ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

条件の悪い場所でも利益が狙える

なぜいま新築アパート投資が狙い目なのか?

尾嶋健信尾嶋健信

2016/05/04

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

不動産価格が高騰している現在、利益が出しにくい

新築アパート投資とは、都心の新築アパートを1棟丸ごと購入し、その賃貸経営で利益を上げていく投資手法のこと。不動産投資のなかでも、いまもっとも注目を浴びている手法のひとつです。

なぜ、新築アパート投資が注目を浴びているのでしょうか。それは、都市部における不動産価格の高騰と関係があります。

都市部ではいま、RC(鉄筋コンクリート構造)マンションの販売価格が高騰しています。そのため、1棟丸ごと購入して賃貸経営に乗り出しても、なかなか利益が出にくい状況になっています。販売価格が高すぎるため、毎月のローン支払い額が家賃収入とそれほど変わらないため、手元にほとんどお金が残らないのです。専門用語でいえば、イールドギャップ(前々回にお話しした、投資利回りと借入金利の差のことです)がほとんど出ない状態なのです。

狭小地であれば、新築アパートを安く建てられる

そんなわけで、いま都市部では、投資用RCマンションはあまり売れません。そこで、都心部にネットワークを持つ投資物件専門の不動産業者は、発想の転換を図りました。「RCマンションが売れないなら、新築アパートを建てて売ればいい」と。新築アパートであれば、実は上手に利益を出すやり方があるのです。

それは、アパートの建築場所として、旗竿地、急坂の途中、急坂の上などの狭小地を選ぶこと。旗竿地とは、文字通り旗竿のように、カギ型(L字型)になっている土地のことです。こうした土地は周囲の道路から出入りしにくく、風通しも陽当たりも悪いため、土地の価格が驚くほど安いのです。同様の理由で、急坂の途中や急坂の上にある狭小地も、やはり価格の安いのがメリット。つまり、不動産業者側からすれば、あえて条件の悪い立地を選ぶことで、土地取得の費用を切り詰めることができ、結果として新築アパートを安い値段で建てられるのです。

もちろん、狭小地ですから、1棟あたりの室数は多く取れません。2階建てで、多くて8戸くらいでしょうか。1室あたりの専有面積も10〜13平方メートルくらい。きわめて狭いです。しかし、各室にロフトを設ければ、居住スペースをそれなりに確保することも可能です。

融資を受けやすく、新築時は入居者を見つけやすい

さて、こうした新築アパートを購入して賃貸経営を始める場合、どのようなメリットが考えられるでしょうか。

まずは、都心にある物件の割に、販売価格が安いこと。おおよそ6000〜8000万円くらいが平均的な販売価格でしょうか。また、何といっても「新築」であるため、銀行からも評価されやすいといえます。言い換えれば、融資を受けやすいわけで、手持ちの資金が少なくても、この種の不動産投資は始めやすいのです。

さらに、「新築」の物件であれば、見えない部分が傷んでいるなどの、建物トラブルはまず考えられません。仮に不具合があったとしても、新築後1〜2年以内であれば、建築した不動産会社(工務店)側の瑕疵担保責任が問えるため、無償で補修してもらえます。

そしてもうひとつ、アパートが「新築」で、しかも都心にあれば、陽当たりや風通しが多少悪かったとしても、入居者を見つけやすいというメリットもあります。

期待していたほど、利益が上がらない可能性も

逆に、デメリットとしては、どんなことが考えられるでしょうか。

ひとつ目のデメリットは、期待していたほどには利益が上がらないこと。特に、アパートメーカーから言い値で物件を買ってしまうと、さまざまな名目でお金が出ていくため、満室になっても月5万円程度しか利益が出ないこともあります。

こうした事態に陥らないためには、販売業者をきちんと選ぶこと。できれば建築段階から、地元工務店と連携した賃貸経営ビジネスを興せればいいのですが、初心者にはかなりむずかしいでしょう。

また、新築から2〜3年を過ぎると、入居者探しにも苦労するようになります。「新築」というセールスポイントが消滅してしまった分、家賃をより低く設定しなければならなくなるでしょう。その結果、アパートの経営状態は年々悪化していくことになります。

アパートの経営状態が悪化すると、オーナーであるあなたに対する銀行の評価も、当然悪化します。アパートそのものの資産価値が下がるため、あなたの財政状況は債務超過に陥ったと見なされるからです。そうなると、経営を立て直すために新たに融資を引き出そうとしても、むずしかくなるでしょう。

このように、どのような不動産投資においても、メリットとデメリットがあります。それらを冷静に見極め、打つべきときに必要な手を打てるかどうかで、その不動産投資の成否は決まるのです。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

満室経営株式会社 代表取締役

1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。

ページのトップへ

ウチコミ!