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火災保険と火災共済の違いとは?

保障内容、掛け金、メリット、デメリットを考察!(1/2ページ)

平野 敦之平野 敦之

2019/01/17

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住まいへのもしもの備えに火災保険や地震保険の加入は一つの選択肢ですが、それ以外にも火災共済という方法があります。火災保険と火災共済の違いを意外とよく分かっていない人も珍しくありません。火災共済について火災保険との違いや選び方のポイントについて確認してみましょう。

火災共済と火災保険は何が違う?

共済は組合員やその家族を対象に非営利で運営しています。組合員というのは職域や地域などが条件になっていることが多いですが、共済によっては組合費を支払えば組合員になれるものもあるため、比較的簡単に加入できるケースも珍しくありません。これに対して保険は不特定多数の人を対象にする営利事業です。

共済では保険という言葉を使いませんので、火災共済といいます。事故があったときに支払われるものを共済金(保険金)、毎月の掛金を共済掛金(保険料)などと使う言葉も異なります。

また損害保険会社の監督官庁は金融庁、保険業法という法律に基づいて制度が運営されていますが、共済では監督官庁や根拠となる法律なども違います。

火災共済の保障はある程度決まった型で選ぶタイプが一般的です。昨今の火災保険は自分で補償を選ぶことができたり、補償が拡充されています。また自己負担額を設定するなど大なり小なり契約内容をカスタマイズできるケースが多いのですが、火災共済ではこうしたことはほとんどできません。

その半面、共済では毎年の決算時に割戻金などが支払わることがあり、掛金は割安に設定されていることもあります。しかし火災共済も1種類ではなく実に色々な共済があるのです。

火災共済の主な種類と内容

火災共済と火災保険は同じように見えて実は結構違いがあるように、共済にも日本全国に大小さまざまな共済があります。比較的よく名前を聞くところだと、都道府県民共済(以下、県民共済)、全労済、JA共済などがあります。これらの取り扱っている火災共済の商品は、次のとおりです。

それぞれ商品が違いますから、カバーされる内容や範囲、共済金の支払い条件なども当然違います。

県民共済は1年掛捨て、あまり大きな保障はつきませんが、割戻金もあり、その分共済掛金は割安です。全労済も1年掛捨て、割戻金があるのは同様ですが、自然災害については自然災害共済(標準タイプ、大型タイプ)があります。大型タイプにするほど保障が手厚くなっていきます。JA共済は、最近のこうした保障には珍しく積立タイプです。

このように共済と言ってもその内容や仕組みなどは違いがあるのです。

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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