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二地域居住のベテランが教える

【田舎暮らしの買い物術】ホームセンターで買っていいもの、ダメなもの(1/2ページ)

馬場未織馬場未織

2016/10/28

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ホームセンターには基本、何でもある

田舎暮らしの強い味方。
それは、ホームセンターです。

10年前、週末田舎暮らしを始めて驚いたことのひとつに、ホームセンターの巨大さと充実ぶりがありました。都会にはあり得ない規模の店舗面積で、品揃えは化粧品から家具、設備や照明など、建築資材に農業用資材、いろんなペット、夏になればゴーグルやプール、冬になればドテラやコタツ、お供え餅まで売られます。

とにかく、暮らしにまつわる何でもそろっているため、駆け込めばどうにかなる。

おかげで、実は東京よりも買い物の効率がいいんですよね。だいたい欲しいものが一カ所ですんでしまうから。しかも、地価が安い=ストックのコストも抑えられるということでしょうか、ものによっては都心より物価が安いため、東京の分の生活雑貨も調達して帰ることがほとんどです。

一方で、これだけ集約して生活用品が売られているということは、これができる前にあったさまざまな小売店はずいぶんなダメージを受けただろうと容易に察しがつきます。

さて、田舎暮らしを始めようというとき、徐々に道具類を揃えていきますよね。そのなかでも、都市生活ではほぼ使う必要がなく、田舎ではないと立ち行かないものがたくさんありますから。鍬や鎌、刈払い機、チェーンソーなど。

なるべく安く手に入れたいなと思い、当然、気軽に買えるホームセンターに駆け込みます。見れば、あるある。いろんな種類がある。安いものもちゃんとあります。

よかったよかった。

「農機具は専門のところで」というアドバイスはホントだった

そのとき、近所の農家さんから「農機具はちゃんと専門のところで買ったほうがいいよ」とアドバイスを受けた言葉もチラリと思い出します。

でも、値段をじーっと見て、安いものに手を伸ばしたくなるんですよね。「きっと大差ないよ。ホームセンターは薄利多売だから安いんだよ。やっぱり小売店で買うより得だよねー」と、自分に言い聞かせて。笑。

で、実際にホームセンターで農機具を揃えてしまった方!

後悔していませんか?
わたしのように。

たとえば刈払い機。使い始めはきっと問題ないでしょう。問題なく動いて使えるのを確認して「ほら、やっぱり」と思いました。

でも、しばらく使っているうちに、ぼちぼち不具合が出てきます。わたしの刈払い機の場合は、ブレーキがきかなくなり、チョークレバーがバカになり、スターターロープが切れました。そうなるとホームセンターの修理センターに入院させねばならず、手間もかかればお金もかかる。結局、購入金額に修理費を合わせれば、農機具屋で買うより高くついてしまうかもしれません。

ちなみに、わが家には、家を手に入れたときから納屋に置いてあった古い刈払い機もあります。「マキタ」というメーカーのものです。これは少なくともわたしたちが使い始めてからの10年間、一度も故障をしたことがありません。1台では足りなくなって購入した上記の刈払い機は、使い始めて3年目に初めての故障がありました。それから、次々と。

おそらく農家さんが「農機具はちゃんと専門のところで買ったほうがいいよ」と教えてくれたのは、彼ら自身のそんな失敗体験の積み重ねからではないかと推察できます。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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