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手元のお金を賢く使う知恵と考え方

「頭金がなければ家は買えない」は過去の話です

牧野寿和牧野寿和

2016/04/12

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銀行の本音は「頭金ゼロでも貸せるなら貸したい!」

「家を買いたいけれど、自己資金が足りない…」
「家を買うための貯金はできた。でも、頭金はどれくらい入れようか…」

もし、あなたがこのように考えているのなら、いますぐ「頭金ゼロ」で家を買うことを考えてみてはいかがでしょうか。

実はいま、金融機関は住宅ローンの貸し出しに非常に力を入れています。「頭金がなければ家は買えない」というのは過去の話です。

もちろん審査はありますが、頭金ゼロでも全額借り入れ可能な金融機関が増えています。それどころか、契約などにかかる諸費用や、金融機関によってはリフォームやリノベーション費用も込みで融資を受けられるところもあるのです。

もともと住宅ローンは、金融機関にとってきわめてリスクの低い優良商品です。しかも、現在は経済環境の問題から企業への貸し出しが減っています。金融機関にとって、「頭金ゼロでも貸せるなら貸したい」というのが偽らざる本音なのです。

頭金が貯まるのを待つよりも…

「とはいっても、ある程度頭金を入れないと、毎月の返済が心配…」

そう感じるのはもっともです。けれども、実際には、必ずしもそうとはいえないのです。詳しくは後々お話ししますが、いまは史上空前の低金利時代ということもあって、頭金を入れた場合と、入れなかった場合との返済負担の差は、あなたが考えているほど大きくはありません。

しかも、すでに頭金分の貯蓄があるならともかく、これから頭金を貯めるなら、その間にも家賃を支払っていかなければなりません。さらに、頭金が貯まった頃には、金利が上昇してしまっている可能性もあります。

このように考えていくと、頭金を貯めるより、頭金ゼロでも、いますぐマイホームを手に入れてしまったほうが得というケースも出てくるのです。

頭金に入れるよりも効率のよい資金の使い道を考える

また、すでに貯えがある場合でも、あえて頭金をゼロにして、手元に資金を残しておくという選択肢もあります。

実際にあってはならないことですが、病気で働けなくなる、給料がダウンするといったリスクは誰にでもあります。また、将来、子どもが予定外に私立の学校に通うことになって、教育費の負担が増大することも考えられます。

そんなとき、手元にまとまったお金があれば乗り切ることができますが、頭金として支払ってしまったおかげで、新たに借金をすることにでもなったら本末転倒です。なぜなら、住宅ローンより低い金利で借りられるローンはほかにないからです。

人は何のために家を買うのか?

改めていうまでもないかもしれませんが、「頭金ゼロ」はローンの支払い方の問題であって、頭金の分だけ物件価格が安くなるわけではありません。当然、無理な借り入れは避けなければなりませんが、やり方次第では、低金利の恩恵を受けながら手元の資金を効率よく使ってマイホームを手に入れることができます。

マイホームは買うこと自体が目的になってしまいがちです。しかし、なぜマイホームを買うのかといえば、マイホームを手に入れることで実現できる「未来の幸せな生活」を手に入れるためであるはずです。

ですから、住宅ローンを組むに当たって、いちばん大切なことは、頭金の額ではなく、「無理をせずに必ず返済し終える」ということです。住宅ローンの支払いのために家族が不幸になってしまったら、どんなに立派なマイホームを手に入れても幸せにはなれません。

前述したように、現在、金融機関は貸し出しに積極的です。都心部の物件価格は高い水準に ありますが、それを差し引いても住宅を手に入れるには大きなチャンスといえるでしょう。

これから本連載では、これから頭金ゼロで無理なくマイホームを手に入れるための「知恵」と「考え方」をご紹介していきます。ぜひ、リスクをできるだけ抑えながら、このチャンスをものにしていただければと思います。

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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