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ほかの投資と何が違うのか?(1/2)

いま不動産投資が注目されている

大倉修治大倉修治

2016/01/24

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公的年金だけで老後資金をまかなえるのか

 社会の構造が確実に変化してきています。公的年金制度の見直し、企業年金・退職金制度の見直し等…、将来の収入の見通しが立てづらくなっています。老後の生活費については、自助努力による準備の必要性が高まってきています。

 平成27年度の厚生労働省の報道発表資料によると、現状の公的年金の受給額は「夫が40年間フルタイムで就労、妻が専業主婦」といった前提の場合、夫婦合わせて月額約22万円。一方、老後を夫婦2人で暮らしていく上で必要と考える費用は、平成25年度の生命保険文化センターの調査によると、ゆとりある生活を送るためには月額約36万円。

 もちろん、老後を「どこ」で「誰」と「どのように」過ごすのか、目指すライフスタイルによって必要な金額は変わります。ただ、公的年金だけでは、老後を豊かに暮らすのはむずかしいといえるでしょう。

60歳で退職した場合、必要な老後資金は1億円!?

 長寿化という問題(!?)もあります。厚生労働省の簡易生命表(平成26年)によると、60歳の男性はそこから平均で約22年、女性は23年生きるというデータがあります。

 仮に60歳で退職し、毎月の生活費を40万円とすると23年間で、1億円を超えるお金が必要になります。それに対して、公的年金や会社からの企業年金・退職金では賄いきれない部分を自助努力で賄う必要があります。ほとんどの人にとって一朝一夕に準備できるような金額とはならないでしょう。

 単に貯蓄するだけで準備するのは現実的に厳しいといえます。たとえば、30歳の人が、60歳迄の30年間で、3000万円貯めようと考えたとします。タンス預金の場合、年間100万円(月額約8.3万円)積み立てる必要があります。年率1パーセントで30年間運用するという前提の場合では月額7万2500円となります。これはあくまで「老後に向けて」という話です。

資産運用の一手段として注目を集める不動産投資

 バブル崩壊(=土地神話の崩壊)が起こり、いまや不動産を保有しているだけで値上がり益(キャピタルゲイン)が期待できた時代は過去のものといわれています。

 現在では不動産が「将来生み出す収益(インカムゲイン)」を主な基準として不動産の評価が決まるようになりました。不動産の価値が、賃料収入を株式等の配当のように考える「利回り」を尺度として決まっていくということです。

「継続的に高収入が得られる」不動産に投資を行なえば、預貯金などに比べて高い利回りが期待できます。

 この高い収益を生む不動産(収益不動産)への投資などによって大成功した人に、アメリカの不動産王として知られ、今年の大統領選挙の共和党の候補者であるドナルド・トランプ氏やベストセラーとなった「金持ち父さん 貧乏父さん」の著者であるロバート・キヨサキ氏などがいます。

 ロバート・キヨサキ氏は、その著書のなかで自分のポケットにお金を入れてくれる「資産」と自分のポケットからお金をとっていく「負債」の違いを知ることが大切だとしています。

 その上で、お金持ちになるには「本当の資産」に投資する側に回ることが重要だとし、当初、賃貸アパートなどの収益不動産への投資を積極的に行ないました。その成果は、著書にある通りです。「金持ち父さん 貧乏父さん」の出版以降、不動産投資への注目が高まったのは、誰もが認めるところかと思います。

 次回は、不動産投資とはどんなものなのか、預貯金、株式と比較して、その特徴を見てみましょう。

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この記事を書いた人

CFP、1級ファイナンシャルプラニンング技能士

DCマイスター、宅地建物取引士 1972年生まれ。立教大学卒業。学生時代はラグビー部に所属。 大手住宅メーカー、 住宅・マンションディベロッパー、外資系生命保険会社を経る過程で、お客様にとって「偏りのない納得性の高いアドバイス」を提供したいという思いから、20世紀末より、ファイナンシャルプランナー(FP)としての業務を始める。

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