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失敗しない物件選びの基礎知識(8)

シェアハウス運営は魅力もあるが注意すべき点も多い

2016/02/24 枦山 剛

インバウンド(訪日外国人旅行者)の急増によって「Airbnb」が注目されています。これは所有している不動産を一時的に旅行者に貸し出すというものですが、これを一歩先に進めた形で行なうのが「シェアハウス・ゲストハウス」という考え方です。

「空間の切り売り」により収益を増やす

 シェアハウス・ゲストハウスといった考え方は、ひとつの物件として考えた場合には家賃が高くなりますが、その物件を数人で賃貸すればひとり分の負担は小さくなり、トータルの利益は増えるということです。簡単にいうと、賃料が月10万円の物件であっても、その物件を4人に月3万円ずつで貸すと12万円になるということです。

 シェアハウス・ゲストハウスという言葉は非常に抽象的で、固まった定義がありません。そこでここでは「キッチン・風呂・トイレなどは共同で使用し、複数の入居人が混在する建物」という定義で、シェアハウスについて説明していきます。

 まず、シェアハウスを運営するにあたり注意すべきこととはどんなことでしょうか。

 そもそもシェアハウス用に新築する物件であれば、専門家に頼み設計・建築してもらえますが、もともとファミリー用に使用されていた3LDKや一戸建てなどの物件をシェアハウスとして貸し出す場合など、もともと違う使い方をしていた物件をシェアハウスとして利用する場合は、以下の点に気をつけなければいけません。

 国土交通省では、シェアハウスを「貸しルーム」と表現していますが、複数の入居人が生活するシェアハウスという業態は、建築基準法上の「寄宿舎」に該当するという通知を出しているのです。つまり、一般住宅と比べ法的に厳しい規制がなされているのがシェアハウスなのです。

 東京では2015年にそれらの規制を条例で緩和する方針を打ち出しましたが、基本的には一般住宅より厳しい規制になっていることには変わりありません。

利回りは魅力的だが…

 この規制をクリアし、無事シェアハウスとしての運営ができたときには、賃料総額が最初の設定より大きくなることから高い利回りが期待できます。しかし、ここで問題になるのがOPEX(運営費)です。

 キッチンや風呂・トイレを複数の入居人が使用することから、きちんとしたルール整備をしなければどのように使用されてしまうかわかりません。そのほか、ゴミ出しや掃除・洗濯などについても、入居人任せにしてしまっては大変なことになってしまいます。

 最近ではある一定の趣味や属性の人を集めたコンセプト型ゲストハウス等もありますが、入居希望者のなかには男女間の出会いなどを求めて入居し、ほかの入居者とトラブルなどを起こすケースも発生しています。今後はこうした入居ニーズの仕分け等も、共同生活を送るシェアハウスでは必要になってくる可能性が高いです。

運営については慎重な検討が必要

 そこで必要になるのが、シェアハウスの正しい運営のために環境の整備・管理を外注すること。これがOPEXに大きな影響を与えます。しかも整備・管理はしてくれも、それ以外のクレーム処理などにまでサービスを徹底している業者が少ないのも実情です。

 このようなシェアハウスの管理料は、月額賃料の20パーセント前後が相場とされています。ちなみに、一般賃貸住宅の場合は同じく月額賃料の5パーセント前後といわれていますから、どれだけ高いかおわかりでしょう。

 最初の例でいえば、一般賃貸の場合、月10万円の収入で管理費が5パーセント(5000円)なので9万5000円が残ります。シェアハウスだと月12万円の収入で管理費が20パーセント(2万4000円)なので9万6000円が残ります。その差、わずか1000円となってしまいます。

 このように、シェアハウスは利回りが高く見えますが、実際のシミュレーションをしてみると一般賃貸とさほど変わらないときもあります。売却時にも買い手がつきにくいなどのデメリットもあるので、シェアハウスの運営については慎重に検討しましょう。

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