住まいのノウハウ講義 / 相続・税金 / 不動産の税金

知っておきたい不動産購入時の税金(2)

「契約書」を取り交わすときには印紙税がかかる

2016/02/26 土屋裕昭

印紙税とは、「売買契約書」「工事請負契約書」といった契約書を取り交わすときにかかる税金です。不動産を購入したり、建物を建てたりする場合の契約にも当然かかってきます。

契約書には「印紙」を貼って消印をする

 不動産を購入する場合には、売り主(不動産会社など)と買い主との間で、いくらで売買するか、物件はいつ引き渡すか、代金の支払いはどのようにするかといったことについて取り決めを交わし、「不動産売買契約書」を作成します。

 また、所有する土地に建物を建てる場合には、建築業者との間で、工事代金はいくらか、建物はいつ完成するのか、代金の支払いはどのようにするかといったことについて取り決めを交わし、「建築工事請負契約書」を作成します。

 さらに、不動産の購入や建物の建築のための資金を、金融機関から借り入れた場合には、「金銭消費貸借契約書」を作成します。

 これらの契約書を取り交わすときにかかるのが「印紙税」です。契約書を作ったら、印紙税を納めることが、印紙税法という法律によって義務づけられているのです。

 印紙税は、国が発行した印紙を購入することで納めます。ただ購入すればよいわけではなく、購入した印紙を契約書に貼って、印鑑などで消印しなければなりません。消印とは、売主と買主が印紙に押印することをいいます。印紙税は、所得税や固定資産税のように、納付書で銀行や郵便局を通して納付するのではなく、契約書に印紙を貼って消印すれば納付したことになります。

印紙税の税額はどう決まる?

 印紙税の税額は、契約書の種類と契約金額によって決められています。たとえば、不動産売買契約書で、売買代金が5000万円であれば印紙税額は2万円、売買代金が3億円なら印紙税額は10万円です。

 また、上にも書いた通り、ローンを組むために金融機関と取り交わす金銭消費貸借契約書にも印紙税がかかります。たとえば、4000万円を借りる場合、契約書には2万円の印紙を貼ることになります。

 請負契約書にかかる印紙税は、不動産売買契約書や金銭消費貸借契約書にかかる印紙税と金額が違います。平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に作成される建築請負契約書は、軽減措置が取られており、たとえば、契約金額が300万円の建築請負契約書を作成すると、500円の印紙税が、また契約金額が3000万円であれば1万円の印紙税がかかることになります。

 ここでいう契約金額は、不動産売買契約書では売買金額、工事請負契約書では請負金額、ローン借り入れの場合は借り入れ金額で判断します。

 なお、「不動産売買契約書」といった表題ではなく、「覚え書」あるいは「念書」といった表題であっても、そこの「不動産を○○万円で売買する」といった文章が書かれていれば印紙を貼らなければなりません。表題だけ変えれば印紙税がかからなくなるのなら、印紙税を収める人はいなくなってしまいます。

印紙税を節約するには?

 印紙は契約書を1通つくるごとに貼らなければなりません。契約書は売り主と買い主に1通ずつ、つまり2通つくるのが一般的です。そのため、売り主と買い主の双方が印紙税を納めなければなりませんが、この印紙税を節約することはできないのでしょうか。

 印紙税は、契約書をつくったときにかかる税金ですから、不動産の売買契約を結んでも、契約書をつくらなければ印紙税はかかりません。とはいえ、契約書を作らないでおくと何かトラブルがあったときに困ります。

 そこで契約書は1通だけ作成しておいて、その原本を一方(通常は買い主)が所持しておいて、もう一方は、契約書のコピーを持っておくようにすればよいのです。そうすれば1通分の印紙代しかかかりません。

印紙を貼らなかったらどうなる?

 不動産の売買契約や金銭消費貸借契約は、民法にしたがって取り交わされます。しかし、民法では契約書をつくることも、印紙を貼ることも義務づけていません。そのため、契約書をつくらなくても、印紙を貼らなくても契約の効果には影響がありません。

 だからといって、印紙を貼らなくてもかまわないというわけにはいきません。契約書をつくったときに印紙税を納めなければならないということは、印紙税法という法律によって定められています。印紙を貼らなかった場合には、「過怠税」として、本来貼るべき印紙の3倍の金額、貼りつけた印紙に消印をしなかった場合には、その印紙と同じだけの金額を払わなければなりません。

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