売り主」と記載されているのは、不動産会社が所有している土地や建物を売る場合で、売り主である不動産会社との直接取引になります。そのため、仲介業務そのものが必要ないため、仲介手数料は発生しません。

 

また、「代理」と記載されている場合は、売り主の代理人であるケースです。新築マンション販売が代表例ですが、売り主と販売代理契約を結んだ販売代理業者が買い主と売買契約を結びます。売り主は代理業者に販売手数料を支払い、仲介手数料は発生しません。

 

仲介手数料の相場や計算方法は? 売り主も買い主も払うの?

では、仲介手数料の金額はどのようにして決められているのでしょうか。

実は。仲介手数料は不動産会社が勝手に決めているのではなく、宅地建物取引業法(宅建業法)で、その上限が決められています。

 


物件価格200万円以下の部分 → 物件価格の5%以内+消費税

物件価格200万円超400万円以下の部分 → 物件価格の4%以内+消費税

物件価格400万円超の部分 → 取引額の3%以内+消費税


 

 

複雑なように思えますが、物件価格が400万円以上であれば、仲介手数料は次の速算式で求めることができます。

 

仲介手数料の速算式(物件価格×3%+6万円)+消費税

 

仮に、3000万円の中古マンションを購入したときの仲介手数料は、「(3000万円×3%+6万円)+消費税」で103万6800円が上限となります(消費税が8%の場合)。

ポイントは、あくまでも「上限が決められている」ということなので、不動産会社の合意があれば、値引きをしてもらうことも可能ではあります。

ただ、不動産取引の商慣習上、ほとんどのケースで、買い主も売り主も上限額の仲介手数料を請求されて、その支払いに応じているのが実態と言えるでしょう。

 

仲介手数料を値引きしてもらうことは可能なの?

(c) polkadot - Fotolia
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多くの業界で料金の値下げが進んでいますが、不動産業界でこうした商習慣が残っているのは、仲介手数料は不動産会社の営業マンのモチベーションに直結するものだからではないかと私は考えています。

 

不動産会社の営業マンの多くは、歩合給で働いています。そして、その歩合は何によって決まるかといえば、「どれだけの仲介手数料を稼いだか」が基準となります。

だからこそ、営業マンとしては、仲介手数料は上限額を受け取りたいと考えるのが当然です。それどころか、無理に仲介手数料の値引きを要求すると、営業マンのモチベーションは下がってしまい、円滑に取引が進まなくなる可能性もあるのです。

 

理想の中古マンションを見つけられるかどうかは、営業マンの手腕とモチベーションにかかっていると言っても過言ではありません。

 

これは、私の個人的な考え方ではありますが、仲介手数料に見合うだけの働きをしてくれる優秀な営業マンと出会うことができたなら、お互いに気持ちよく取引ができるよう、無理に仲介手数料の値引きを要求することは避けたほうがよいかもしれません。

 

「仲介手数料が半額」「無料」のカラクリ

(図1)片手取引と両手取引
(図1)片手取引と両手取引

ただ、最近では、「仲介手数料は無料」とか「半額」といった仲介手数料の値引きを打ち出している不動産会社も出てきています。仲介手数料は不動産会社にとって利益の厳選ですが、なぜ値引きをすることができるのか、その仕組みをご説明しましょう。

 

上の図1を見てください。自宅マンションを売りたいAさんは、買い主探しを不動産会社B社に依頼します。このように売り物件を預かった不動産会社を「元付」といいます。

一方、中古マンションを探しているCさんは、物件探しを不動産会社D社に依頼します。D社のように購入希望者からの依頼を受けている不動産会社を「客付」といいます。

 

不動産会社B社(元付)が広告を出している中古マンションに、不動産会社D社(客付)が問い合わせを入れて、Aさん(売り主)とCさん(買い主)の間で売買契約が成立したとします。

この場合、B社(元付)はAさん(売り主)から、D社(客付)はCさん(買い主)から、それぞれ仲介手数料を受け取ることになります。これが、不動産仲介のオーソドックスな取引で、売り主もしくは買い主、どちらか一方から仲介手数料を受け取るので「片手取引(片手仲介)」と呼ばれています。

 

一方、元付と客付が同じ会社の場合もあります。Aさん(売り主)から自宅マンションの売却を依頼された不動産会社B社(元付)が、自社で中古マンションを探しているEさん(買い主)を見つけてくるパターンです。

この形で取引を成立させると、B社は自社だけで仲介をまかなえるので、Aさん(売り主)とEさん(買い主)の両者から仲介手数料を受け取ることができます。こうした取引を「両手取引(両手仲介)」と呼んでいます。

 

両手取引の場合、売り主・買い主のどちらからも上限の仲介手数料を受け取れば、不動産会社は大きな報酬を得ることができます。

 

(図2)両手取引で仲介手数料を割引するケース
(図2)両手取引で仲介手数料を割引するケース

ただ、前述の通り、仲介手数料については、その上限が決められているだけで、誰からいくらもらわないといけないというルールはありません。

 

ですから、「売り主からは上限額を受け取って、買い主からは半額だけ受け取る」とか、「売り主からも買い主からも半額だけ受け取る」といったこともできるのです。もちろん、「売り主からは上限額を受け取って、買い主は無料にする」といったことも可能です(図2)。

仲介手数料が無料の不動産会社は信用できる?

ですから、「仲介手数料が無料」とか「半額」という謳い文句を出している会社だから信用できない、ということはありません。取引をしっかりとまとめてくれて、仲介手数料の値引きまでしてくれるのであれば、喜んで受け入れていいいでしょう。

 

ただし、「安かろう悪かろう」で、「仲介手数料の値引きはしてくれるけれど、取引はまったく進まない」といったように、受けられるサービスの質が低下してしまうのであれば本末転倒です。また、なかには仲介手数料は値引きするけれども、ほかの名目で費用を請求してくる会社もあるようなので注意が必要です。

もし、マイナスな気持ちを抱いた場合には、その会社に仲介を依頼するのは止めておいたほうがいいでしょう。

 

仲介手数料についてチェックしておくべきポイントは?

ここまでお伝えしてきたように、仲介手数料は上限が決まっているだけで、上限さえ越えなければいくらでなければならないといけないルールはありません。

 

仲介手数料は、取引を円滑に取り持ってくれたことへの対価として支払うお金ですから、上限額であっても半額であっても、その金額に見合ったサービスを受けたと納得できるかどうかが大切と言えるでしょう。

 

繰り返しになりますが、中古マンション探しで理想の住まいと出会えるかどうかは、営業マンのモチベーションと手腕にかかっていると言えます。

担当の営業マンがどこまであなたのために動いてくれるか、どこまであなたの意向をくみ取りながら丁寧に手続きを進めてくれるかを、しっかり見きわめたいところです。

 

人生のなかで、マンションを売買するという経験は何度もあるものではありません。人生で最大の買い物のパートナーとしてふさわしいかどうか、じっくり話をして確かめてください。

もし、やり取りをするなかで違和感を抱き、信用できないと感じることがあれば、その営業マンはもちろんのこと、その営業マンがすすめてきたマンションとも縁がなかったのだと気持ちを切り替えて、すぐに別の担当者を探しましょう

 

中古マンション探しの成否は、営業マンとの出会いで決まります。あなたのために真剣に動いてくれる営業マンを見つけて、理想の住まいとの出会いを実現していただきたいと思います。

 

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