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家づくりの設計・見積もり時の注意点(5/11)

キッチンの設計は「不便さ」を解消するプランにするとうまくいく

2016/01/28 山田章人

日常生活になかで、意外に滞在時間が長くなるのがキッチンです。ですから、キッチンが狭かったり、壁やタイルに囲まれていたりするのはちょっと寂しいかもしれません。そこで、機能面から使いやすいキッチンを検討していきます。

キッチンの広さと寸法について

 一般的に、キッチンは「シンク・コンロ」などの設備部分と、「作業台」などのスペースに分かれています。洗い物をするシンク側と作業台の距離は、近すぎても遠すぎても非常に不便です。目安は80~110センチメートルとし、ふたりで同時に作業しても大丈夫な適正距離にしましょう。

 また、キッチン全体の広さについては、ダイニングへの動線や収納の前でものを出し入れするスペース、また椅子を動かせるスペースなどを適度に確保し決めていきましょう。

使いやすいキッチンの形とは?

 シンクとコンロの配置によって、キッチンが「I字型」「L字型」などが決まります。よく使われているのは「I字型」で、シンクとコンロが並列なので、シンク側で作業していてもいつでもコンロの様子を確認でき、移動の横だけですみますが、キッチンが長いとその分移動距離が延びます。

「L字型」はシンクとコンロの距離が近いので動きは楽ですが、コーナー部分がデッドスペースになりがちというデメリットがあります。また「コの字型」タイプや「ニの字型」タイプもあります。「ニの字型」のように壁にくっついていない部分があるキッチンは、島のようになっていることから「アイランド型」とも呼ばれています(「I字型」でも可能)。ちなみに「ニの字型」は、「洗う・調理する」と「つくる・配膳する」が分かれていることから、調理に向いているとされている配置です。

 また、対面キッチンも人気です。ダイニングにいる家族とコミュニケーションをとれることから、台所での作業がにぎやかになります。そして、家族が食事中にキッチンに行ったときも、様子が見えることから作業もしやすくなります。しかし、動線的には不便な配置になりがちではあるので、収納などの設置場所を熟考する必要があります。

キッチンの使いやすさを増す一工夫

 最近の家は暖房器具の発展により、暖かい家が多くなっています。そこで、冷蔵庫以外の冷暗所としてパントリーがあると重宝します。

 パントリーに缶詰や野菜・漬物など冷暗所での保存が必要なものを置くことで、冷蔵庫のスペースを有効に利用することができます。今のキッチンは10℃以下になることはほとんどないので、このパントリーのあるなしが大きく影響します。

 また、パントリーは収納としても有効ですので、やみくもに収納棚をつける必要もなくなります。年に1~2回しか使わないような季節の食器は、パントリーに収納しましょう。

勝手口があるとゴミ出しが楽に

 そして、ゴミ出しなどの臭いが気になるものや、土がついたままの野菜など汚れが気になるものは、玄関口とは別に勝手口があると便利です。

 ゴミなどを玄関から出すことに抵抗のある人は、この勝手口を活用しましょう。昔の勝手口はキッチンの片隅に土間があるだけでしたが、これでは冬に冷たい空気がキッチンを直撃してしまいます。そこでパントリーに勝手口をつくることで、キッチンに冷気が入り込むことを防ぐという方法があります。

 このように、一口にキッチンといっても広さ・設計など考えることがたくさんあります。ライフスタイルを見直し、どのようなキッチンが自分たちに一番合っているかを考え設計してもらいましょう。このキッチンを中心に家事動線をつくると、その他の家事にとってもいい影響を与えるので、家事部分の設計では最初に考えたほうがいい場所です。

今のキッチンから考えてみる

 女性にとってキッチンを新しくするというのはとてもワクワクする瞬間です。理想を求めて色々な考えがよぎると思います。ただなんといっても毎日使う場所でもありますので、動線、機能を優先して考えましょう。

 そして、失敗しないために最低限考えておいてほしいのは、いまのキッチンの不便なところはどこか、ということです。その不便さを取り除くプランにするとよいでしょう。

 キッチンのショールームに行くと、「いまの流行はこれです」といろいろ案内されます。いろいろ期待は膨らみますが、本当に必要なものかどうかは、いまのキッチンでの不便さを補えるかどうかをよく考えれば、おのずと見えてきます。「流行っているから」「ほかの人もみんな取り入れているから」というだけで無駄な買い物をしないようにご注意ください。

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