住まいのノウハウ講義 / 不動産投資 / 物件の選びかた

失敗しない物件選びの基礎知識(2)

「一棟」「区分」とはそれぞれどんな物件なのか

2016/02/24 枦山 剛

不動産投資用の物件には、さまざまな種類がありそれぞれに特徴があります。一棟・区分・新築・中古・都心・地方・鉄骨・木造…、どのような物件がどのようなメリット・デメリットを持っているのか紹介していきます。

「一棟」のメリット・デメリット

 ここでは「一棟」と「区分」の違いを見ていきましょう。ここでいう「一棟」とは「マンションやアパート全室を所有すること」で、「区分」とは「マンションやアパートの一室だけを所有すること」という意味です。

 一棟のメリットとしては、売買価格が大きくなる=投資の規模が大きくなるので、賃料収入も大きくなります。複数の戸数を持つことになるので、空室リスクの分散につながり(いきなり賃料がゼロになる可能性が少ない)、投資者の裁量でさまざまな施策がしやすくなります。

 たとえば区分所有ではリノベーション工事をしたいのなら、管理規約により事前に管理組合の承認が必要となることがありますが、一棟所有ならその必要はありません。また、一棟を所有していることで、資産価値として認められるのでほかの投資をする際に担保として提供すれば融資が受けやすいという面もあります。

 逆にデメリットとしては、投資する額が大きいので初期費用膨らみます。小規模のアパートでも、2000万円以上は覚悟しておかなければなりません。また共有部分もすべて所有することになり、戸数も多いので運営コストも大きくなります。入居者は自分の部屋に関するライフラインは支払いますが、共有部分の電気代などはすべて運営費として投資者の負担となります。

 このように、自由度は高いのですが、建物が大きくなることから運営・修繕コストが高くなってしまうのが一棟の特徴です。とはいえ、管理費・修繕積立金が強制的に徴収されてしまう区分とは違い、所有者の裁量で大規模修繕のタイミングを決められるのは大きなメリットです。

 また災害などで建物が倒壊してまったとしても土地は残るので、資産価値としての評価の下落率が区分に比べて少ないのも特徴です。

「区分」のメリット・デメリット

 次に、区分のメリット・デメリットです。区分のメリットは、何といっても小さい金額から投資を始められることです。小さい金額なので、万が一失敗してしまったときのリスクも、一棟と比較するとそれほど大きくはなりません。

 このようにリスクが少ないのが区分の最大のメリットで、不動産投資初心者や資金余力があまりない場合には適している投資といえます。一棟と比べ流動性が高いことから、立地条件がよいところにも物件が多数存在しているので、購入のハードル自体もそれほど高くはありません。

 また、建物自体の運営は管理組合が行なうため煩雑な作業は少なくなりますし、売却もしやすいので流動性が高いことがメリットとなります。また、複数地方に分散投資すれば、大規模災害などの被害がすべての物件に及ばないようにすることもできます。

 逆に、小さい投資=利益も少ないということなので、大きな儲けを出すことはむずかしいというデメリットがあります。また、管理費・修繕積立金が固定費として毎月、強制的に徴収されますし、入居者が出て行ってしまえばいきなり無収入になるという空室リスクの高さもあります。

 そのほか、所有者の裁量が低く、共用部分の修繕などもすぐには行なえませんし、土地がないことから担保価値が低く、融資が受けにくいという現実もあります。また、現在は不動産価格が高い水準にあるので、区分だと儲けを出しにくい傾向にあるのも事実です。

 いずれにしても、一棟・区分のメリット・デメリットをしっかり考慮し、自分ができる範囲での投資をすることをおすすめします。一棟のメリットである大きな儲けを目指すのか、区分でリスクの少ない投資でこつこつ稼ぐのか、事業計画・収支計画をしっかり立てて不動産投資に臨みましょう。

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