連載・トピックス / 不動産投資

カリスマ空室コンサルタントが
教える不動産投資のリアル

その部屋ならではの情報をお客様に

私の空室対策は寝袋で泊まることから始まった

2016/02/10 尾嶋健信

カリスマ空室対策コンサルタントの尾嶋健信さんが語る、不動産投資のリアルな世界。今回は、尾嶋さんの空室対策の原点となった、若かりし頃の体験を語ってもらいました。

空室対策コンサルタントは何をするのか?

「空室対策コンサルタントって、どんなお仕事なんですか?」と、ときどき質問を受けます。この場をお借りして、お答えしましょう。空室対策コンサルタントとは、賃貸マンション・アパートのオーナーさんから依頼を受け、マンション・アパートの空室が入居者で埋まるよう、さまざまな対策を考える仕事です。

 もちろん、社会人になって、いきなりこの職業に就いたわけではありません。父が病気で倒れたため、実家のアパート経営についてどこかで勉強する必要に迫られ、プロカメラマンから不動産管理会社の社員に転職したのが、いまの仕事の原点。30歳を超えてからのスタートでした。

 あれから、およそ15年。いまは全国のマンションオーナーさんに対して、おもに電話とインターネットで空室対策を指導しています。しかし、不動産管理会社の社員だった頃、私が実践していた空室対策はもっと泥臭いものでした。

部屋を知るために、まず泊まってみる

 私が入社したのは、首都圏にある、社員10人以下の小さな不動産管理会社。社員数の少ないほうが、不動産管理の仕事全般を短期間で習得できると考えたのです。

 私の思惑は的中しました。入社して1年もしないうちに、いくつものアパートを管理するマネージャーに抜擢されたのです。社長からの厳命を受けた私は、とにかく空室を埋なければなりません。

 空室を埋めるために、私が最初にやったのは、オーナーさんの許可を得て、寝袋持参で空室に泊まりにいくこと。その部屋をお客様におすすめするためには、まずその部屋の特徴をきちんと把握しておく必要があると感じたからです。

 その部屋が実際に住みやすいかどうかは、住んでみるのがいちばん。さすがにそこまではできませんが、せめて一晩くらいは泊まってみようと思いました。

 そうやってあちこちのアパートに泊まってみましたが、一晩過ごしてみると、さまざまな思わぬ発見があるものです。

商店街のすぐ裏手にあるアパートに泊まった夜のこと。実をいうと、夜8時くらいまでは騒音がけっこう気になりました。商店のBGMや買い物客の話し声が意外にはっきり聞こえるのです。ところが、どうやら閉店時間の早い商店街のようで、夜9時を過ぎると、騒音はぱったり止みました。夜、ひとりで寝袋にくるまっていると、怖いくらいに静か。それで、「ああ、夜は意外に静かで過ごしやすいんだな」とわかりました。

また、駅からちょっと離れたアパートに泊まったときのこと。夜11時くらいに急にお腹が空いてしまい、表にコンビニを探しに行くことに。すると、歩いて2分もかからないところに、深夜まで営業している小さなスーパーを見つけたのです。スーパーだから食料品は充実しているし、なにより値段が安い。駅から遠くて不便だと思っていたけど、夜遅く帰宅する人には暮らしやすいアパートだと気づきました。

部屋情報は、悪いこともすべて伝える

 私の「寝袋お泊まり作戦」で気づいたことは、よいことばかりではありません。隣の住人のドアの開閉音がびっくりするほどうるさかったり。どこの家で焚いているのか、強烈なお香のニオイに悩まされたり。近くの公園にたむろしている若者の話し声や笑い声が気になることもあれば、近くの道路を大型トラックが通るたびに建物が揺れることも……。

 そうやって発見した「その部屋ならではの情報」は、入居を検討しているお客さまに、できるだけ正確に伝えようと思いました。もちろん、よいことだけでなく、悪いことも。特に、申込書の住所欄に、都道府県名から部屋番号まできちんと記入するような几帳面な人には、デメリットはかならず伝えるように営業マンにお願いしました。

 デメリットをきちんと伝えることで、会社とお客さまとの間に信頼関係が生まれます。そして信頼関係が生まれれば、今度お客さまにとってメリットのある物件を提案したとき、かならず興味を持っていただけます。そうやって、私は地道に1部屋ずつ、空室を埋めていきました。

 どんな不動産物件にも、魅力もあれば、弱点もある。それをお客さまに誠実に伝え、理解してもらうことがなにより大切なのだ。それが、寝袋作戦を通して、私が学んだこと。いまでも、私の空室対策の原点になっています。

<< 前の記事 次の記事 >>

講師に感想や読みたい記事のリクエストを伝えよう

注目の講師

住まいの大学 書籍のご案内
HOME4U