連載・トピックス / 不動産投資

日本一楽しい!「空き家問題」研究所

家賃収入がいくらになったら考えるべき?

空き家投資が軌道に乗ってきたら考えたい、税金と法人化のこと

2016/09/15 高橋 洋子

空き家投資が軌道に乗ってきたら、お小遣い稼ぎや副収入を得るという感覚から事業へと発展させていく段階がくるかもしれません。個人事業主として青色申告をする、さらには法人化することで、税金面でのメリットを受け取ることができます。そこで今回は投資から事業へ発展させるタイミングについてお伝えします。

5戸所有したら、事業規模になる! 

空き家を活用を大きな事業にすることも可能

 空き家投資が軌道に乗ってきたら、お小遣い稼ぎ、副収入を得るという感覚から事業へと発展させていく段階がくるかもしれません。法人化するめどは、不動産投資が事業規模と認められる段階、5棟10室の物件を所有していること。一戸建ての場合は1戸が2室に換算されるため、5戸所有したのがひとつの目安となります。

 また、法人化までしなくとも、個人事業主という形で事業化することもできます。その場合、青色申告で確定申告をすることがおすすめです。そのためには、まず「個人事業の開業・廃業届出書」を開業から1カ月以内にお住まいのエリアの税務署に提出すること。そして、青色申告をする年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。

青色申告のメリットは?

 青色申告を行なうことで大きく3つのメリットを享受できます(税制上の特典はほかにもありますが、詳しくは専門書などを参照してください)。ひとつは、青色申告を行なう際に、複式簿記で帳簿をつけることで、65万円控除が受けられること(簡易な帳簿づけをすることで10万円控除を受けることもできます)。

 ふたつ目は、セミナー参加費や物件の内覧にかかった交通費、大家さん仲間との接待交際費といった間接的な経費も計上できること。

 3つ目は、家族を従業員にして給料を払い、所得を分散することで節税することができます(実際に支払う給料に見合うだけの仕事をしてもらうことが前提です)。

 複式帳簿というと、大変とかむずかしいというイメージがあると思いますが、会計ソフトを使えば想像よりも簡単にできるはずです。まずは個人事業主としてやってみて、事業が軌道に乗ってきたら、さらに法人化をすることを検討してみてもいいでしょう。

減価償却について理解しておこう

 ただ、築古の空き家の場合、減価償却費が多く出て、修繕費も経費に当てられるため、最初から税金対策を考えて法人化する必要はないものかもしれません。

 減価償却とは、住宅などの固定資産の取得にかかった費用を、その資産が使われる期間にわたって費用として計上していくことです。

 たとえば、5000万円で投資用の住宅を購入した場合、購入した年に5000万円すべてを費用として計上してしまうのではなく、法律で定められた耐用年数に応じて、分割して計上していくことになります。たとえば耐用年数が20年であれば、5000万円を20年で分割して費用として計上するのです(厳密な計算方法ではありません。正しくは法律で定められた計算方法がありますが、ここではわかりやすさを優先して、このように解説しました)。

 減価償却のメリットは、お金の支出を伴わずに経費を計上できることです(実際には、購入時に購入代金として支払っています)。税金は、収入から経費を差し引いた利益(個人事業の場合は「所得」といいます)にかかります。たとえば、家賃収入が100万円で減価償却費が50万円であれば、減価償却費分の50万円はお金の流出を伴わずに経費として計上できるので、その分の資金を手元に残したまま節税ができるのです。

 なお、土地は減価償却できず、建物のみ、経費として1年ごとに減価償却費を計上できます。償却期間は建物の耐久性に応じて異なります。

 ちなみに中古住宅の場合は、「減価償却期間=(耐用年数―経過年数)+経過年数×20%」で求めます。耐用年数が過ぎている場合は、「耐用年数×20%」となります。また、木造で耐用年数を超えている場合は、「22×20%=4年」となります
(2年以上の場合、端数は切り捨て)。

所得が少なければ法人化を急ぐことはない

 個人の場合の所得税は、累進課税といって、所得に対して段階的に税率が上がっていきます。たとえば、所得が195万円以下なら税率は5%ですが、195万円超~300万円以下で10%と倍増し、900万円超~1800万円以下で33%。4000万円超となると45%と半分近くが税金になります。

 それに対して法人の場合、400万円以下は、実質税率は約21%、400万円超~800万円以下で約23%、800万円超で約36%です(※法人税には地方税が含まれ、地方税は自治体ごとに税率が異なります。この数値は東京都の一例)。

 そのため、所得が少ないうちは法人化を急ぐことはありません。空き家の活用がおもしろくなり、所有する物件の数が増えてきたら、今回触れたように税金面でも何か工夫できる点はないか、対策を練りたいものです。

<< 前の記事 次の記事 >>

講師に感想や読みたい記事のリクエストを伝えよう

注目の講師

住まいの大学 書籍のご案内
HOME4U