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住まい探しの知恵と事実

失敗した人の9割は「もっと調べればよかった」と思っている!?

資金計画から物件選びまで。中古マンション購入で、絶対に後悔しないための120のチェックリスト

2017/06/13 菅 正秀

中古マンション購入のメリットのひとつは、実際に物件を見てから購入できるという点です。でも、買い急いでしまって「もっとよく調べておけばよかった」と後悔する人も少なくありません。そこで、中古マンション購入で後悔しないためのチェックポイントをまとめました。チェックリストには120のポイントを集めています。これをすべてクリアしなければならないわけではありませんが、ご自身の目で確かめて、納得した上で中古マンションを購入していただければと思います。

「実際に部屋を見てから購入できる」というメリットを生かそう

中古マンションは新築マンションと違って、購入する際にその部屋を実際に見ることができるのが大きなメリットです。

売り主から住み心地や部屋の状態について話を聞くこともできますし、完成してしばらく経っているので、建物にトラブルがあれば改善されているケースもあります。

 

また、「マンションは管理を買え」は金言として知られていますが、新築マンションは完成前に購入することになるため、日々の管理やメンテナンスなどが、どの程度の実効性を持ってなされるのか判断がつきません。その点、中古マンションなら管理の実態を把握することが可能です。

 

このように中古マンションは、購入前に事前確認できる点が数多くあります。チェックすべきポイントを学び、労力さえ惜しまなければ、新築よりも後悔のない物件選びができるのです。

 

ここでは、

・不動産会社への依頼

間取り・広さ・リフォーム性

・設備・共用部分

・耐震性・長期修繕計画

・立地

・管理

・資金計画

という7つの柱を基に、中古マンション購入にあたって注意すべきポイントを見ていきましょう。

 

120のチェックリストをダウンロードしてみよう

具体的な解説に入る前に、中古マンション購入で後悔しないための「120のチェックリスト」をPDFファイルにまとめましたので、ダウンロードしてぜひ活用してください。

 

↓↓ダウンロードはこちらをクリックしてください↓↓

後悔しないための120のチェックリスト

 

チェックリストのなかには、個人で調べるのには少し手間のかかるものもあります。その場合、リスクを回避するための〝必要経費〟と考えて、住宅のプロに調査を依頼するというのも一考です。

 

「不動産会社への依頼」で注意すべきポイント

中古マンションを探すときは、インターネットの不動産ポータルサイトを利用する不動産会社を訪問して紹介してもらうといった方法があります。

いずれの方法で探すにしても、理想の物件と出会うために大切なのは、信頼できる不動産会社を見つけることです。しかし、ポータルサイトで情報を見たり、街中で会社の外観を見たりしても、どんな不動産会社なのかわかりません。

 

また、不動産会社選びと同様に重要なのが営業マンとの出会いです。

中古住宅選びの成否は、信頼できる営業マンと出会えるかどうかで決まるといっても過言ではありません。

 

では、信頼できる不動産会社、営業マンはどうやって見つければいいのでしょうか。

 

 

●契約を急がせる不動産会社に注意

まず、物件の見学後、契約を急がせるような不動産会社は注意したほうがいいでしょう。良心的な不動産会社であれば、お客さまのことを思って、条件の近いほかの物件も積極的に紹介してくれるはずです。

 

その際、あなた自身の希望が明確になっていないと、不動産会社のほうでも、どんな物件を探せばよいか迷ってしまいます。どれくらいの予算で、どんな立地や間取りを望んでいるかなど、希望の条件を営業マンにきちんと伝えられるように整理しておきましょう。

 

 

●わからないことはすぐ調べてくれるか?

また、建物などについての知識が豊富かどうかにも注意しましょう。チェックリストにあげた「間取り・広さ・リフォーム性」「設備・共用部分」などについて質問したときに、はっきりとした返答をもらえるかどうかを見ておきましょう。

もちろん、不動産会社としても、すべての物件について熟知しているわけではありませんから、わからないことはわからないとはっきり答えてくれることも必要です。そして、不明な点については小回りよく、すぐに調べてくれるかどうかが大切です。

 

特に「管理」の状況などは、自分で調べるのはなかなか大変です。不動産会社経由で問い合わせてもらったほうがいいでしょう。そうした際に嫌な顔をするようなところは、できれば避けたいところです。

 

マンション購入後に後悔した人の声としてよく聞くのは、「もっとよく調べてから決めればよかった」というものです。ある物件が価格に対してお買い得なのか割高なのかは、複数の物件を比較検討しないと判断つきませんし、その際には建物等の知識も必要になります。

 

それゆえに、信頼できる不動産会社選びが中古マンション選びの第一歩といえるのです。

 

「間取り・広さ・リフォーム性」で注意すべきポイント

 

●間取りと広さのどちらを優先するか

同じくらいの広さや間取りでも、部屋によって住み心地は違ってきます。極端な例ですが、同じ3LDKのマンションでも50m2の部屋と100m2の部屋はまったく違いますし、同じ50m2の部屋でも3LDKと2LDKではやはり違います。

 

一般に広いLDKの間取りが人気ですが、そのぶん部屋数は少なくなりがちです。子どもが男の子と女の子で、それぞれに部屋を持たせたいといった場合は、一部屋の広さよりも、部屋数を優先する考えもありでしょう。

 

また、同じ専有面積でも、柱や梁(はり)があるかないかで、広く感じたり、狭く感じたりします。天井高によっても、圧迫感や開放感が違ってくるのでよく見ておきましょう。

 

 

●いいところだけでなく、悪いところも見る

不動産会社の担当者は見学の際、その物件のいいところを強調するかもしれませんが、いいところも悪いところも見た上で、慎重に検討しましょう。

たとえば、一般に採光性のよい南向きや窓の大きい物件がいいと思われがちですが、夏の暑さを考えると必ずしも住み心地がよいとは限りません。自分がどのように暮らしたいのかをよくイメージして物件を見ることが大切になります。

 

 

●リフォームを考えているなら注意すべきこと

入居後に自分好みにリフォームすることを考えているなら、水回りの移動は可能か壁を取り除けるかなどのチェックも重要です。

使用できる床材などが、管理規約で制限されているケースもあるので、どこまでリフォームできるか不動産会社に確認してもらいましょう。

 

●昭和のマンションはここに注意!

昭和に建設されたマンションのなかには、廊下側の部屋や、3部屋並びの真ん中の部屋にエアコンがつけられない(室外機のドレーンパイプを通すスリーブがない)ものがありますので注意しましょう。

建設当時は、全室にエアコンをつけるなど想定されていなかったのです。

ただし、窓につけるウインド型のエアコンが設置できるケースもあります。

昭和のマンションの場合は忘れずにチェックしましょう。

 

「設備・共用部分」で注意すべきポイント

 

●給湯器などの買い替え費用も資金計画に入れておく

物件に備え付けの設備は、現在の状態も大切ですが、あと耐用年数がどれくらい残っているかにも目を配るようにしましょう。

たとえば給湯器の寿命は8〜10年といわれていますが、壊れて自腹で買い替えるとなると15~30万円と大きな出費になりますので、そうした将来的な出費についても、資金計画に見積もっておきたいところです。

 

また、冷蔵庫や洗濯機などを無理なく設置できるか、必ずサイズを確かめてください。特に将来、大型のものに買い替える可能性がある場合は、それだけのスペースが確保されているか、確認しておくことが必要です。

古いマンションの場合、昔ながらのサイズを前提とした間取りになっていることもあるので要注意です。

 

 

●音漏れ、老朽化についても要チェック

話は少しそれますが、壁や床のつくりによっては、隣家や上下階からの生活音が気になる物件もありますので、音漏れについてもチェックしましょう。

そのほか、キッチンの排水管からの水漏れ、最上階では雨漏りなども見逃しやすいので、特に注意が必要です。

 

築年数の古いマンションの場合、老朽化も気になるところです。外壁やバルコニー非常階段などの鉄部に劣化現象が現れることがあるのでチェックしましょう。

 

なお、中古マンションでも、一定の性能基準をクリアして「住宅性能評価書」が交付されていたり、「長期優良住宅」に認定されていたりする物件については、第三者機関により検査を受けているため、前記のような問題点についての安心度は高くなります。

 

「耐震性・長期修繕計画」で注意すべきポイント

 

●「新耐震基準」のマンションがおすすめ

中古マンション選びの大きなポイントとして、基本的には1981年6月以降に建築確認を受けて建てられた「新耐震基準」の物件を選ぶことをおすすめします。

 

新耐震基準を満たしている物件は、「震度5程度の地震では軽微なひび割れにとどめられる」「震度6~7の地震でも倒壊しない」とされていて、1995年に起きた阪神・淡路大震災でも、その耐震性が実証されています。

 

これに対して同年5月以前に建築確認を受けている建物を「旧耐震」と呼び、こちらは現行の建築基準法には合致しておらず耐震性が不足しているケースが少なくありません。

 

 

●旧耐震のマンションを選ぶならここに注意

どうしても旧耐震のマンションを選ぶ際は、できればすでに耐震改修工事がすんでいる物件を選ぶようにしましょう。

耐震改修をしていない物件は将来的に改修工事を行なわなければならない可能性があり、その際に工事費用の一部を負担することもあり得るからです。

 

さらに、どんなマンションでも、外壁の補修や給排水管の改修など、築年数に応じた修繕工事が必要になります。けれども、修繕費の積み立てが不足しているなどで、先送りされているケースも少なくありません。

購入を検討している物件が過去にどのような修繕工事を行ない、それが築年や傷みに応じたものか、不動産会社に確認してもらいましょう。

 

「立地」で注意すべきポイント

 

●立地は資産価値を大きく左右する

立地」つまりマンションが建っている場所は、そのマンションの資産価値を決める重要な要素です。

現時点での資産価値ももちろん、立地は将来の資産価値を大きく左右する要因です。不測の事態でマンションを手放さなければならなくなったようなときでも、高い価格で買い手のつく物件であれば安心でしょう。

 

立地といってもいろいろな要素がありますが、将来の資産価値を維持するうえで最も重視すべきは、「駅までの距離」「都心へのアクセス」「街のブランド力」などです。なぜ、これらが重要であるかといえば、いずれも経年劣化しにくい価値だからです。

将来、駅がなくなったり、交通網が大きく変わったりする可能性は小さなものです。また、あるエリアのブランド力が急に下がることも考えにくいでしょう。

 

これに対して、たとえば近くにスーパーがあるというのは、生活の利便性としては大切ですが、将来の資産価値を保証するものではありません。なぜならば、そのスーパーが閉店する可能性もありますし、近隣のエリアに別の新しいスーパーができることも考えられるからです。

 

 

●生活環境や治安面についても確認しておこう

もちろん、資産価値という観点とは別に、生活の利便性として、商業施設や学校、図書館などの文化施設医療機関などのチェックは不可欠です。そのほか、夜間でも安心して歩けるかなど、生活環境や治安面などについても確認しましょう。

 

このほか、念のため、将来の都市計画等についてもチェックしてください。

 

「管理」で注意すべきポイント

 

●管理費、修繕積立金の金額は?

第一にチェックしたいのは、管理費や修繕積立金の金額です。

国土交通省の調べによると、マンションの管理費は月平均1万661円修繕積立金は同1万783円になっています(平成25年度。70m2の場合)。しかし、いずれも将来的に値上げを求められたり、一時分担金を徴収されたりすることも考えられます。

 

 

●管理組合の財務状況を確認してもらおう

新築マンションは、値ごろ感を出して売りやすくするために、毎月支払う修繕積立金の額が、将来予想される修繕費に対して低い金額に設定されていることが少なくありません。

そのしわ寄せが年を重ねることに大きくなっていき、第2回目、3回目の大規模修繕の費用がまかなえず、途中で修繕積立金の金額がアップされたり、分担金の負担を求められたりするケースが出てきます。

 

そうしたリスクがどれくらいあるかは、マンションごとによって違いますので、長期修繕計画がどれだけ進んでいるか、管理組合の財務状況はどうかを、不動産会社に確認してもらいましょう。

 

 

●エントランスや共用階段で管理状態をチェック

一方、現状の管理状態は、日常生活で多くの住民が利用する共用部分に表れます。

エントランスや共用階段、廊下などにゴミが落ちたままになっていないでしょうか。掃除は行き届いているでしょうか。特にエレベーターや貯水槽の保守点検、消防設備などは、もしものときに人命にかかわることなので厳しい目で見るようにしましょう。

 

また、マンションでは管理組合が住民の多数決によっていろいろなことを決めますが、オーナーが投資目的で所有していて、賃貸に出しているような部屋が多いと、住んでいる人との意識が違うため、意見がまとまらないことが多くなりがちです。

 

管理組合が日頃から住んでいる人を第一優先に考えた活動をしているかについても、できるだけ確認したいところです。

 

「資金計画」で注意すべきポイント

 

●退職金での返済を前提にするのはNG

資金計画を立てる際に大切なのは、老後の暮らしの見通しとあわせて考えることです。

 

退職金での返済を前提に住宅ローンを申し込む人が少なくありませんが、退職金は老後の暮らしの資金として考えるようにして、住宅ローンの返済は、極力働いているうちに終える計画を組むようにしましょう。

 

 

●繰り上げ返済はくれぐれも慎重に

仮に、定年後にも返済が続く計画で借入れしなければならない場合でも、子どもの教育資金や老後資金の確保を進めながら、無理のない繰り上げ返済をしていきましょう。

ただし、毎月の返済額が無理なく支払えるものであれば、定年後に住宅ローンの返済を続けることは決して悪いことではありませんので、くれぐれも繰り上げ返済については慎重に判断してください。

 

 

●住宅ローン選びは専門家に相談してもいい

住宅ローンの金利のタイプには、「変動金利」「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」の大きく3つのタイプがあります。また返済方法についても「元利均等」「元金均等」のふたつがあります。

それぞれにメリット・デメリットがありますから、よく違いを理解しておくことが大切です。

 

また、マイナス金利の現在、どの商品も低利率になっているとはいえ、わずか0.1%の差でも返済総額は大きく違ってきます。一方で、利率は低くても、繰り上げ返済の際の事務手数料が高く設定されているといった商品もあります。

よく検討したうえで、少しでも有利な条件の商品を選ぶようにしましょう。場合によっては、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

●住宅ローン以外の借り入れがある人は…

最後に、現在借金があって、住宅ローンを借りられるか不安な人もいると思いますが、基本的に借金している分だけ、住宅ローンの借入れ額は減額されると考えてください。その際、ほかの借金の種類が消費者金融であろうと、マイカーローンであろうと関係ありません。

 

注意したいのは、携帯電話の料金を長期に渡って滞納している場合です。携帯電話の月々の支払いには、多くの場合、機種代金が分割払いとしてオンされています。

この分割払いの部分はクレジット契約のため、長期滞納者はいわゆるブラックリストに名前が載ってしまい、滞納額に関係なく、住宅ローンの審査に落ちてしまうケースが出てくるのです。同様に学生時代に奨学金を借りたままになっている人は注意してください。

 

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