ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

子育て世代は家賃5000円引きに

リノベーションした空き家が、シングルマザーのための戸建賃貸に変身!(1/2ページ)

高橋 洋子高橋 洋子

2016/09/08

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

古い襖を明るい色合いにリフォーム

シングルマザーは家が借りにくい!

このプロジェクトを始めた女性大家のOさんは、4年前、自分自身が離婚して母子家庭となったところ、家を借りようとしても「母子家庭」というだけで入居を断られるという苦い経験をしています。

「幸い、ある不動産会社で女性の担当者と出会い、大家さんへの交渉にお力添えいただくことができました」。

市の福祉会や特定非営利活動法人の支援を受けるなどして「何とか生活をしてきた」と振り返るOさん。いまなお、母子家庭を敬遠する家主や不動産会社も多く、「住まい」に関して、シングルマザーにとって高いハードルがあるといいます。

一般的にアパートなどの共同住宅では複数の子どもを抱える場合、子どもの声や走り回る音などに対して、近隣住宅から苦情を受けることも少なくありません。Oさんは、子育て環境を考えると、「戸建」に対して高い需要があることに気づきました。

そこで日本政策金融公庫から社会貢献につながる事業に向けた「ソーシャルビジネス支援資金」の枠で金利1%台の融資を活用し、横浜市で戸建を2軒購入。母子家庭や子育て世帯に貸し出せるように、リフォームすることに。

今回購入した2軒の空き家は、横浜市営地下鉄ブルーライン・港南中央駅から徒歩11分、共に51.3㎡、3DK、木造2階。築48年(昭和43年11月築)と年数は経っていますが、前の所有者がリフォームしながら大切に使っていたため、そこまで大きく手を入れなくても住むことができる状態でした。

父の死をきっかけに賃貸経営の勉強を開始


階段の踊り場にアクセントとなるクロスを

実は、0さんが賃貸経営を始めたのは平成16年と12年も前のこと。

「父が他界し、弟と愛知県のマンションを相続、賃貸経営に携わりながら大家としての勉強を始めました。その後、シェアハウスの運営や、戸建賃貸を自主管理し、大家・賃貸管理業の経験を積みました」。

当時は女性不動産投資家も少なく、「女性」というだけで軽視されることもありました。不動産業者や金融機関との折衝をするため、宅地建物取引士の資格を取得。さらに実務経験を積むため、不動産賃貸業と不動産業で賃貸・売買における各種業務に携わり、着実に経験を積んできたのです。そのなかで、常に心にあったのが「女性に優しい賃貸住宅を提供したい」ということ。

今回購入した戸建はどちらも近くに学校があり、駅から歩ける距離で、子育てに適した環境でした。周辺で戸建賃貸のニーズが高いことも把握していました。

次ページ ▶︎ | ここに小見出し内容を入力 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

暮らし研究所エメラルド・ホーム代表

暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 1979年岐阜県生まれ。 情報誌の編集、フリーライターを経て現職。空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、お得なマネー情報の研究に目覚め、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。講演・執筆・FP相談を通じて、家探しの基本から中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えている。空き家活用に関するセミナーは3年でのべ2000名が参加し、「わかりやすくて、おもしろい。勇気がもらえる」と幅広い世代から好評を得ている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)、『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)など。

ページのトップへ

ウチコミ!