部屋探しの際、知っておきたい 不動産営業マンの笑顔の裏にある3つのホンネと理想の物件の探し方(1/3ページ)
大友健右
2017/04/06
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営業マンにとって、ありがたいお客さんとは?
賃貸物件を扱う不動産会社の営業マンは、よくこんなことを言います。
「春先に、新大学生のお子さんの部屋を探している人が来ると、ガッツポーズが出そうになりますよ」
一体、どういうことなのでしょうか?
毎年春になると、首都圏の大学に進学する子どもの部屋を探すため、地方からやってくるお客さんが一定数います。たいていの場合、お子さんと一緒にホテルや旅館に1〜2日ほど宿泊して、その間にあれこれ手続きなどをするわけですが、そういうお客さんが部屋探しにかけられる時間は、1日からせいぜい1日半程度しかありません。
そのため、なかなか何軒もの不動産会社を回ったり、物件にいろいろ条件をつけてじっくり探したりすることはできません。
もちろん、あらかじめポータルサイトなどで物件を選んでから来店するお客さんもいますが、春先は賃貸業界の繁忙期ですから、人気の物件はどんどん契約が決まってしまいます。そのため、営業マンが紹介した物件のなかから1、2件の内見をしただけで申し込み、というパターンがほとんどと言っていいでしょう。
実は、こういった「その日のうちに決めてくれるお客さん」は、不動産会社の営業マンにとっては、とてもありがたい、いいお客さんなのです。
<ホンネ1>営業マンは、その日のうちに契約を取ろうと考えている
ここでちょっと不動産会社の営業マンの笑顔の裏側をのぞいてみましょう。
営業マンは、基本的に「その日のうちに契約を取る」ことを考えています。お客さんは気が変わりやすいことを知っていますし、ほかの不動産会社に行かれたくないと考えているからです。
どこの不動産会社に行っても、基本的に扱っている物件の多くは同じです。なかには専任物件といって、その会社でしか入居者募集(客付け)をしていない物件もありますが、ほとんどが同じ物件を扱っているのであれば、ほかの不動産会社に行かれてしまう前に契約を取ってしまおうと考えるのも理解できるでしょう。
また、自分の営業成績のためという理由もあります。不動産営業マンの多くは歩合給で働いていますから、月末近くには何としても「今日中に契約を1件取りたい」という気持ちになる営業マンも少なくないはずです。
これは実際にあったケースなのですが、入居希望者が2月1日からの契約を希望しているのに、何とか契約日を1月中にしたい営業マンが、「翌月の契約になると家賃が3000円プラスになります」と言って強引に1月31日付けで契約をまとめてしまったそうです。
そのほかにも、「いまの時期は、これしか部屋がないんです」とか、「早く決めないと、ほかの人に取られちゃいますよ」というトークで、お客さんの不安や焦りを煽って契約をうながすのは、その日のうちに契約を決めてしまいたいという心理が働いていると言えるでしょう。
この記事を書いた人
株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。