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審査はどれくらい厳しいの?

契約社員でも住宅ローンは借りられる? おすすめの住宅ローンは?(1/4ページ)

横山晴美横山晴美

2017/10/19

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(c) naka – Fotolia

契約社員は住宅ローンを借りられる?

改めて申し上げるまでもないことですが、住宅ローンは“お金の貸し借り”です。そのため金融機関は、借り入れを申し込んだ人の返済能力の有無を見きわめて(審査して)、貸し付けても問題ないかどうかを判断します。

住宅ローンは金額が大きく、返済が長期に渡るため、審査の際には、「収入の安定性」が重視されることとなります。そのため、より雇用が安定している正社員のほうが審査は通りやすくなるのです。なかには最初から審査申し込み要件を「正社員のみ」と明記している金融機関も多くあります。

ですが、最近では雇用の多様化を受け、雇用形態が正社員でないというだけで申し込みができないという金融機関は、かつてに比べると減ってきているように感じます。

厚生労働省によると、平成9年には3812万人だった正社員は、平成25年の3294万人まで減少しています。一方、非正規の雇用者は、昭和59年の604万人から増加し、平成25年には1906万人となりました。

これには子育てを終えた主婦がパートやアルバイトなど非正規雇用で社会復帰している影響もあるようですが、社会全体で非正規雇用が増えているのは確かなことです。金融機関も、正社員だけを対象としていては顧客の絶対数が足りないという現状もあるかと推測します。

金融機関が審査で重視するのはどんなこと?

せっかく、申し込み条件が「契約社員でも可」という金融機関を見つけて審査を申し込んでも、肝心の審査が通らなければ意味がありません。申し込みをしたものの、結局、住宅ローンは借りられないということになってしまいます。

では、金融機関が審査で重視するのはどういった点でしょうか? 以下にポイントをあげてみましょう。

(1)雇用の安定

前述した通り、住宅ローンは大きな金額を長期間で返していくものです。そのため、金融機関は雇用が安定しているかどうかを重視します。

契約社員と一口に言っても、契約期間はそれぞれです。契約内容によって、数カ月~3年程度と、その契約期間には大きな差があります。同じ契約社員でも契約期間が長期、かつ契約の更新回数が多いほど安定性が高いといえるでしょう。

(2)年収

当然、収入は多いほうが借入時は有利です。契約社員は結果を出せば更新時に給与がアップする、実績よってボーナスが支給されるケースもありますが、そういった事例も好材料です。

(3)返済比率

返済比率は収入における返済金の割合のことですが、これは住宅ローンの借り入れだけでなく、マイカーローンや教育ローンなども含まれます。契約社員の方の場合、雇用形態の面で不利な分、住宅ローンを申し込む際には、ほかの借り入れは清算しておいて、できるだけ返済比率を引き下げておきたいところです。

返済比率の目安は、通常25~30%程度とされていますが、契約社員の方はより低く20%未満を目指すことをおすすめします。

(4)自己資金の有無

自己資金は当然、あったほうが有利です。自己資金があるということは、借入金額を抑えることや返済比率を低下させることにつながります。

また、自己資金があるということは、貯蓄のできる家計であることの証明になりますから、金融機関へも好印象を与えることができます。

ここでご説明した金融機関が重視するポイントは、対象が契約社員の方の場合に限りません。正社員の方が対象であっても、契約社員の方が対象であっても、住宅ローンの審査内容は同じです。ただ、一つひとつの審査の条件がより厳しくチェックされる、と考えるといいでしょう。

次ページ ▶︎ | 契約社員の申し込みを受け付けてくれる金融機関を見つけるには? 

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この記事を書いた人

ライフプラン応援事務所代表

ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー。企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。 「自分の家計は自分で守る」をモットーに、丁寧でわかりやすい面談が好評。 また、給付金や控除など、消費者のための制度を調べるのが得意で、「ここが使いにくい」「誰のための制度なのか」などとケチをつけるのが好き。

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