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賃貸住宅の家財保険

なぜ加入が必要なのか?(1/3ページ)

平野 敦之平野 敦之

2019/03/20

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賃貸物件に入居すると火災保険の加入が必須条件になっていることがよくあります。入居者からすれば、火災保険の加入は自由ではないかと考えることもあるでしょうが、入居者、大家さんにとって非常に重要な意味があるのです。

賃貸物件の家財保険とは?

家財保険と火災保険は何が違うのかよくわからないという人も多いでしょうが、家財保険とは、賃貸物件(賃貸マンション・アパート、賃貸住宅など)の入居者が加入する火災保険のことをいいます。家財保険という言葉が広まっていますが、要は家財を保険の目的に加入する火災保険です。持ち家など物件を所有している人は、所有している建物や家財などを目的に火災保険の契約をします。

自分の所有していないものに火災保険をつけることはできません。賃貸物件の入居者は建物を所有していませんから、自分の所有物である家財に火災保険の契約をするわけです。これが家財の保険です(以下、家財保険)。

火災のときの消防の放水で水浸しになった、プラズマテレビが倒れて破損、落雷による過電流によって家電製品が壊れた、床上浸水で水浸しになったなど、家財だけでも色々なリスクがあるのです。

家財保険の補償内容

家財保険で補償する主な補償内容は次のようになっています。

・家財一式
・個人賠償責任補償
・借家人賠償責任保険
・修理費用補償   など

家財保険は物件の賃貸借契約をする際に必須条件にされていることが珍しくありません。大家さんや物件の管理をしている管理会社も入居者の家財に損害があっても困るわけではありません。

しかし、例えば次のようなケースで保険によって補償されないと当事者が困ったり、トラブルになったりすることがあります。

・洗濯機のホースが外れていて階下の人に水漏れ事故を起こしてしまった。
・ストーブが原因でボヤ騒ぎになって、借りている部屋が一部燃えてしまった。
・空き巣が入った際、ドアロックや窓ガラスを壊した(借主が修理する契約)

落雷などで家電製品が破損した場合、家財の持ち主である入居者は困るでしょうが、家財保険の加入がなくても、買い直すかどうかは本人が決めればいいことです。

しかし、上記の例では、家主や階下の入居者に迷惑が掛かっており、法律上も相手に損害賠償する義務が生じるため、賃貸借契約の内容に基づいて入居者が修理する必要がでてきます。こうした負担が高額になると、個人の経済力では負担しきれません。このような背景もあり、賃貸物件の入居時に家財保険の加入を契約に義務付けているのです。

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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