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「頭金ゼロ」でラクラク家を買う方法

「ペアローン」「連帯保証」「連帯債務」について知っておこう

融資額を無理なく増やせる! 「収入合算」で住宅ローンを上手に利用する方法

2016/09/20 牧野寿和

頭金ゼロの場合、希望の融資額に届かないケースも考えられます。たとえば、3000万円の物件の購入を考えた場合、頭金が500万円あれば2500万円の融資を受けることになりますが、頭金がゼロであれば3000万円の融資が必要になるからです。そんな場合の打開策として、「収入合算」という方法をご紹介します。

もしも希望の融資額に届かなかったら…

 頭金ゼロでローンを組む場合、希望の融資額に届かないケースも考えられます。たとえば、3000万円の物件の購入を考えた場合、頭金が500万円あれば2500万円の融資を受けることになりますが、頭金がゼロであれば3000万円の融資が必要になるからです。

 もちろん、融資額は無理なく返済できる額に抑えるのが大前提ですから、希望の融資額に届かなければ、その物件の購入はあきらめなければならないということになってしまいます。

 ですが、その打開策として「収入合算」という方法があります(金融機関によって対応しているところと、していないところがあるので確認が必要です)。

 収入合算とは、主となる債務者の収入に、ほかの人の収入を合計して借入可能な額を増やす方法です。ここでいう「ほかの人」とは、同居している配偶者や親子(義理の親子関係も含む)のことを指します。

 収入合算で住宅ローンを借りる方法は、大きく分けて「連帯保証」「ペアローン」「連帯債務」の3種類があります。厳密には、ペアローンも連帯保証の一種になります。夫婦の場合を例に、3種類の方法を説明していきましょう。

返済の責任を保証する「連帯保証」

 夫婦のどちらかが主債務者、もう一方が連帯保証人となって、返済が滞った場合には連帯保証人が債務者と同等の義務を負って、返済をしていく方法が「連帯保証」です。

「連帯保証」は、ふたりの収入を元に借入可能額を計算するため、融資枠が広がります。 連帯保証人は物件の持ち分を保有する(名義人になる)必要はなく、団体信用生命保険へ加入することもできません。もちろん住宅ローン控除を受けることもできません。

 つまり、連帯保証人は返済の責任を保証するだけで、何の権利も主張できないため、 申し込みは慎重に検討する必要があります。特に離婚の際の財産分与などで、トラブルになることも多いので十分な注意が必要です。

夫婦で2本のローンを組む「ペアローン」

 同じ「連帯保証」でも、ひとつの物件に対して、夫婦それぞれがローンを組む、つまり合計で2本のローンを組む方法が「ペアローン」です。

 夫婦それぞれの収入に対して借入可能額が計算されるため、ひとりでローンを組むより、借りられる額は増加します。支払った額に応じて持ち分を設定することになり、返済義務は夫にも妻にも発生します。

 気になる住宅ローン控除ですが、ペアローンの場合にはそれぞれの借入金額に応じて、別々に受けることができます。また、団体信用生命保険は両方が加入者となり、万が一の場合には、亡くなった人が組んでいたローンの返済義務だけが免除となります。

「ペアローン」を申し込むためには、申込者に収入があり、同居していることが原則ですが、どちらかが単身赴任の場合でも利用できます。デメリットとしては、2本のローンを契約することになるため、事務手数料や印紙代などが通常の契約の2倍かかることです。

借りた全額をふたりで背負う「連帯債務」

 ひとつの物件に対して、夫婦ふたりで1本のローンを組む方法が「連帯債務」です。

 ふたりの収入の合計額を元に、借入可能額が計算され、夫婦それぞれが借りた全額に対して債務を負うことになります。「ペアローン」と同様に、夫婦それぞれの持ち分を設定し、それに応じた住宅ローン控除を別々に受けることができます。

 しかし、団体信用生命保険は主債務者にしか適用されないため、主債務者ではない夫なり妻なりが亡くなった場合、その分のローンは免除されず、遺された人がすべての債務を引き継ぐことになります。そのため「連帯債務」を選ぶなら、主債務者でない人は生命保険や団体信用生命保険への任意加入などを検討することをおすすめします。

 ちなみに、連帯債務については、財形住宅融資や【フラット35】で取り扱っていますが、民間住宅ローンでは一部に限られています。

【フラット35】を提供する住宅金融支援機構には、夫婦で加入できる「デュエット」という団体信用生命保険があり、夫婦のうちどちらか一方の加入者が死亡または高度障害状態となった場合、ローンは全額免除されます。など、保険料はふたりで加入しても、ひとりで加入する場合の1.56倍と割安になります。

 今回ご紹介した収入合算という方法を賢く活用して、満足できる住まい選びに役立ててください。

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