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奥深き塗装職人の世界

~塗装技能オリンピックに潜入~(1/3ページ)

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塗装職人が技術を競い合う1年に1回のイベント


真剣な表情で大会に取り組む職人たち

「塗装技能オリンピック」は、外壁塗装・屋根塗装・屋根葺き替え工事・外壁張り替え工事・雨漏り防水工事などの外装リフォームを専門に行う株式会社プロタイムズ総合研究所(本社:東京都府中市、代表取締役:大友健右氏)が4年前から主催しているイベントだ。

2018年10月4日(木曜日)に横浜市港北区で行われた第4回のイベントには、同社と協力企業の職人たち総勢42人が参加。42人のうち、約半数の21人が一級塗装技能士という資格を持つ上級者だ。

主な競技内容は次の通り。

【競技内容】
初級~上級共通競技……「塗り絵」「調色」「筆記テスト」
中級競技……「砂骨ローラーでの粗目・細目模様塗り」「塗板」
上級競技……「塩ビパイプのアレンジ塗装」「サイディングリペア」

どれも素人には分かりにくい競技ばかりだが、このうち「塗り絵」「調色」「塩ビパイプのアレンジ塗装」の競技に潜入してみよう。

高度な技術と体力を必要とする「塗り絵」


枠内にきれいに収まるように色を塗っていく「塗り絵」

「塗り絵」とは、黒い線で描かれたイラストや文字の内側を刷毛で塗る作業だ。
素人が見れば簡単な作業にも思えるが、黒い線からはみ出すことなく、ムラなく、美しく塗ることは意外と難しい。

たとえば、書道を思い出してみると分かりやすい。筆に墨を含ませすぎれば、書き始めがにじむ。墨の量が少なすぎれば、書きたかったところまで書ききることなく墨がかすれてしまう。書き損じたと上から書き足せば、文字がずれたり濃くなりすぎたりする。また、失敗しないようにと、筆をゆっくりゆっくり動かせば文字は震えてしまう。

「塗り絵」も同じで、なるべく1回で塗り切った方がきれいに塗れる。そのためには、刷毛にどのくらいの量の塗料を含ませるか、あるいはかすれる直前に塗りをストップできるか、その感覚がとても重要だという。

また、手首や刷毛だけを動かして塗るのではなく、手は固定したまま体ごと動かして塗ることできれいな「塗り絵」が完成する。つまり、椅子などに座ってできる仕事ではなく、足腰の筋力も必要とする仕事なのだ。

実際に完成した「塗り絵」を見ると、難易度が高いことがよく分かる。黒い線からはみ出していたり、あるいは余白があったり、塗りムラがあったりする作品もある。

一級塗装技能士の資格を持つ職人さんの作品となると、やはり完成度は高く美しい。

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