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賃貸でもできる!住まいの簡単DIY


カッティングシートやフロアマットが大活躍!

賃貸一戸建てをDIYリノベーション! たった15万円でキッチン、寝室など丸ごと再生したテクニックとは?

2017/06/08 嶋崎都志子

東京都品川区で、オフィス兼住居として賃貸一戸建て住宅を借りているSさんカップル。DIYアドバイザーとして築古物件をリノベーションしてきた実績を認められ、大家さんから「好きにしていい」というお墨付きをもらったSさんは、DIYでのリノベーションに取り組みました。キッチンのタイル貼り、フロアマットを使った床貼り、トイレの壁塗りや寝室と玄関の壁紙張替えなど、簡単にできて効果大のDIYテクニックをご紹介します。

賃貸の一戸建てをDIYでリノベーション


■プロフィール

Sさんカップル/年齢:40代カップル/お住まい:東京都品川区/賃貸一戸建て(3K)

■DIYで施工した内容

キッチンタイル貼り、キッチン床貼り、キッチン収納扉のカッティングシート貼り、寝室と玄関の壁面壁紙、トイレ壁左官作業(漆喰)、ベランダウッドデッキとラティス目隠し、建具アレンジ取り付け、など。

■予算

15万円(洗面台の購入代金を除く)


 

 

今回ご紹介するのは、東京都品川区にオフィス兼住居として賃貸一戸建て住宅を借りている40代のSさんカップルのDIY事例です。

 

Sさんのお仕事はDIYアドバイザー、Sさんのパートナーは地元の活性化に取り組む実業家です。Sさんは、パートナーの仕事をサポートしつつ、DIYアドバイザーとして活躍しています。

最近では、不動産屋とタッグを組んで、DIYの知識を活かしたリフォームやリノベーションによって、築古物件に付加価値をつけて再生させる仕事をしているそうです。

 

今回、そんなおふたりが住む家へ取材に伺いました。

築40年以上の古くて小さな一軒家が、DIYのアイデアにあふれた空間として演出されていました。その魅力をこれからお伝えします。

 

大家さんにセンスを認められて「自由にしていい」というお墨付き

以前は、いまの物件の近くにあるビルの一室を借りていたというSさん。広いワンルームのような空間は、たくさんの仕事の資料や自分たちの荷物であふれかえっていたといいます。

昨年、諸事情により新しい住居を借りなくてはなり、家探しを始めたSさんが出会ったのがいまの一軒家でした。

 

さきほども触れたように、もともとSさんは、近隣の築古物件をいくつかリノベーションして再生してきました。そのSさんのセンスを認めた大家さんが、自分の持ち家である一軒家を貸してくれることになったのです。しかも、Sさんの自由にしていいというお墨付きです。

 

3K(6畳3間)の一軒家とはいえ、以前の住まいと比べるとだいぶ手狭になったそうです。そのため、オフィス兼住居をいまの一軒家に移すには、大量の荷物の処分を迫られたということでした。

 

DIYとの出会いはハローワークで紹介された職業訓練校で

Sさんが、DIYアドバイザーという職業に出会ったのはいまから10年前のこと。子育て中の専業主婦だったSさんが、仕事を探しにハローワークへ出向いたことがきっかけでした。

ハローワークで紹介された職業訓練校にはDIYアドバイザー科があり、Sさんはそこでものづくりや修繕を学んだそうです。Sさんは、学生時代にプロダクトデザインなどを学んでいたため、相性の良い学科だったといいます。

 

始めた当初は素人同然、失敗も多かったそうですが、その失敗があったからこそ、いまでは段取りよく作業を進められるようになったそうです。

たとえば、室内の作業を行なう際には、「天井→壁→床」の順番で行なうのが基本です。

床の作業を先に進めてしまうと、せっかく綺麗に貼った床に天井作業の埃やゴミが落ちてしまって、掃除が二度手間になるからですが、最初はそれも知らなかったといいます。

 

職業訓練校を卒業した後は、DIY番組の裏方を務めたり、地元のリノベーション事業に携わったりすることで、Sさんは、徐々に経験値を増やしていきました。

 

狭い家に引っ越してライフスタイルが変わった

いまの一軒家を借りることが決まって、Sさんがまず作業したのは、

 

・キッチンの床と壁のタイル貼り

・洗面台の交換

・トイレの壁の漆喰とタイル貼り

 

でした。

 

これらの作業は、物が置かれる前のほうがやりやすいので、引越し前に作業するのがおすすめということです。

一方、DIYでやるには、なかなか作業がむずかしい浴室のカビ取り、配管清掃などは専門業者に依頼しました。

 

実際に引っ越しすると、Sさんにとって狭い空間に住むのは意外にも心地良かったといいます。

広い家では、置き場所があるがゆえに、あまり考えずに購入していた雑貨なども、”本当に必要なのか?”と常に吟味して選ぶようになり、ライフスタイルそのものが劇的に変わったのだとか。

さらに、広い空間だからこそかかっていた電気代や、掃除の労力も減るというおまけもついてきたそうです。

 

子どもの頃から、新しい素材よりも、古い木材のキズや曲がってしまった風合いに惹かれたというSさん。日々、狭さと古さを楽しみながら、どうしたら快適に過ごせるのか、手元にある材料でどんなことができるかを考えながら、週末ごとにDIYで住まいを変えていく楽しみがあるそうです。

 

DIYの達人に学ぶ! 部屋がガラッとかわるDIYテクニック

Sさんが、実際に行なったDIYリフォームのうち、簡単にできて、簡単にお部屋が素敵に見えるDIYを教えていただきましたので、ご紹介します。

DIYアドバイザーであり、インテリアスタイリングの眼も持つSさんのセンスやテクニックは、DIYに興味がある人にとっては、大いに参考になるのではないでしょうか。

 

<1>床張り作業/フロアタイル

ビンテージウッド風の木目のフロアタイルで生まれ変わった床
ビンテージウッド風の木目のフロアタイルで生まれ変わった床

キッチンの床は痛みがひどかったので、一度、コンパネと呼ばれるベニヤ板を床に敷きつめました。さらに、古い物件に合うようにビンテージウッド風の木目のフロアタイルを両面テープで敷きつめています。

 

フロアタイルは、厚さが3〜4mmと薄いので、ドアの開閉を邪魔することもありませんし、カッターを使って簡単にサイズ変更ができるので、初心者にもおすすめのアイテムです。

 

<2>キッチンタイル貼り/モザイクタイルと長方形タイル

もともとは白いキッチンパネルが貼られていたけれど…
もともとは白いキッチンパネルが貼られていたけれど…

もともとキッチンには、白いキッチンパネルが貼られていましたが、その上から両面テープを使って、長方形の深いグリーンのタイルを目地なしで貼りつけました。

ブチルゴム系の両面テープを使うとしっかりと貼ることができます。

 

 

長方形の深いグリーンのタイル、細かいモザイクタイルを貼って雰囲気を一新
長方形の深いグリーンのタイル、細かいモザイクタイルを貼って雰囲気を一新

コンロ周りや、そのほかの部分には細かいモザイクタイルを貼って、単一なデザインにならないようにしています。

キッチン収納の扉には、タイルの色味に合わせて、ベージュのカッティングシートを貼りました。

 

<3>洗面所の入り口/開き戸から引き戸へ

滑車金具を使って開き戸を引き戸にリフォーム
滑車金具を使って開き戸を引き戸にリフォーム

狭い空間のなかでは、開閉のためにスペースを取ってしまう開き戸は邪魔なものです。

そこで開き戸を引き戸に変えました。具体的な作業内容としては、まず扉を外して滑車金具を取り付け、ドア枠には引き戸用レールになる工作材を設置しています。

 

洗面所の左右にあったトイレと浴室のドアは取り外してしまい、オールインワンタイプのサニタリールームにしたことで、空間が広く使えるようになりました。

 

トイレと浴室のドアを取り外してールインワンタイプのサニタリールームに
トイレと浴室のドアを取り外してールインワンタイプのサニタリールームに

<4>寝室/壁紙、ヘッドボードなど

寝室の壁紙は大胆に。ベッドのヘッドボードは「すのこ」を再利用
寝室の壁紙は大胆に。ベッドのヘッドボードは「すのこ」を再利用

寝室は、プライベートな空間だからこそ、大胆な柄の壁紙を貼って楽しむことができます。

壁にミラーを飾れば、部屋に奥行き感が出るのと同時に、わずかな自然光を拡散して部屋を明るくしてくれる役目もあります。

これは、DIY初心者にも簡単にマネができるアイデアです。

 

ベッドのヘッドボードには、以前住んでいた部屋で使用していた“すのこ”を利用しました。

 

<5>階段/靴収納

階段の蹴上げ板を外して収納スペースを確保
階段の蹴上げ板を外して収納スペースを確保

玄関前にある階段の蹴上げ板を外して、狭い玄関の靴箱に収納しきれなかった靴や靴磨きセットなどをしまえる収納スペースにしています。

蹴上げ板は、金槌で叩き、クギドメ部分が緩んだ隙間にバールを差し込んで外します。この収納スペースですが、ときには飼い猫の隠れ家になることもあるとか…。

 

Sさんが自宅をDIYでリノベーションしたのは、単にDIYが好きで得意だったからというだけではありません。自分たちで作業することで、リノベーションにかかる予算を最低限に抑えたかったというのも本音です。

 

ちなみに、いまの住まいのリノベーションにかかった費用は15万円程度に抑えることができたそうです(洗面台の購入代金は除く)。材料の購入は、主にネットショップを利用しつつ、お気に入りの輸入壁紙専門店や大型インテリアショップに出向くことで、できるだけ出費を抑えています。

 

仕事ではないので、一気にリノベーションする必要はありません。

そのため、実際に暮らしながら、「ここの壁にはこんな色合いがいいな」とか「ここに取っ手があったら便利だな」など、思いついたときに作業できるのがDIYの良さだと、Sさんが話してくれました。

時間をかけて全体のバランスを見ながら、少しずつスパイスを加えて、自分たちらしい家に仕上げていくのが楽しみだと言います。

 

住み始めて1年以上が経っていますが、DIYのアイデアは次々と浮かんでいるようです。

次は、リビングに続く小さな庭に、ウッドデッキをつくって、アウトドアリビングのように使えるようにしたそうです。狭いながらも窮屈さを感じずに、友人や仕事仲間を招いて食事ができるスペースにしたいと話してくれました。

 

本来は棚受け金具として使われるアイアン金具で窓辺を演出
本来は棚受け金具として使われるアイアン金具で窓辺を演出

素材を眺めているうちに、本来とは違う使い方のアイデアが湧いてくるのもDIYならではの魅力です。

たとえば、本来は棚受け金具として使われるアイアン金具は、窓枠の四方に取り付けたことで、曲線美のある窓辺を演出することができます。

 

襖紙が貼られていた引き戸も取っ手をつけて和洋折衷の引き戸に
襖紙が貼られていた引き戸も取っ手をつけて和洋折衷の引き戸に

襖紙が貼られていた引き戸は、紙を剥がして板面の風合いを残し、お気に入りの取っ手をつければ、和洋折衷の引き戸に生まれ変わります。

 

固定観念にとらわれず、自由に素材や金物を使うコツをつかんでしまえば、いくらでもアイデアが生まれてくるのです。

 

失敗したな、不揃いになってしまったな…と思っても、色を塗ったり、使い方を変えたりすることで活かせるのがDIYです。壁に鏡をかけることからでもかまいません。

 

まずは初めの一歩を踏み出して見ませんか?

きっと自由で楽しい家づくりができるようになりますよ。

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