連載・トピックス / 不動産投資

管理会社に管理を頼んでいるのに…

物件の掃除をするオーナーの深い意図

2019/11/23 住まいの大学

文/住まいの大学編集部

画像/123RF

管理会社と契約し管理を頼んでいるのに、それでも毎週のように物件の掃除をしに行く。入居者さんとも連絡を取り合っている。そんなオーナーがいるとすれば、その方は変わり者でしょうか? 神経質すぎる人でしょうか? どちらもちがいます。

むしろこれは、賃貸経営を成功させている、勝ち組のオーナーさんによく見られるパターンです。管理会社に物件管理や入居者管理を委託されるオーナーのほとんどが、その際、同時にある勘違いもされています。自分は管理会社の「客だ」と思っているのです。


これは間違いです。なぜなら、客はオーナーではありません。入居者です。オーナーと管理会社は、お客様である入居者さんからいただく家賃を収入として分け合う、いわば公平なビジネスパートナーです。


ゆえに、共同で仕事をするそれぞれが、日頃より、


・商品(物件)に接し
・顧客(入居者)に接し


互いに情報をやりとりしながら円滑な事業運営をはかっていくのは、実は、当たり前すぎるほどに当たり前のことです。管理会社に管理を頼んでいるのにオーナーも自ら動く。その具体的な例をご紹介しましょう。


■クレームを聞くのはまずオーナー

あるオーナーさんは、管理会社と契約しながらも、入居者さんからの要望やクレームは、まずご自身が受け付けています。そこで内容を把握した上で、自らが動くか管理会社に動いてもらうかを決め、対応しています。自身が動く場合でも、管理会社にはもちろん一報を入れます。場合によっては、どちらが動くか相談をもちかけます。


これにより、オーナーは大事な2つのことを把握できます。ひとつは、物件のいまの状況です。大事な商品である物件に現在何が起きているのか、入居者さんの顧客満足は満たされているのか、それらをダイレクトにリアルタイムで把握できるということです。


さらには、パートナーの仕事ぶりです。清掃や備品交換が行き届いていないことに対する苦情があれば、それはとりもなおさず管理会社の失点です。パートナーがパートナーに足る仕事をしてくれているのかどうか、オーナーが入居者さんとの接点をしっかりと確保していれば、それを逐次把握していくことが可能です。


■掃除で管理の出来を点検

上記の「クレームをまず自らが聞くオーナー」は、珍しい存在といえますが、こちらはそうではありません。成功しているオーナーさんのかなり多くに見られるケースです。物件の定期的な清掃はもちろん管理会社が行いますが、それに加えてオーナーさん自らも掃除をするのです。


そこで異口同音に聞かれてくるのがこんな声です。「管理会社も管理会社なりにやってくれているが限界がある。やはり物件の持ち主であるオーナーでなければ目が届かないところがたくさんある。そこは自分がやる。そのことで入居者さんにより満足してもらえる」


時間に追われながら予定をこなす管理会社(もしくはその委託先)の作業ではどうしても手がまわらないところでも、オーナーの手や目は行き届くんだ、ということです。


と同時に、掃除は入居者さんと顔を合わせるよいチャンスともなります。成功しているオーナーさんの多くがこれを利用しています。ご挨拶をし、声をかけ、入居者さんから不満や要望をどんどん吸い上げ、経営にしっかりと活かされています。


■花を飾り季節を飾る。モノを貸す

賃貸住宅をステージに、顧客満足を追求しながら共に事業を行うオーナーと管理会社ですが、両者には大きな立場の違いがあります。それは、そのステージの持ち主であるか否かです。物件の所有者でない管理会社にとっては実行しにくくとも、そうでないオーナーにとっては気軽にやれることで、入居者さんに喜ばれることがたくさんあります。


たとえば、エントランスを花で飾るなどはその代表です。ハロウィンやクリスマス、お正月の飾りつけをするオーナーさんもいます。


費用はどうなる、あと片付けはどうする、といったことを考えると、これらは管理会社にとっては非常に面倒な仕事です。ですが、オーナーさんにとっては簡単なことです。要は、それをやりやすい立場にある人がそれをやればストレスは生じないということです。


賃貸併用住宅や自宅のそばにある物件を運営するオーナーさんが、自転車の空気入れや脚立などの道具を入居者さんに貸し出しているケースも同じです。


積極的なオーナーさんは、管理会社に仕事を任せたならば、そこで生じた時間やパワーを入居者さんのためにどう活かすか?それを次に考えるということです。


以上、ご覧になってみて、「冗談じゃない。物件にも入居者にも、私は一切時間を割きたくない。そのためにお金を払って管理会社に仕事を任せるつもりでいるのに、まるで本末転倒な話だ」


そんなオーナーさんも中にはいらっしゃるはずです。この仕事を「経営」ではなく、純粋な「投資」と考えるスタンスです。それはそれでよいのです。


ですがその場合は、あれこれやることが多くて面倒な賃貸経営を本当に純粋な投資にさせてくれる、優秀なパートナーを選ぶことが重要になってきます。そこで、多くの皆さんが苦労されてもいるわけです。


であれば、そうした優秀なパートナーを見極めるためには、やはり一度彼らと同じ現場に立ち、汗をかいてみるのが一番です。


つまり、物件の掃除をしに行くことです。そこで出会った入居者さんに、管理への満足度はどうか、住み心地はどうかを聞いてみることです。すなわち、とどのつまりこの話は、同じところに落ち着きます。


(文/朝倉継道 画像/123RF)

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