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なかには居住者が立ち退かないケースも

競売物件投資で大儲け! は本当にできるのか?

2016/05/11 尾嶋健信

物件を安値で入手できれば、それだけ大きな利益を上げられる確率が高くなります。競売なら、市場価格よりはるかに割安な価格で物件を購入できることも少なくありません。とはいえ、大きなリスクがあるため、素人には手が出しにくいのも事実です。ここでは、競売物件のメリットとリスクについて解説します。

格安物件を入手すれば利益は大きい

 競売物件投資とは、民事執行法に基づいて競売にかけられた不動産物件を落札し、その物件を売却するか、あるいはその物件で賃貸経営を行なうことで利益を上げる投資手法のことです。

 一般の人は、競売そのものに馴染みが薄いと思いますので、簡単に説明しておきましょう。

 不動産物件が競売に掛けられるのは、その不動産の所有者が住宅ローンなどの借金を返済できなくなった場合がほとんど。その場合は、金融機関や保証会社などの債権者が裁判所に競売申し立てを行ない、その申し立てを裁判所が認めれば競売開始を決定します。

 物件を差し押さえた後、執行官と評価人により不動産現況調査と売却基準価格の決定が行なわれ、競争入札で落札者を決定する、というものです。

 また、競売とよく似たシステムに、国税徴収法に基づく公売があります。

 公売とは、不動産の所有者が相続税や固定資産税を滞納した場合、国税局または税務署が税金を回収するため、差し押さえた不動産物件に対して、競売と同じように競争入札を行なうこと。

 競売にしても、公売にしても、市場価格よりはるかに割安で落札できることが多く、不動産物件を破格値で購入できることも少なくありません。不動産物件を安値で入手できれば、その後の売却または賃貸経営で、それだけ大きな利益を上げられる確率が高くなります。これが、競売物件投資の最大のメリットです。

 競売・公売情報はインターネットでも公開されているため、保証金を支払えば、誰にでも入札できるというメリットもあります。

 ちなみに保証金の金額は、競売の場合は最低入札価格の2割以上、公売の場合は見積価額の1割以上。落札できなかった場合は後日返還されます。

落札者は法的に保護されないためリスクも大きい

 逆に、この競売物件投資のデメリットは、不動産投資初心者が手を出すには、リスクがきわめて大きいこと。競売物件は、一般に販売されている不動産物件に比べて、契約者(購入者)は法律的にほとんど守られていないのです。

 たとえば、一般の不動産市場に流通する物件であれば、宅地建物取引業法の適用を受けます。この法律により、不動産購入希望者は販不動産業者から物件案内や重要事項の説明を受ける権利があり、事前に内覧もできるし、物件に瑕疵があった場合は売り主が瑕疵担保責任を負います。

 カギの引き渡しも、物件の引き渡しも、販売する不動産業者の責任において行なわれます。このように、購入者は消費者として、手厚く保護されているのです。

 ところが、競売物件を購入(落札)する場合、これらの法的保護は一切受けられません。民事執行法に基づき、すべては自己責任になります。物件に関して説明や案内を受ける権利はなく、基本的に内覧もできません。カギの引き渡しも、物件そのものの引き渡しも、すべて落札者が元の所有者と直接交渉しなければなりません。

 最大のネックは、誰も瑕疵担保責任を負わないこと。つまり、落札したあとで物件に重大な欠陥やトラブルが見つかっても、どこにも文句はいえないのです。

サラリーマンが片手間に行なえるものではない

 競売物件が公告される場合、裁判所は「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」のいわゆる「3点セット」を公開していますが、それらから情報を読み取るのは、素人にはむずかしいでしょう。

 事実、落札した後で、不動産物件に重大な欠陥が見つかるケースはけっこう多いようです。たとえば、建物の基礎部分が老朽化やシロアリ被害でボロボロになっていたり、水道管が老朽化していて、漏水被害が発生したり。なかには、元の居住者がいつまでも立ち退かないなど、人的トラブルにまで発展するケースもあります。

 こうしたさまざまなトラブルが発生すると、個人の投資家としては、もうお手上げ。つまり競売物件投資は、サラリーマンが片手間に行なえる投資ビジネスではないということです。

 競売物件を現実のビジネスに結びつけているのは、専門の不動産業者ばかり。一般の人は手を出さないほうが無難です。

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