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中古住宅の売買契約時の注意点(2)

「重要事項説明書」はここをチェックしよう

2016/01/06 佐藤ゆみ

購入申込書を提出後、不動産売買契約を結ぶ前に、不動産会社の宅地建物取引主任者から「重要事項」の説明があります。「重要事項説明書」を事前にもらっておき、あらかじめ内容を確認しておきましょう。

契約書の土台となる「重要事項説明書」

 前項で、購入申込書を提出後、不動産売買契約を結ぶ前に、不動産会社の宅地建物取引主任者から「重要事項」の説明があることはお話ししました。この重要事項説明は、必ず書面を用いた上で、口頭で行なうことが義務づけられています。その書類が「重要事項説明書」です。

 重要事項説明書には、大きく2つのことについて記載されています。ひとつは「対象物件」について。もうひとつは「取引条件」についてです。書面になっていますので、売買契約後に「聞いてなかった」などの申し立ては認めてもらえません。

 一方で重要事項説明は多くの場合、売買契約当日に行なわれます。じっくりと読み込む時間はありませんので、必ず事前に不動産会社からコピーをもらい、あらかじめ内容を確認しておくようにしましょう。わからない用語や表現などもまとめて質問ができるように準備をしておくことをおすすめします。

 チェックポイントの詳細は下記のとおりですが、特に「抵当権」「ローン特約」「固定資産税額」は要チェックです。また中古マンションについては「管理費や修繕積立金の滞納の有無」についても念入りにチェックしましょう。

「対象物件に関する事項」の見方

 対象物件については、以下の内容が記載されています。
(1)登記簿に記載された事項
〔記載内容〕
 土地・建物を特定する情報、所有権についての情報、抵当権など所有権以外の権利関係についての情報など。
〔チェックポイント〕
□売主と所有者が同一かどうかを確認。異なる場合は、引き渡し時には買主名義の所有者移転登記ができることを契約書に明記してもらう。
□抵当権が設定されている場合は、引き渡し時には抹消されていることを契約書に明記してもらう。

(2)法令に基づく制限の概要
〔記載内容〕
都市計画法や建築基準法などに基づく制限について。
〔チェックポイント〕
□市街化調整区域ではないことを確認。該当すると、原則、一般住宅は建築できない。
□既存不適格物件の場合、建て替えた場合の制限を確認。

(3)敷地等と道路との関係
〔記載内容〕
 接面道路の種類・幅員および接道の長さなど。
〔チェックポイント〕
□敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接しているか(条件を満たしていない場合、建て替えにセットバックの対象となったり再建築ができない土地であったりする場合もあります)

(4)私道負担等に関する事項
〔記載内容〕
 購入する物件に私道があるかどうか。
〔チェックポイント〕
□敷地が私道にしか接していない場合、「道路位置指定」を受けているかを確認。受けていないと違反物件となる。

(5)飲用水・ガス・電気の供給施設および排水施設の整備状況
〔記載内容〕
 飲用水は公営か、私営か。ガスは都市ガスか、プロパンガスか、など。
〔チェックポイント〕
□対象物件の敷地に他人の配管が埋設されていたりしないか。配管の太さ、位置など。添付資料がありますので、確認します。
□未整備の場合、整備予定があるかないか。

(6)石綿(アスベスト)使用調査の内容
〔記載内容〕
 石綿使用調査が実施されている場合はその結果。
〔チェックポイント〕
□調査が義務づけられているわけではないため、記載がないからといって、石綿が使用されていないとは限らないので注意。2004年以前の住宅ではアスベストを含む建材が使われているケースも少なくない。

(7)耐震診断の内容
〔記載内容〕
 耐震診断が実施されている場合はその結果。
〔チェックポイント〕
□義務づけられているわけではないため、記載がないからといって、安心とも危険ともいえない。強度不足が明らかになっている場合は対策が必要。

(8)住宅性能評価に関する事項
〔記載内容〕
 第三者機関による住宅性能評価が実施されている場合はその結果。
〔チェックポイント〕
□評価の内容に応じて、対策等が必要かどうかを検討。

「取引条件に関する事項」の見方

 取引条件については、以下の内容が記載されています。

(9)代金および交換差金以外に授受される金額
〔記載内容〕
 手付金額や固定資産税・都市計画税の売主との分担金などについて。
〔チェックポイント〕
□「手付金は契約時には、売買代金の一部に充当する」と明記されているか。
□固定資産税・都市計画税は日割り計算になっているか(年初めの物件所有者に支払い義務が生じるため、契約時に買主は売主に分担金を預ける)

(10)契約の解除に関する事項
〔記載内容〕
 契約を解除する際の取り決めについて。
〔チェックポイント〕
□解約可能な期間や手付金の扱いはどうなっているか。
□「融資利用の特約による解除(ローン特約)」という条項があるかを確認。記載がないと、融資が下りずに契約できなかった場合に手付金が全額返済とはならない。通常は記載があるものなので、ない場合は必ず明記してもらうこと。

(11)損害賠償額の予定または違約金に関する事項
〔記載内容〕
 売主の都合で契約が解除される場合の違約金の取り決めなどについて。
〔チェックポイント〕
□損害賠償の予定額と違約金の合計額は売買代金の2割が上限。

(12)金銭の貸借に関する事項
〔記載内容〕
 住宅ローンを受ける場合、金融機関名や融資額など。
〔チェックポイント〕
□融資が下りなかった場合の措置が「契約の解除に関する事項」と同内容になっているかを確認。

(13)売主の瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要
〔記載内容〕
 物件の引き渡し後に問題が発見された場合の措置について。
〔チェックポイント〕
□瑕疵担保責任の対象となるのは、一般に「雨漏り」「シロアリ」「建物構造上主要な部位の木部の腐食」「給排水設備の故障」など。
□売主が責任を負うのは、通常、引き渡してから「2カ月以内」。記載がない場合は明記してもらう。

「一棟の建物やその敷地に関する権利およびこれらの管理・使用に関する事項」の見方

 マンションの場合はさらに以下の事項が記載されています。

(14)敷地に関する権利の種類・内容
〔記載内容〕
 所有権・地上権・賃借権など敷地の権利の種類と内容について。
〔チェックポイント〕
□所有権であることを確認。

(15)共有部分に関する規約
〔記載内容〕
 居住者全員で共有する部分について。
〔チェックポイント〕
□共有部分の範囲や規制を確認。

(16)専用使用権の内容
〔記載内容〕
 駐車場や専用庭などの専用部分について。
〔チェックポイント〕
 専用部分の内容と使用料および使用料の充当先を確認。

(17)修繕積立金・管理費の金額
〔記載内容〕
 修繕積立金と管理費の用途や負担額について。また管理を委託している場合、委託先の会社の名称など。
〔チェックポイント〕
 修繕実績や長期修繕計画に見合う残高があるか、滞納がないかなどを確認。

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