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空き家活用に欠かせない

「隠れた魅力」を見つけ方(1/2ページ)

川久保文佳川久保文佳

2019/04/02

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イメージ/123RF

最近、空き家に対するご相談が増えてきています。そういった場合に、できるだけ訪問できるタイミングをみて、現地を訪問しています。図面や写真では見えない活用方法が現地へ行くと想像できるからです。先代の想いや空き家になった経緯、再生して活用しようとしている相続人の考えなど、一つひとつが空き家活用へのヒントになります。

家の魅力と街の魅力

先日は神奈川県横浜市戸塚区にある空き家を訪ねてきました。その空き家は、300坪ほどの土地に7LDKの住まいです。周辺を一望できる高台に建っていて、築年数は50年以上と古いですが、基礎がしっかりとした建物です。工期が短縮できる壁式構造の住宅と違い、柱や梁、壁、天井もそのままで、十分に活用できそうな建物でした。リノベーションについては、室内は壁の張替えと畳の表替え、駐車場の整備をする程度で、民泊として活用できそうです。駐車場も車5台は止められるスペースがあって、たくさんの人を招き入れることができます。かつては、大勢の親せきや家族がお正月やお盆などの年中行事を楽しんだそうです。

今回は、相続によって、正式にお孫さんが不動産を引き継がれたため、その後の活用についてのご相談でした。のどかな街にあり、周辺には食料品や生活必需品の購入に便利な大型スーパーもあり、田舎を思わせるような竹林やイチゴ畑や養豚場もあります。

近年、訪日の旅行と一緒に、文化体験が行われています。特に武道や書道、華道といった伝統ある文化を体験したいという希望が多くあります。住宅を旅館に転用するだけではなく、体験施設としての活用も可能だと感じました。

神奈川県内にも剣道の遊戯として始められた「ちゃんばら」をスポーツにした。スポーツチャンバラがあります。世界60か国に愛好者がいるというスポーツチャンバラは1971年、田辺哲人氏によってはじめられたもので、11月には日本で世界大会も開催されます。この相続者はスポーツチャンバラにも縁があり、世界に愛好されている人々が日本で体験したいという道場への転用も可能だと感じました。

例えば、千葉県野田市には 「武神館」という忍者道場があります。ここは900年の歴史があるとされる戸隠龍忍法宗家が開く道場として、海外からの入門者が次々にやってきます。道場は海外からも含めて100人以上の生徒で賑わい、技だけではなく武道の精神も学びに来ると言います。その周辺には住宅を宿泊施設転用したものが増え、長期滞在しながら忍術を学んでいくそうです。

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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