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日本語の話せるお手伝いさんが時給250円

ベトナムだからできる、 「お手伝いさんがいる生活」のいいところ・悪いところ

藤谷圭司藤谷圭司

2016/08/19

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時給が安いから気軽に雇える

 ベトナム暮らしのいい点のひとつは、お手伝いさんを気軽に雇えることです。お手伝いさんの時給は安く、外国人だけでなく、共働きの多いベトナム人家庭でもお手伝いさんの利用は一般的です。

 お手伝いさんとして働くのは親戚の子どもや、近所のおばあちゃん、地方出身の女性などのベトナム人がメインですが、外国人だと英語が比較的流暢という理由でフィリピン人の出稼ぎ女性を雇う場合もあります。

 ベトナム人のお手伝いさんは、だいたい時給3万ドン(約150円)くらいから雇うことができます。英語かカタコトでも日本語の話せるお手伝いさんは5万ドン(約250円)、言葉も話せて、さらに赤ちゃんの子守りが得意など口コミで人気のお手伝いさんは7万ドン(約350円)など結構幅があります。

妻の絶大な信頼を得たお手伝いのAさん

わが家でもお手伝いのAさんに、ここに引っ越してきて以来、週2回ほど来てもらっています。

Aさんの仕事は主に掃除やアイロン。Aさんは日本人家庭だけを好んで就労していたのですが、ベトナム語しか話せないため新規の雇用主を探すのに苦労していました。そんなAさんと、街から遠過ぎて、どのお手伝いさんにも断られたわが家が出会い、めでたく就労開始となったのです。

始めは、まったく素性の知れない人間を小さな子どものいる家に入れる、ということに抵抗感があった妻ですが、Aさんが働き始めてから1年半が経ち、真面目な仕事ぶりや、2度の雨漏り事件での工事関係者とのテキパキしたやり取りに、すでに絶大な信頼を寄せているようです。

感謝の気持ちを込めて、給料に少し上乗せして渡したのですが、「多く入っていたから」と返してきました。こういった生真面目さや用心深さは、ほかのベトナム人お手伝いさんと比較してもかなりめずらしいようです。妻としては「そこがさらにいい!」とより信頼を寄せています。

清掃担当の女性にパンツを盗まれた奥さんの話

ベトナムではサービスアパート(掃除、洗濯込みのアパート)に住む外国人も多いですが、ここでは数名の清掃担当者や警備員が部屋に入る鍵を持っているため、盗難が頻発するようです。

日本への里帰りから帰ると必ず物がなくなっているとも聞きます。アクセサリーなど貴重品だけでなく、取られた側もなぜ? と首をかしげるような品々を持って行かれることがあります。

ある知人のサービスアパートでは奥さんが、パンツの数が減っていることに気がついた際、清掃担当のベトナム人女性の超ローライズジーパンから自分のパンツがのぞいているのを発見したそうです。

これはマジで衝撃で、盗難してまでほしいパンツだったのか? またなぜそれをはいてきたのか? 問いただすべきことがあまりに多過ぎて、奥さんは何も言えなかったそうです。人は得てして本当に驚くことが起こると何も言えなくなるというのは本当かもしれません。

いずれにしろ、お手伝いさん含め、こういったサービスを利用するということは、常に盗難の可能性を自覚しながら生活するということになります。

お手伝いさんにとっての最高キャリアとは?

ところで、わが家のAさんのように、日本人家庭で働くことを好むお手伝いさんは結構いるようです。理由をAさんに聞いてみたところ、日本人は優しいし綺麗好きだと。

ベトナム人家庭では、お手伝いさんが来る前にわざと家を散らかしたりするところもあるようです。お手伝いさんを怠けさせないために仕事を増やすんだとか。またカメラを設置し、休むとすぐ電話をかけてくる人もいるとか…。

確かに自分が働くならベトナム人家庭はイヤだな…と思います。ただ、ベトナムにいるフィリピン人のお手伝いさんにとって、最高のキャリアは、日本人家庭で働くことではないらしいです。

では、どんなキャリアが最高なのかといえば、欧米の家族のお手伝いさんに入り、そのまま子どもと徹底的に仲良くなり、帰国時に一緒に本国に連れて行ってもらうのがいちばんなのだとか。日本人は英語が話せないからイヤだと言われてるようです。

妻曰く、お手伝いさんは“一度始めると止められない魔法”だそうです。育児ノイローゼもお手伝いさんがいれば減らすことができますから。

仕事から帰って、家事、育児と休む暇のない日本人のお母さんは世界的に見てもかなり頑張っていると思います。ホーチミンの端の団地でAさんの働きぶりを見ながら「早く日本でもお手伝いさんが利用しやすくなるといいのに…」と願いつつ、今回は筆を置きます。

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この記事を書いた人

ベトナム在住で、現在、在ベトナム外資系企業に勤務中。 中国の大学を卒業して、その後一貫してベトナム周りのビジネスをして14年目。 アジア田舎暮らしをテーマに、現在も日本人が一家族もいないローカル団地に、家族3人で生活中。

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