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田舎ならではの「住まい」のみつけ方を知る。

ネットで見つからない不動産の探し方

2016/01/05 馬場未織

田舎の不動産情報は分譲が主流。いきなり買うのは気が引けるが、どうすれば?

空き家は多いが貸したがらない

 いま、全国的に空き家が増えていることが問題になっています。最近のデータでは、全国で約820 万戸もの空き家があるとか(●●年●月現在)。すでに人口減少は始まっていますが、世帯数のうえでも、2019年をピークに徐々に減少する見込みです。このままでは、今後ますます空き家は増え続けていくでしょう。2033年には3軒に1軒近くが空き家になるとの試算もあります。

 住民不在できちんと管理されいない空き家が増えると、防災や衛生、また景観などの点でも、地域の生活環境に悪影響があると言われており、なんとか対策を講じようと2015年5月から「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律が施行されたほどです。

 全国的なデータでもこうですから、高齢化や人口流出の進んだ地方に限ってみれば、もっと多くの空き家が出ているはずです。住宅数に対する空き家の比率を見た「空き家率」がいちばん高いのは山梨。次いで、愛媛、高知、徳島、香川と続きます。

 「そんなに空き家が増えているなら、田舎の家探しは簡単なのでは?」と、そう思うかもしれませんが、実は違います。家や土地は先祖代々のものだから、赤の他人には貸したくないとか、都会に出た子どもたちが、いつか帰ってくるかもしれないとか、盆暮れだけ親類縁者が集まるときに使いたい、などなど。たとえ実際には住んでいなくても、そうそう簡単に貸家にできない事情があるわけです。ましてそうした空き家情報がネットに載ることもありません。

まずは町中に住み、二段階で探そう

 田舎の家探しは、敷金・礼金を払えば済むという都会的な感覚だけではうまくいきません。ではどうするか? オススメなのは、いかにも「田舎暮らし!」を望んでいる場合でも、まずは地方都市の町中に住み、地元の知り合いを増やしながら、希望地域の不動産情報を口コミで手に入れることです。

 たいていの場合、町中であれば、オーソドックスな賃貸物件はそれなりにあります。町中に暮らしながら週末ごとに郊外へ出かけ、農家さんと地域の行事に参加するなどして信頼関係を築ければ、「とっておき」の物件情報も入ってきます。いったん信頼関係ができさえすれば、広々とした古民家風の一戸建てを格安で借りられるかもしれません。田舎に生活拠点を築くには、都会とはちがう段取りがあるわけです。

家探しでも役立つ自治体の移住者向け情報

 「見逃せない!自治体の『お試し移住制度』を活用しよう」の記事で、移住体験に力を入れている自治体の例を紹介しましたが、本格移住に際しても、充実した支援制度を持つ自治体は少なくありません。

 たとえば千葉県鴨川市では、ふるさと回帰支援センターが空き家や農地などの不動産情報を一括管理し、田舎暮らし希望者に情報提供しています。そのほか、新規移住者が地域を理解し、溶け込むための研修会なども行っているそうです。地元の人と直接的なつながりがない初期段階では、行政を媒介としてコンタクトをとるのは非常に有効です。

 兵庫県北部の養父市では、任意団体「田舎暮らし倶楽部」を通して、空き家情報の提供や集落の慣習紹介を行っています。ほかにも、希望者には農業体験や移住者訪問の機会を提供し、田舎暮らしを総合的に支援しています。

 あるいは、鹿児島県の南部、沖永良部島東部に位置する和泊町。ここには、遊休町有地を生かした住宅用地を定住希望者が一定期間借りることができ、その期間の終了後は、土地を無償譲渡してもらえる制度があります。

 希望にピッタリ合う物件を待っていては、いつまでも移住できないかもしれません。まずは思い切って動いてみて、地域に溶け込みながら住まい探しを続けるのもひとつの方法です。

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