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38年ぶりの相続大改正

時系列で見る改正のポイント(1/3ページ)

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「38年ぶりの大改正」として話題になった相続の民法改正。とはいえ、法律自体の施行そのものは一気に行われるのではなく、2019年に入って順次進められてきている。相続改正はどのようなスケジュールで進められているのかまとめてみた。

●2019年1月13日施行

▽自筆証書遺言の方式緩和

改正前までは自筆証書遺言を書く場合は、遺言者が、遺言書の全文、日付及び氏名のほか「財産目録」についても自筆で書かなくてはならかった。そのため写し間違いがあった場合は無効になることもあり、それが原因でトラブルになり、被相続人の意思に反してしまうこともあった。そこでこの実筆について緩和され、目録作成についてはパソコンでの作成、登記事項証明書や預金通帳の写しを添付することも認められるようになった。ただし、こうした目録を添付する場合は、財産目録の各頁に署名押印する必要がある。

●2019年7月1日施行

▽長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護

婚姻期間が20年以上である夫婦の場合、居住している土地・建物を配偶者に贈与しても、その分については相続の対象として計算しなくてもよくなった。この結果、配偶者はより多くの財産を相続できるようになり、老後の生活の不安を軽減できるようになった。

▽相続対象の預貯金の仮払い
これまで被相続人が亡くなると、生活費や葬儀費用の支払い、債務の支払などでも、遺産分割が確定するまでは預貯金を引き出すことができなかった。しかし、改正後は、相続開始時預貯金×3分の1×法定相続分を上限(1金融機関あたり150万円を上限)に引き出すことができるようになった。

▽遺産分割前に処分された財産の取り扱い
相続が発生すれば、とくに遺言状がなければ相続人は法定相続の率に応じて各々が遺産を相続できる。しかし、なかには相続が発生し遺産分割前に、使い込んでしまう相続人も出てくる。
たとえば、評価額3000万円の自宅と預貯金3000万円の相続財産を2人の子が相続するケースで、自宅3000万円は長男、預貯金3000万円は次男と相続すれは公平になる。しかし、長男が自宅を生前贈与され、預貯金の2000万を使い込んだという場合、次男が受け取れる金額はこれまでは残された預貯金1000万円と使い込んだ2000万円の2分の1の1000万円の合計2000円だけだった。しかし、今回の改正では生前贈与された自宅も合わせた合計6000万円の2分の1の3000万円を相続できるようになる。

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