「物件の募集図面」を見れば不動産会社の裏側が手に取るようにわかる!(1/6ページ)
大友健右
2016/11/17
デキる不動産営業マンにはお客さんがカモに見えるはず
1996年に厚労省が実施した人口移動調査によると、日本人の生涯の平均移動回数は3.12回(男子3.21回、女子3.03回)だそうです。
なかには10回や20回も引っ越したことがある、なんて飽きっぽい人もいるでしょうが、平均値を見れば「住まいを変える」ということはそう何度も起こることではないことがわかります。
住まいを購入するとなるとなおさらで、ほとんどの人にとって住宅購入は「一生に一度のイベント」ではないでしょうか。
それだけに、年間何十軒もの物件の取引を行なっている不動産営業マンは、お客さんと比べようがないほどの経験値を持っているといえます。
そして、デキる営業マンほど、お客さんとの圧倒的な情報格差を武器にしたさまざまなセールストークを展開して、お客さんを
「この物件を逃したら損するかも」
「いま決めないと他の人に取られてしまう」
という気持ちにさせていきます。
そんな営業マンにとっては、お客さんがカモに見えるに違いありません。
私たち消費者が、不動産の取引で後悔することのないよう、自分の身を自分で守るには、やはり学習しなければなりません。営業マンと同等の不動産に関する知識を身につけることはむずかしいですが、彼らの手の内を知ることで、彼らの意のままに誘導されてしまうということは防げるのではないでしょうか。
そこで、今回は不動産の募集図面を材料にして、不動産業界でどんなことが行なわれているのか、みなさんにお話ししていくことにしましょう。
この記事を書いた人
株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。