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失敗しない中古マンション投資

高くても安くてもダメ――管理費と修繕積立金はいくらが相場なのか?(1/2ページ)

斎藤 岳志斎藤 岳志

2020/02/17

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見落としがちな 管理費と修繕積立金

「マンションは管理で買え」という言葉をご存じでしょうか。
これは不動産業界で、マンションを買う際に、優先すべきもとしていわれる言葉です。実際、築浅の物件ではそれほど差は見えませんが、10年、15年、20年と築年数が経ってくると、だんだんと管理の差が見えてくるものです。
 しかし、国土交通省が5年一度行っている「マンション総合調査」平成30(2018)年度調によると、分譲をマンションを購入する際に重視される項目の上位5項目は、1位が「駅からの距離など交通の利便性」、2位「間取り」、3位「日常の買い物環境」、4位「周辺の医療・福祉、教育等の公共公益施設の立地状況」、5位「眺望」で、「共有部分の管理」は9位で、「管理で買え」とはなっていません。

この調査は自分で住むためのマンション購入のための優先順位なので、マンション投資では重要な要素にイクジットになる(売却)も含めた利回りも、考慮する必要があります。
とはいえ、この順位は「住みたい家」に求められる条件でなので、分譲、賃貸に関係なく投資物件探しのヒントになります。だから、この調査のように「共有部分の管理」を軽視してよいことにはなりません。むしろ、マンション投資という視点からは、「共有部分の管理」こそ、ベスト3に入れてもよい条件になると思うのです。

その理由は区分所有による不動産投資では見逃せない資産価値を落とさないために、とても重要な問題だからです。しかも、マンションストック数はすでに640万戸を超え、この数は今後も増える一方です。そうしたなか選ばれる賃貸住宅にするには日常の管理によって、空室リスク、ひいては空き家マンションにならないための手だてをしなくてはなりません。
国土交通省でもストックマンションの増加、空き家マンションへの対策のため「社会資本整備審議会住宅宅地分科会マンション政策小委員会」を立ち上げ、地方公共団体によるマンション管理適正化への関与の強化・充実に向けた方策、マンション再生の円滑化など、マンションのあり方についての検討を進められています。今後はマンションの適正な管理、修繕が求められることになるでしょう。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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