連載・トピックス / 不動産投資

だから大家はやめられない!

利回りは賃貸経営の3倍以上!

稼働率90%! 現役大家だからわかった民泊で成功する3つの秘訣

2016/10/25 林 浩一

Airbnbに代表される「民泊」をめぐる状況が変わり始めています。すでにたくさんの個人投資家や企業が参入し、競争が激しくなっています。私の体験から学んだ、これからの民泊で成功するために必要なことをお伝えしたいと思います。また、取り締まりの例が増えてきていることも忘れてはなりません。これからの民泊は、簡易宿所の営業許可を取って運営するというのがひとつの流れになりそうです。

Airbnb が日本に上陸して2年半

Airbnb(エアビーアンドビー)が日本に上陸して、そろそろ2年半がたとうとしています。自宅の部屋を旅行者に提供することが本来の目的だったのですが、いまではすっかり不動産投資のひとつとして認知されています。すでにたくさんの投資家たちが参入して、大きな利益を出している人もいるようです。「空室リスク」に頭を悩ませている大家にとって、旅行者や短期滞在客に部屋を貸して利益をあげることができる民泊サービスは、とても魅力あるものといえるでしょう。

ただ、日本においてはまだまだ法整備が追いついておらず、グレーゾーンが大きいのが実情です。実際に旅館業法違反で取り締まりを受けている例も多く出てきています。何よりも、利用者のマナー違反や、近隣住民とのトラブルなどのマイナス面がクローズアップされており、私は積極的に取り組もうとは思いませんでした。

そんななか、私の大家仲間のひとりに、都心のマンションの一室を「好きに使っていいよ」と言ってくださる方がいて、勉強のためにその部屋で民泊サービスを行ってみることにしました。

20数平米の手狭な部屋でしたので、どうなるか不安もありましたが、フタを開けてみると思った以上に順調でした。料金は1泊7000円に設定していたのですが、約半年の期間でほぼ90%くらいゲストで埋まりました。賃貸契約で得られる家賃と比べると、利回りは3倍くらいになります。

民泊と賃貸経営はまったくの別物だった

なぜうまくいったのかを分析してみると、都心という「立地のよさ」が何よりの勝因だったと思います。私の大家仲間で千葉県の物件で民泊を始めた人がいましたが、「いろいろ手を尽くしたけど、ゲストを集めるのが大変だったよ」と言ってすぐに止めてしまいました。

ただ、大田区の羽田空港に近い物件で民泊を始めた別の大家仲間は、別の理由で民泊を断念していました。「立地がいいからゲストは簡単に集まったけど、鍵の受け渡しや退去後の掃除など、思っていた以上に手間がかかって大変だった」というのです。

私は海外旅行業界とホテル業界で働いたことがありますので、そうした手間はそれほど苦になりませんでしたが、これを「大変」と感じる人は多いかもしれません。部屋の管理を代行業者に任せる場合は、コストもそれなりにかかりますし、まだまだ代行業者自体が未熟で、サービスの質にかなりのばらつきがあるようです。ですから、業者選びは慎重にならなければなりません(ちなみに私の場合、掃除などは自分だけでなく、友人にも頼んで行っていたのでそれほど大変だと思わなかったのかもしれません)。

要するに、民泊サービスは入居者さんから家賃をいただく通常の大家業とはまったく別の性格の仕事だということ。大家さんが、「空いた部屋を何とかしたい」と賃貸経営の延長線上で考えて参入するだけでは、成功するのはむずかしいように思います。そのことがわかっただけでも私にとっては大きな収穫でした。

これから民泊で成功するために大切なこと

ただ、私が今後も民泊ビジネスを続けていくかというと、実はそこまで考えているわけではありません。というのも、民泊に参入する人たちが法人・個人ともに増えた現在、競争が激しくなっているからです。

集客サイトを覗いてみると、1~2年前は素人が携帯などで撮った写真が掲載するのも当たり前でしたが、最近ではどこもプロが撮影したきれいな写真ばかりです。しかも、家具やインテリアも充実していて、一流ホテル並みとはいえないまでも、かなりクオリティの高い部屋がほとんどなのです。

これを見て、ある投資家さんのことを思い出しました。以前、私が講演したセミナーに参加してくれた女性が、私に大家業についてのアドバイスを求めにきたことがありました。その女性は自信なさげに「大家業って、むずかしいですね」とこぼしていましたが、そんな彼女もいまは民泊利用の部屋のコーディネーターとして成功しています。

確かに彼女がコーディネートを手掛けた部屋を見せてもらうと、素晴らしい部屋ばかりでした。家具は高級なものではなく、IKEAなどで購入した普通の価格の家具でしたが、配置や色使いなどのセンスで見違えるようになるんですね。それを考えると、民泊で成功するには大家業とはまったく別の努力や才能が必要だということをしみじみ感じたのです。

こうした体験から私が感じたのは、これから民泊で成功するためには、

・立地
・清掃など部屋の管理
・快適な部屋をつくるセンス


の3つがこれまで以上に重要になってくるはずだということです。つまり、賃貸経営と同じく、競争力が必要なのです。

これからは簡易宿所として許可を取った上で営業する流れに

最近は、建物1棟を買い取って簡易宿所として正式に許可を取った上で、運用を始めている人もいます。旅館業法では、

(1)ホテル営業
(2)旅館営業
(3)簡易宿所営業
(4)下宿営業


の4つの営業形態が定められています。簡易宿所営業とは、「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のもの」(旅館業法第2条第4項)をいい、民宿やゲストハウスがこれに当たります。

もちろん、許可を取るには、過去3年間に旅館業に違反したり、旅館業法の許可の取り消しを受けていたりしていないことのほかに、設置場所や施設の設備構造にもルールがあり、それらの規定を満たしている必要があります。ですが、これからの民泊営業は簡易宿所の許可を取った上で行うというのが大きな流れになりつつありますので、民泊をやるのであれば許可を取ることを検討してみるといいのではないでしょうか。成功すれば大家業よりも効率よく利益をあげられる可能性は少なくないでしょう。

私はやはり大家業が大好きですし、これからもいろいろなことを大家として試していきたいと思っていますので、民泊に積極的に取り組んでいこうとは思っていません。そんなわけで、今後も大家業を極めるべく、努力を続けていきたいと思います。

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